
2009年10月1日、永田法順住職による琵琶法要=岡山市
日本でただ一人の琵琶法師といわれる永田法順氏(天台宗浄満寺15世住職)が24日、宮崎県延岡市の病院でご逝去され、74歳だった。
ご冥福をお祈りいたします。
昨年10月1日に岡山市で開催された「第10回天台宗岡山大会」における記念公演として氏の琵琶法要を初めて拝聴したばかりである。あの時は素振りさえ窺えなかったが、あるいは良くない体調をおしてのご出演だったのか。
インパクトのある濁声で、延々と繰り返される琵琶の軽やかなリズムなれども、惜しむらくは語りの内容が、浪曲などと違って当方には殆ど理解できなかったことである。
氏は2歳の時に失明し、13歳で先代住職に弟子入り。仏の教えを説いた「釈文」12巻を暗記し、琵琶の弾き語りをしながら檀家を回り祈祷する日本で最後の琵琶盲僧とされる。2002年に県指定無形文化財、2006年に県文化賞を受賞された。