10号機を構成する新たなユニット(Top写真)「背面照射光源の光量を制御するユニット」では金メッキを施されているかに見えるRCAタイプのコネクタを組み込んだ。 それはコネクタの接触部電極の接触抵抗が極小になって呉れるであろうと期待しての事だった。 ユニットの仮の名前は光量制御ユニットと書いたが、 その他に重要な機能も組み込んであります。 それは大容量モバイルバッテリーの電力をデジタルカメラ駆動用外部電源と使用する際のPowerラインの中継接続で、 そこに金メッキされたRCAタイプのコネクタを用いたのです。
そのユニットの組み立てが完成し、動作チェックも済ませましたが、 その過程で少し氣になる事が有りました。 手持ちしている外部バッテリーとしてのモバイルバッテリーは2個有るので、それぞれが問題なく使えるか確認した時の事、 両方ともデジカメ・OM-D EM-5の駆動の際に被写体のフォーカス合わせ動作は問題なく行えたのに、 シャッターボタンを押した際、 一方の電池(開放電圧:8.2V)では正常に撮影が行えるのですが、 もう一つのバッテリー(開放電圧:8.02V)の物ではシャッターボタンを押した際にシャッターが正常に切れず、合焦点にセットしてあったカメラのフォーカスが大きく変わってしまう現象に出会っていたのです。
その時は不具合の原因を深く考えず、 良好動作したバッテリーを持参して寒さの中での撮影機材の動作チェックを目的にした雪の撮影に出かけました。
そして今日、 改めて、 正常な動作が出来なかったバッテリーが何故そうなったのか? 原因を調べて見ました。 従前の9号機では電池の開放電圧が8.2Vから7.7V程度まで変化しても問題なく撮影出来ていた(シャッターが切れていた)のに、 10号機では駄目! 調査の結果、 次の様な事が判りました。
モバイルバッテリーからカメラに電力供給する回路に金メッキされているかに見えるCNが2個挿入されています。 その組み込んだRCAコネクタの接触抵抗を測定した所なんと0.2〜0.3Ω程度の接触抵抗値を示しました。 電流が流れる回路的には行きと帰りで2倍となりますから、 1Aの電流が流れたらコネクタ1箇所で電圧が0.4〜0.6Vの電圧ドロップを生じます。 過去にカメラに流れる電流を測定した事があり、 通常操作では0.6A程度の動作電流であるのに、シャッターを切る操作の際に瞬間的に1.5A程度のピーク電流が流れる事を確認しています。 だから、 今回のシャッターが正常に切れなかった原因はカメラに電源供給するラインの途中に加わった大きな(CNの接触)抵抗値が原因とみる事が出来そうです。
とりあえず今日は電源ラインに入っているCNを取り除き、 ケーブルを直結する形に配線の変更を行いました。 心なしかシャッター音が小気味よい音に変化した様に感じます。 今後満充電してしまったモバイルバッテリーの開放電圧が8Vよりも低くなった時点で、カメラの動作がどうなるか? 最終確認します。
なお、 僕の今迄の経験ではコネクタの電極が金メッキされている場合、その接触抵抗は限りなくゼロに近く、 数値がふらつく事は無いのが普通です。
今月中旬、Amazonで購入した中華製のCNは金メッキをうたっていますが、 今日調べた結果では、電極の素材は磁石に吸引されず、 金色の表面をヤスリで削ったところ、 アルミ材を思わせる白っぽい色を呈した事から・・・ 金色の表面は金メッキによる物では無く、 アルミ表面への金色着色処理ではないか? と疑いが生じています。
20個で千円を切る価格のCNが金メッキ、 その事からも金メッキは嘘っぽく感じるべきかも知れません。
もっとも、 音響機器の信号を扱う場合、 1Ω 以下の接触抵抗なんて通常無視しても問題にならないでしょうが、 瞬間的とは言え1.5A以上もの電流を流す回路で電圧の変動があっては困る場所に安易にこの様なRCAコネクタの使用は控えるべきなのでしょうね。 ご参考まで。