アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

逸材が野球に流れてメダルが遠い

2009年08月26日 | Weblog
 甲子園が終わりました。途端に、秋立つという風情です。
 この夏の甲子園は、花巻東の菊池雄星投手の「劇場」でした。11球団が、菊池獲りに名乗りを上げているようですが当然でしょう。なにしろ155kmですから(甲子園では154kmが最速)。
 それで…私が、菊池雄星の何に注目していたか?球速でも、コントロールでもありません。「頭より上に拳を突き上げる、ガッツポーズ」です。

 私は、「ガッツポーズ嫌い」です。但し、個人種目のガッツボーズは良いと思っています。例えば、重量挙げで成功した時など。自分の努力、自分との戦い…そして、自分へのガッツポーズ。いいと思います。悪いのはその他で、特に横綱が土俵上でガッツポーズするのは「恥」ですよ。

 菊池投手、センバツの時は三振を取る度に、高々と拳を突き上げていました。指導者は、この様子をどう見ていたんでしょうか?「良いことだ、ファイトが前面に出ている」等と考えていたとしたら、バカ指導者です。「敗者の心情を慮りみる」のが、スポーツマンシップであり、武士道です。派手なガッツポーズをやられたら、泣きながら全力疾走で家に帰りたくなり、再起不能ですよ。

 そして、この夏の甲子園。
 ありゃ?・・・?菊池投手のガッツポーズが控えめになっている。私の思いが通じたのか?それとも、調子が悪く三振があまりとれないので(それでも27個とっているが)ガッツポーズの余裕がないのか。
 こうなると、判官贔屓の私としては、花巻東を密かに応援…。結局、背筋痛ということで準決勝で敗退でした。
 スポーツ新聞によると、痛み止めの注射について、医師からは「後遺症が残るかもしれないよ」と“通告”を受けたが、菊池は「もう一生、野球ができなくなってもいい」…そして毎日書き続けている日誌には「神様、明日は投げさせてください」とつづり…寝る際にはボールを握りしめながら布団に入り、同じ言葉をつぶやいた。
 しかし、スポーツ新聞の記者ともなると、菊池投手の布団にまで行って取材するんですねえ。感心しました。感心している場合じゃないですね、この明らかに誇張された記事が本当だとすると、菊池くん(急に、親しくなってくんづけ)は、「一生野球が出来なくてもいい」とまで思い詰めた。これ、分かるなあ!若者は、こうありたいモノです。
 花巻東は、「ピンチで笑う」という姿勢が徹底されていました。これは、賛否あると思いますが、私は支持します。ピンチで情けない顔をするのは、誰でも出来る。笑うのには、努力が必要ですから。

 ・・・世界陸上の男子やり投げで、村上幸史選手(スズキ)が82m97で銅メダルを獲得。この種目で史上初のメダリストに!村上水軍の末裔だそうで、礼儀、態度、性格も申し分ない人です。メダルが確定したときもガッツポーズは、なし。しかも、「オレ、何番?」と周囲に尋ねた。それはそうと…菊池雄星やら、伊藤直輝(日本文理)、岡田俊哉(智弁和歌山)、今宮健太(明豊)、秋山拓巳(西条)、堂林翔太(中京大中京)らに、やり投げをさせたらどうなりますか?1年ほど練習すれば、間違いなくメダル独占でしょう。やり投げでは年収数億円は無理でしょうから、逸材の皆様は、「野球で行く」…。やり投げに限らず、どんな競技をやらせても世界と競えるであろう逸材ばかりです。逸材が野球に偏らない制度…ありえないですね。やり投げの場合は、ガッツポーズしてもいいんですけどいねえ。