いつのもように私は地下鉄の先頭の車両の席におさまっていた。
女性たちの声がしたので
耳だけ澄ますと
席を譲る声と譲られる声だった。
ドアのすぐ近くに座っていた女性が
乗りこんできた女性に声をかけ、席を譲ったようだった。
譲られた女性は恐縮していたようだが素直に腰かけた様子だ。
譲って立ち上がった女性が
動き出した車内でバランスを崩し、他の乗客に触れたと感じたのだろう
謝りながらよたつく自分を自嘲した・・・
小柄でスマートな女性だったから無理もない・・・
私の右隣の初老の男性がお尻を寄せて
私も習ってお尻をよせると
席がぽっかりと一つ空いた
女性にトントンすると
気づいたようだが反対に振り返ったので
もう一度触れて声をかけた。
彼女はお礼を言って喜んで席についた。
この席は4人座れるのにいつもゆったりと3人しか座っていない。
彼女が今まで座っていた向かいの席には
3人がゆったりと座って、スマホやタブレットに夢中だ。
スマホをなぞっている譲られた女性は
若くふくよかだが片手が不自由な感じだ。
隣の男性は鞄の上にタブレットを置いてずっとにらめっこ。
この男性が気づいて、もう少しお尻を寄せてくれていたら
彼女は席を譲らなくてもすんだろうに・・・
と思いながらまじまじと見る。
それから、目を閉じながら
弱者が弱者に席を譲るのだからと考えてしまう・・・
弱者だからわかること、気づくことも多いのだろう。
少しすると、そうっと私をのぞきこむ気配がして
私の前に顔を持ってきていた隣の女性が
「おかげさまでした」と言って
かわいいほどに小股に歩いてドアに駆け寄った
やっぱり弱者なのだった・・・
「とんでもないです」
と随分昔に覚えたこの言葉が繰り出された。
女性たちの声がしたので
耳だけ澄ますと
席を譲る声と譲られる声だった。
ドアのすぐ近くに座っていた女性が
乗りこんできた女性に声をかけ、席を譲ったようだった。
譲られた女性は恐縮していたようだが素直に腰かけた様子だ。
譲って立ち上がった女性が
動き出した車内でバランスを崩し、他の乗客に触れたと感じたのだろう
謝りながらよたつく自分を自嘲した・・・
小柄でスマートな女性だったから無理もない・・・
私の右隣の初老の男性がお尻を寄せて
私も習ってお尻をよせると
席がぽっかりと一つ空いた
女性にトントンすると
気づいたようだが反対に振り返ったので
もう一度触れて声をかけた。
彼女はお礼を言って喜んで席についた。
この席は4人座れるのにいつもゆったりと3人しか座っていない。
彼女が今まで座っていた向かいの席には
3人がゆったりと座って、スマホやタブレットに夢中だ。
スマホをなぞっている譲られた女性は
若くふくよかだが片手が不自由な感じだ。
隣の男性は鞄の上にタブレットを置いてずっとにらめっこ。
この男性が気づいて、もう少しお尻を寄せてくれていたら
彼女は席を譲らなくてもすんだろうに・・・
と思いながらまじまじと見る。
それから、目を閉じながら
弱者が弱者に席を譲るのだからと考えてしまう・・・
弱者だからわかること、気づくことも多いのだろう。
少しすると、そうっと私をのぞきこむ気配がして
私の前に顔を持ってきていた隣の女性が
「おかげさまでした」と言って
かわいいほどに小股に歩いてドアに駆け寄った
やっぱり弱者なのだった・・・
「とんでもないです」
と随分昔に覚えたこの言葉が繰り出された。