ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

ミセス・ハリス、パリへ行く

2022-11-27 | 映画のお話
ずっと待っていた夫はやはり戦死していたけれど
親友や友人たちに囲まれて充実の毎日の家政婦ミセスハリス
1950年代のロンドンの労働者とお金持ちたちの暮らしは
相変わらずだけど
ある日、奥様のゴージャスなドレスに魅せられてしまう。

クリスチャン・ディオールのオートクチュール
ご主人に内緒の500ポンドもするドレスがあるのに
奥様はお給金をなかなか払おうとしない・・・

ドレスを買おうとためた100ポンドを
ドックレースで見事にすってしまったりの威勢のいいおばさんぶり

それでも明るく親切でチャーミングな人のいいハリスに
次々と幸運が舞い込んでたまった500ポンドは
もしかしたら500万くらいになるのかしら・・・

そうして彼女の周りには ふしぎと誰一人 悪人はいないのだ

悲しいことがあっても、いくつになっても
一生懸命働いて夢を叶えようと目をキラキラさせて生きる姿が素敵

始めての飛行機で着いたパリは
労働者のストライキでゴミだらけだったけれど

ディオールでくしゃくしゃの札束を出して ドレスを買おうとするも
威圧的なマネージャーのコルベールに鼻でせせら笑われる始末

お金持ち相手の世界的ファッションブランド「ディオール」
なのに「ロンドンから、家政婦さんがドレスを買いにきたわよ!現金で」
と聞いて、お針子やモデルたちがわぁ~とさざめく
どんなにあでやかなメゾンも、たくさんの労働者たちで支えられているのに

戦争はやっと終わったけれど
出征していた夫は戦死したり、鼻で笑ったマネージャーですら
夫は傷痍軍人となって妻が働かざるを得ない実情だった時代

お金はないけれど
ディオールで働くサルトル好きの若いモデルや会計士、
侯爵など親切な人たちに取り囲まれるようにして
パリでドレスができるまで過ごすミセスハリス

いつも生き生き堂々と自然ですごく素敵
伯爵でも男爵でもなく、最高位の侯爵が出てくるのもおもしろい

シンデレラストーリーでもなく
自分の一番いこごち良い居場所を知って帰っていく彼女

金持ち顧客ばかりを相手にしてきたメゾンがプレタポルテに変わるような時代の流れの中で
透明人間だった家政婦やメゾンの裏方や労働者がしっかりと存在を現してゆく

ポール・ギャリコの小説「ハリスおばさんパリへ行く」が原作
普通のおばさんのおとぎ話で幸せな気分になれそう

ミセスハリス役ってよく知らないけれど
え~、ゲーリー・オールドマンの最初の奥さんじゃないの
って初めて知りました。
私が知った時のゲーリーは再婚してイギリスに妻子を残してアメリカで頑張ってたけれど・・・




コメント
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