てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

初にして最後の体験

2024-04-24 13:03:25 | 人生

山陽新聞のくらし面に毎水曜日掲載になる阿川佐和子さんのエッセイ「だいたいしあわせ」を楽しみにしている。

24日付け、タイトルは「初めてのお年寄り」。
瀬川瑛子さんとの遣り取りを通して、阿川さんの解釈に我が意をえたり。

「お身体はどこも悪くないですか?」
「悪いところが佃煮みたいにたくさんある」
「お尻のあたりが猛烈に痛くなって、でも私、歳を取るの初めてだったから、原因がわからなくてすごく悩んだんです」
 結果、その痛みは座骨神経痛だとわかったそうだが、「歳を取るのが初めてだった」というその台詞に私は胸を打たれた。
 誰でも歳を取るのは初めてだろう。でも、そう捉える瀬川さんの発想が素晴らしい。

似たような話。
高校・大学が同窓の、50年以上続く飲み会での昔の思い出話。
火葬場の近くにあった高校は、風向き次第で、例の臭いに悩まされ続けた。
特に昼食時だったりすると悲惨で、食欲減退に陥るほど。
そんな話しに及んだところでK亀先輩がこともなげに放ったひとこと。
「なんでもあそこ(火葬場)はエエところらしいで。行ったら最期、誰も帰ってきたものはおらん」
そんな亀さんが自ら実証すべく旅立ったまま5年が打ち過ぎた。
なるほど、確かに向こうはエエところらしい。

 

令和6年(2024年)4月24日付け山陽新聞くらし面より

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