この猫、琴ちゃんは日本語のクラスのゲーリーさんとスコットさんから戴いた。いつか授業中に「猫が好きだけどあまりに多く旅をするので飼えない」と言ったのを覚えていたのだろう。ある日私の研究室に二人で大きな袋を抱えてやってきて、「プレゼントです。開けてみてください!」と言った。袋の中の箱をあけようとしたら本物の猫の声がにゃお~っと聞こえ、ひるんで後ずさりした。猫が好きだと言ったって、そこは大学 の研究室、これから授業があるのにびっくり仰天するではありませんか。私のあわてぶりをみて二人は大喜びした。本物と間違えたのが嬉しかったのだ。
琴ちゃんはセンサーで反応する。日本にもあるかもしれない。声も本物そっくりで可愛いこと勿論だが、目を瞑り首を傾けるしなも、喉をゴロゴロ鳴らし尻尾を振り、挙句の果ては寝っころがって足をバタバタする動作もまるで本物だ。餌をやらなくてよいところ、ウンチをしないところ、当然本物より楽だろう。写真はスコットさん。彼は日本語の歯切れがよく、Spech Contest でArticulate賞を受賞した。(彩の渦輪)