自殺用品専門店の一家のお話だなんて
ちょっと変わったアニメです。
どんよりとした雰囲気のはじまり、
ビルから人が次から次へと堕ちてきます。
それらをよけながら飛んでいた鳩が
仲間のところに何とか帰りついて
自らも思い出したように堕ちてゆく。
それらしきムードでしばし観ていましたが
ミュージカルとは想像していなかったので
ちょっとびっくりしました。
それにしてもフランス語のアニメ、そしてミュージカルって
本当に別物の感ですね。
コメディと言うのか、ブラックユーモアというのか
矛盾するような展開もところどころにあって
日本的な発想ではあり得ない事も多々あって新鮮です。
何代も続く自殺用品店のトゥヴァシュ家
暗い目をした兄妹。
父はミシマ
って三島由紀夫から? ミシマのくまはひどい・・
そうして店には多種多様な首つり用ロープや毒薬、毒入りキャンディ。
切腹用の腹切りセット。日本刀までそろっている。白装束もです。
溺死用のブロックはオリジナル。
長女マリリンはマリリンモンロー?
自殺した人の名からとっているようですね。
母ルクレスだけがいやに明るく商売上手な感じですが
それは気丈な母として一家をきりもりするための偽りの明るさ
スーサイド・ショップをやっているから死ねない家族。
そこに生まれた男の子の笑顔。
この無邪気で明るいアランが一家をかえてゆきます。
ハッピイエンドでほっとしますが
フランスでベストセラーになったという
ジャン・トゥーレの小説「ようこそ、自殺用品専門店へ」が原作です。
でも本の最後は家族に本当の幸せを教えたアランが・・・
映画とは違う終わり方のようです。
それでも面白そう。
機会があったら、原作を読んでみたいものです。
ルコント監督の作品は、「橋の上の娘」が記憶に残っています。