
金子みすゞのよく知られている詩の一つに『わたしと小鳥とすずと』というのがあります。
花も、色や大きさ、咲き加減、みんなまちまちですが、それぞれいただいたいのちを全うしています。他人を妬んだり足を引っ張ったりしていません。すべての花がそれぞれ満開になった時、世界はよい方向を見出せるのでしょうね。

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんのうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。