DVDのお笑いを聞きながら考えた。笑って暮らせる平和な社会を次の世代に残さなければ、と。病気後筆者は「歩いて笑ってサヴァイヴだ(Survive、生き残る!)」と自分への合言葉にしてきた。「歩いて」の方はバックパックの旅に加えて「朝の30分速歩き」と時たまのプール歩きだ。「笑って」の目的のためにはこの春、DVD「昭和の名人による落語滑稽噺選」を買っていた。これを買った時の娘の談:「創り話に頼る笑いじゃだめ。日常生活の中に笑いがなきゃあ!」。そうかしらん?いけない、日常生活の中の笑いは減って来ている。朝、新聞を開くたび、憂いが増える。68年間国民を守って来た平和憲法が危うい。個人の権利は制限され義務は増える雲行き。朝の速歩き中、目に飛び込んでくるのは過ぎし選挙の「日本を取り戻す」ポスターだ。「取り戻すって、どこへ?」笑いの消えたある時代へ、いつか来た道を通って?胸騒ぎで病気が悪くなりそうだ。他方、落語DVDは名人12人による30話。留守がちで埃にまみれていたが今月やっと聞き終えた。期待に反し抱腹の落語は写真の米丸さんや今輔さん他、4話ほどだったが。
病気からの生き残りには笑いが有効と言うが、戦争からの生き残りには笑いは無効、どころか、笑いは消える。「戦時」が「病気」以上の脅威に思える所以だ。平和な社会を「失って」から「取り戻す」には無数の命の犠牲と無限大の努力が必要だろう。笑って暮らせる平和な社会を次世代へ手渡さねばならない。DVDを聞いて笑っている場合ではないという気になってきた。戦争を避ける文化が高まるよう、微力でも行動しなければ。(彩の渦輪)