何も無ければ2~3百年以上も生き続ける樹、 そんな彼らの生存のための戦略の一つが、 傷んだ部位の切り離し。 若葉を茂らせて光合成を行うことが出来なくなった枝なんか無用の長物だから地面に落下させる、 彼らにとって至極当然のことなのだ。 ただ、たまたまその下に居た小さな子どもが頭に直撃を受けて重症を負う事故が最近起きて、ニュースとして報じられた。
その中では個人の所有地の樹木の管理責任だとか、道路沿いに植えられた並木の枯れた枝の撤去だとかを話題にしていたのだが・・・ 樹に腐りが生じる原因の多くが無用に樹木の枝を伐ることや、その切断部位の後処理が不適切な事で生じてしまうのじゃ無いか? と僕は思っている。
Top写真は近所の公園にある桜の樹の根元から伸びる1つの幹に腐りが入って樹皮がボロボロに剥がれてしまっている様子だが、 普通なら子供達が幹を蹴ろうが叩こうが、こんな風に樹皮が剥がれ落ちることはまず無いでしょうよ。 その幹の上部を目で追っていくと、太さ15cmほどの部分から先が切りおとされています。 多分そこから腐りが入り、根元近くまで腐りが達してしまったのでしょう。
団地の公園では植えられたケヤキの樹の枝に枯れていると思われる部位が散見されます。 そして同様にその先端は切り落とされているのです。
中の一本の樹の幹には[保存樹木 ケヤキ]の表示板が取り付けられています。 ちなみにそんな表示を付けた大木は五日市街道沿いの農家の敷地の中で生育しているケヤキにも見受けられます。
[保存樹木]として指定を受けた場合、その管理のために枝の剪定等を行うと、支払った費用の一部が市から補助金を貰えるのです。 なんの事は無い、 金を貰えるから枝を伐ってもらう、 それが新たな枯れ枝発生の原因になったりしているのですから馬鹿みたいな話ですね。 市内の造園業者にたいする一種の公共事業補助金みないな感じの金の使い方に見えてしまいます。
一方このみっともない姿のケヤキ並木。
「カラスが巣を作って迷惑」、「強風の時に電線をショートさせて停電の原因になる」そんなクレームや今回の様なニュースなどの対応するために行政が取る行動がこんな並木を作り出してしまうのです。 美しさの欠片もありゃしない。