親に似ず長男と三男は、学生時代に煙草を覚えた。私はと言えば煙草アレルギーで、会社が休みの時以外の日は、職場の煙を吸って夕方になると痰がからんで困っていた。どうにかして倅の喫煙を止めさせられぬものかと、ない知恵を絞り一計をめぐらした。
攻めやすい三男に軽く「もし煙草を止めたら、5万円をやろう」と持ち掛けた所、案外すんなりと乗ってきた。「但し、復活したら倍返しぞ」と付け加えることも忘れずに。してやったりとほくそ笑みながら、私のポケットマネーに「絶縁(煙)賞」の賞状をつけてやった。
次いで意固地な長男を落とすチャンスを窺っていた。その年の暮れに、風邪をこじらせているのを見計らって例の話を出すと、渋々ながらも止むに止まれず禁煙に踏み切った。
そうこうする内に元々煙草はやらない次男からクレームがついた。とんだ片手落ちと合点し、即座に「無縁(煙)賞」を出した。
かれこれ10年になるが、勿論三人の誰からも10万円は受け取っていない。当時小遣い3万円の分際には、15万円也は手痛い出費だったが、何物にも代えがたいグッドアイデアと自負している。
攻めやすい三男に軽く「もし煙草を止めたら、5万円をやろう」と持ち掛けた所、案外すんなりと乗ってきた。「但し、復活したら倍返しぞ」と付け加えることも忘れずに。してやったりとほくそ笑みながら、私のポケットマネーに「絶縁(煙)賞」の賞状をつけてやった。
次いで意固地な長男を落とすチャンスを窺っていた。その年の暮れに、風邪をこじらせているのを見計らって例の話を出すと、渋々ながらも止むに止まれず禁煙に踏み切った。
そうこうする内に元々煙草はやらない次男からクレームがついた。とんだ片手落ちと合点し、即座に「無縁(煙)賞」を出した。
かれこれ10年になるが、勿論三人の誰からも10万円は受け取っていない。当時小遣い3万円の分際には、15万円也は手痛い出費だったが、何物にも代えがたいグッドアイデアと自負している。