アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

サバがマグロだったという話

2009年08月20日 | Weblog
 終戦後の物がない時代に生まれ育ったので、「たべものの好き嫌いがない」またその貧乏たらしい話かって?まあ、そうなんですが。「アレが嫌いだ」「これは、食えねえ」という人に遭遇すると、非常ーに暗い気分になる。「いいふりこきやがって!ろくな物食ってないくせに」と、思うが大人なのでニコニコしている。

 今住んでいる町は、内陸なのになぜか「マグロが安い」。わずかな蓄えを切り崩して暮らしている者にとっては、ありがたい。
 当然お盆の食卓は…「マグロ!」お正月も、「マグロ!」なにかめでたいことがあると、「マグロ」。何もなくても、「マグロ」。マグロが庶民の口に簡単に入る状況です。但し、「生の本マグロを除く」。これは、さすがのマグロが安い地方自治体でも手が出ません。マグロについても詳しいですよ。語らせると「シビ」まで行きます。

 日本人とマグロの関係は深い。では、外国人とマグロの関係はどうなんだ?どうしてそこへ結びつくかって?いまや、マグロは日本人だけの食べ物ではなくなっているからです。エクスペディアのHPで、興味深いランキングをみつけました。外国人観光客の「注目度が高い観光名所」。見てびっくりしましたぁ!

 総合ランキングは…
第1位 築地市場
第2位 東京ディズニーランド
第3位 ポケモンセンター東京
第4位 六本木ヒルズ
第5位 東京ディズニーシー
 以下、浅草寺 浅草観音堂、金閣寺、伏見稲荷大社、スパワールド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンと続く。

 やりました!マグロです。マグロが、ディズニーもポケモンもお寺も稲荷寿司をも抑えて第1位。
 これって、どういうこと?築地市場人気の秘密を考察すると…
1 日本=寿司=マグロという等式ができあがっている。マグロを食べるようになった外国人には、日本人とマグロの関係にクサビを打ち込みたい。そのためには、築地の様子を視察しなければならないわけです。敵を知り己を知れば百戦危うからず。
2 築地に限ったわけではないが、市場は魅力的な場所です。私は、外国の都市へ行くと、「マーケット」を見に行きます。それと同じです。
3 欧米にはオークションはあるが、ゴム長を履いたオークション(セリ)は珍しい。わけが分からないうちに商談が成立していく様を、目を丸くして見ている。セリは、かって自国では体験したことがない。だからおもしろい。

 欧米諸国人の注目の観光名所ランキングは、ほぼ総合ランキングに同じ。欧米人とは一緒にしないでよと、主張しているのはインド人です。インド人ったら、マグロを第5位にしている。インダスでもガンジスでもマグロはあまり獲れないからしょうがないですね(1尾も獲れないってか!)。カレーの材料にもならないし。「野沢温泉」が、インド人的には第2位。野沢菜って、カレーの材料になるんだっけ?

 ケープコッドで釣りをしていたとき、サバを大漁したことがあった。周囲の舟の釣り人が、「マグロ!マグロ!」と褒めてくれた。アメリカンは、マグロとサバの区別がつかないんだから困ったもの。「サバ!サバ!サバだって!」と言い返した。オヤジたちは、ひるむことなく、「マグロ!マグロ!この貧相な東洋人がたくさん釣った!」と…。帰宅して辞書を引いたら、サバは、「マグロ(mackerel)」であった。