アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

丹頂鶴、狐、鹿、オヤジを追い越して日本の最東端へ 

2009年08月24日 | Weblog
  秋の風が吹き始めると、「鮭釣りに行かなければ…」と、気がせきます。鮭は、母なる川へ帰ってきます。帰ってきそうもないもの…拉致被害者と北方領土…。帰(還)ってこないとは断言しておりません。断言して問題にされた人が、少なくても2人(田原と石原)おりますから。「帰(還)ってきそうもないもの」ですから。念のため。

 なんでも自慢のタネにする…「離島を含まない日本の本土、すなわち北海道、本州、四国、九州の東西南北端完全制覇」…しています。あまり羨ましがられる自慢ではないですね。

 まず、東西南北端はどこか?ですが…
最東端・・・納沙布岬(北海道根室市)
最西端・・・神崎鼻(長崎県佐世保市)
最南端・・・佐多岬(鹿児島県肝属郡南大隅町)
最北端・・・宗谷岬(北海道稚内市)

 先日、物好きにも3度目の最東端への旅に行ってきました。
 真夏なのに、「寒い!」。最高気温は、17度前後。30度を超えるところで働いておられる方には、ホント申し訳なかったです。
 前回は、7年前に行きました。根室のホテルに泊まったのですが、クーラーもなければ、窓に網戸もない。フロントへ行ってクレームをつけたら、「クーラー?」と不思議がられた。「網戸」も、不思議がられた。根室の人は網戸を知らないのか?そこで、「(クーラーがないので)窓を開けたら虫が入ってくるでしょう!」と、言ったら、「虫のことは、わがんねー(わからない)」と、言われた。ロビーでこの会話を聞いていた別の客が、思い切り噴き出した。フロントの女性(70歳前後)も、つられて笑っていた…。最高気温17度なら、クーラーは不要。窓など開けたら、寒くて寝られないというわけ。

 釧路から根室へ向かう国道44号線は、寂しいです。湿原をひたすら走る。7年前は、コンビニなど一軒もなかったのですが、今は少し出来ていた。しかし、集落から集落までの間は、なーんもない。ひたすら走らなければならない。「最果ての地へ行く」という心構えが出来る道です。

 野生の丹頂鶴が見られるのは、「得をした」という気持ちになります。キタキツネは、道路脇を歩いています。車に驚くなんてことはありません。真っ昼間にも係わらず、エゾシカが出てきました。見事な角でした。一瞬、道路中央で私と目が合い、「なんなんだ!」という表情で林へ入っていきました。もちろん私は最徐行しました。鹿見物の野次馬だからではありません。鹿は群れで行動しますから、一頭出てくるということは、つづけて数十頭出てくるということ。突っ走って、400kgもあるエゾシカにぶつかっては、こちらがタダでは済まないからです。
 自転車旅行の人を追い越し…自転車旅行者は、若い人の専売特許だったのですが、高齢化の波はこのようなことにまで押し寄せております。…結構な年齢の方々が多です。若い人は自転車で最東端などめざしませんね。疲れるし、尻が割れるし…。徒歩で、最東端を目指している人も抜き去りました。どう見ても還暦を過ぎている。徒歩ですよ!歩調から判断するに、「来なきゃ良かった」と後悔しながら歩いていると見ましたが。釧路空港から歩き出したとしても、根室までの徒歩往復は2週間はかかりますから。

 根室に入ると、「呼び戻そう北方領土」「取り返せ北方領土」などなど、北方領土関係の看板がやたら目につく。7年前より増えました。
 北方四島の元住民の皆様には申し訳ないが、相手は、ロシア殺し屋恐ロシアですから。看板を根室に増やしたところで、還って来ない…。

 日本がポツダム宣言を受諾し、降伏の意図を明確に表明したあとに(旧)ソ連軍が北方四島に侵攻した。この段階でもう…言ってもしょうがないですが。そして、日本人島民を強制的に追い出した。その後、不法占拠を続けている。日本の領土返還交渉?「やっているうちに入らないだろう」とは言いません。あ!もう言ってしまいました。

 1月に、日本からの人道支援船が、国後島へ上陸しようとしたところ、ロシア側は、外国人登録法改正に基づき、出入国カードの提出を迫りました。盗っ人猛々しい。北朝鮮と同じです。出入国カードを提出するということは、ロシアの北方四島の主権を認める事になる。日本側は拒否して、医療物資を載せたまま根室港に帰航しました。私は、日本よくやったと思いましたね。占領しておいて、さんざん支援物資をもらっておきながら、今度は、「出入国カード」を提出しろだと!ケツをまくって帰ってきた日本の人道支援船、偉い!しかしですねえ…このままでは解決への道が閉ざされるわけで…。つらいところです。

 7月に「改正北方領土問題解決促進特別措置法」が可決されました(「わが国固有の領土である北方領土の早期返還を実現するため最大限の努力をする」と明記)。ロシア側は当然態度を硬化させています。墓参団等の受け入れは継続して行われているので、返還への遠い道が切れてしまっているわけではありませんが。

 そんなことを考えながら、ノサップ岬に佇んだ私でありました。北方領土は見えたかって?天候によっては、家の窓ガラスの反射まで見えますよ。
 秋の風が吹いていました。また、冬が来ます…。