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~観てから随分と日数が過ぎた~
彼女の人生は間違いじゃない!
そうなのよね
間違いの人生なんてないんだから
どんな体験だって
みんな糧になるのだから・・・・なるはずだよね。
でも、若い頃はそんなことに気づくはずもない
気づくとか気づかないとか、そんな余裕すらない
いっぱいいっぱいのこころを抱えて何とか毎日をこなしている
こんな毎日が早く過ぎ去ればいい
と、そそくさとこころを凍結してやりすごす
あの頃はあんなだったけど
いま思えばって、
ふりかえられると信じて
突然やってきた災害たち 地震、津波、原発事故
津波で失ったのは母だけじゃない
汚染された家にも戻れない
農業もできない
地震で壊れた家も田畑もいずれ朽ち果てていくのだろうか
父親はぐちぐちした心をいやそうと
パチンコ通いが続く
賠償金や義援金でそれなりにお金はあるから
どうしようもないんだよね。
こんな風にして使い果たした人も沢山いたのだから
起きて、毎日ご飯を食べて、パチンコに通い、晩酌をしてと
そんな規則正しい生活ができるだけでもましな方かもしれない
でも、役場で働く娘はそんな父を見ていられない
やさしすぎる娘だから誰も傷つけられない
そうして自分を傷つけるような生活を始める
でもそれは色々な人を知る旅
現実の世界から逃避する方法は
全く別の世界にいくこと
そう、私が映画を観に行くようにね
週末、上京してデリヘルをする行き帰りのバスの中
後ろの席に陣取り、着替えて、切り替えをする
窓の外に続く送電線 東京に送るための電気を作っていた原発
少しずつ氷が解けるように、変化してゆくさまが何だか救われれてよかった
やりきれないことが多すぎるけれど
みな優しい
監督のまなざしも
どうしようもない中でこの優しさがなかったら本当につらい
3月11日から1ヶ月経とうとしていた時の深夜の地震は
少しずつ兆しがみえていた全てが逆戻りとなり
本当にこころが折れそうな気がした
私でさえ、そうなのだから 想像しようもない現実
それでも前に進むしかない
これからの時代を担う若い人たちに観てほしい作品だ