あけぼの

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膨れ上がり落下するイグアスの水の束 完  ~ブラジル~ 

2009-10-13 19:17:08 | ブログ

アルゼンチン側の滝で有名なのは悪魔の喉笛だ。眼前に見る二段滝の水の迫力とその水量の豊かさはブラジル側に負けない。ここは滝に沿って歩くコースが長く、多様な滝を鑑賞出来るよう整備されており、滝そのものの規模が小さくても情緒があり楽しい。ボートで滝の落下地点まで行くツアーはアルゼンチン側からの方が近くて半額で済む。

滝はイグアス河を挟んで二カ国(ブラジルとアルゼンチン)にある。近くのパラグアイを含む三国間は安い路線バスで行き来できる。アルゼンチン側からブラジルにはビザなしで行ける。別の日、イグアス河を越えたパラグァイの街、シルダー・デル・エステに行ってみた。一帯はタックス・フリー・ゾーンで輸入商品が溢れている。日本の電気商品やカメラはその主役、化粧品も多く価格も安い。ブラジル側からの買い物客で一杯だ。盗品や倒産会社の物品等も多いらしい。母国のタバコを買いに来るのだから価格は推して知るべきだ。そこからブラジルへの帰路の渋滞は凄い。イグアス河にかかる橋が国境、そこに向かって周囲の道路から車が集まるのだから混雑に拍車を掛けている。タクシー、路線バス以外はブラジル側関税でチェックされる。サンパウロに帰る夜行バスも運悪く税関の検問にひっかかり多くの買出し連中が商品を没収された。プロの運び屋たちはけろっとしてビールを飲みながら仲間同士との情報交換に余念がない。

ブラジルではイグアスの滝やリオのカーニバルが一般観光の目玉だ。世界から観光客が集まって来る。観光した彼らの口コミでその迫力と素晴らしさが伝わって行くのだが、先進国から余りにも遠いことも価値観を高める要因だろう。見たあとは「なぁーんだ、あんなものか」と記憶の彼方に消えるだろう。(自悠人)