ざあざあと雨が降っていたから今頃だったろうか・・・
「奥さん、ちょっとつかまらせて」
と、小太りの女性が不意に私の腕をつかんできた。
傘をさしながら並んで歩く道すがら
「悪いねえ、こわくて」
この天気で足腰の具合が悪く
今も整形外科に行ってきた帰りだという。
少し行った先を右に曲がって二軒目の家だから
門のところまでくれば大丈夫だという。
「本当に何とお礼を言っていいか」と言われて
私はもと来た道を引き返した。
実は私も必死だった。
けがをして数年たってはいたが
雨の日はことさら調子が悪かった。
足も思うように上がらない。
傘をさせばうまくバランスもとらなければならない。
そこに「むんず」と腕をつかまれて
彼女の体重がぐっとかかってきた。
しっかり支えて歩かなければならない。
下手にふらついたりして
弱さを悟られたりしたら大変だ。
もう少しで家なのに
言うことをきかなくなった身体に
本当にどうしようもなくなって
外見的には「デカイ」体格の私に
とっさにすがってきた彼女を
見捨てるわけにはいかなかった。
それにしても
私の踏ん張りはいつまできくのだろう。
「奥さん、ちょっとつかまらせて」
と、小太りの女性が不意に私の腕をつかんできた。
傘をさしながら並んで歩く道すがら
「悪いねえ、こわくて」
この天気で足腰の具合が悪く
今も整形外科に行ってきた帰りだという。
少し行った先を右に曲がって二軒目の家だから
門のところまでくれば大丈夫だという。
「本当に何とお礼を言っていいか」と言われて
私はもと来た道を引き返した。
実は私も必死だった。
けがをして数年たってはいたが
雨の日はことさら調子が悪かった。
足も思うように上がらない。
傘をさせばうまくバランスもとらなければならない。
そこに「むんず」と腕をつかまれて
彼女の体重がぐっとかかってきた。
しっかり支えて歩かなければならない。
下手にふらついたりして
弱さを悟られたりしたら大変だ。
もう少しで家なのに
言うことをきかなくなった身体に
本当にどうしようもなくなって
外見的には「デカイ」体格の私に
とっさにすがってきた彼女を
見捨てるわけにはいかなかった。
それにしても
私の踏ん張りはいつまできくのだろう。