そろそろ昼飯の時間だ
外川にも旨そうな食堂があったが列車時間の都合上諦め銚子駅へ戻る
駅から右手に少し歩いたところに暖簾が出ていた吉原食堂
こういった昭和の大衆食堂には惹かれるので迷うことなく入店
カワハギの煮魚定食とシラスおろしとビールを注文
地元にあったら絶対にリピーターになるような店だった
食後に銚子の街を少し散策
ちょうど「黒潮よさこい祭り」というのをやっていて
揃いの衣装をまとった若者のグループがそれぞれダンスのパフォーマンスを披露し競い合っていた
結構大々的なイベントのようだが見物客はそれほど多くはなくちょいと寂しいのは
加速度的に人口減少しているという銚子の現状を表しているのだろうか
そんなことを思いながら駅に戻る途中「日本初の修学旅行到達の地」なんて碑があった
明治19年に東京師範学校の生徒がここまで来たそうだ
電車の時間にせかされ干物の店でキンメダイ他の干物やを自宅に送ってもらい帰路につく
銚子電鉄のぬれせんべいも土産に約7時間の旅だ
完
銚子電鉄終点の旅情あふれる外川駅の待合室には大きな大漁旗が掲げられていてまさに漁業の町の玄関口だ
ブラタモリでも取り上げていたが外川駅から海に向かっての斜面に道路が碁盤の目のように敷かれていて
かつては水揚げした鰯を海から何本もの直線道路で斜面上の砂地へ運びそこで乾燥して農業肥料用の干鰯を作り大いに儲けたということだ
その坂道を下って漁港の方へぶらり散策
ひと気の希薄な通りを下っていくと猫が空き家の前の日向で毛づくろいをしている
とにかくあちこちに空き家が目立つ
民宿の看板を掲げた建物も窓が閉鎖されて営業している様子はない
ここでも空き家問題は深刻のようだ
帰り際駅近くの外川ミニ郷土資料館に寄ってみた
多くの展示資料を前にブラタモリにも出演したという元気な90歳近いおばあさん館長さんがかつての栄華を熱く説明してくれた
もう少しゆっくり見たいところだったが時間的制約があったのは残念だった
続く
銚子電鉄は銚子から外川まで6.4キロ10駅所要時間22分で片道運賃350円一日フリー切符は700円
ぬれ煎餅などで黒字になったとはいえ鉄道単独事業では赤字ということだ
運賃もう少し高くても良いのではと思ってしまう
10時発のレトロな二両編成は元京王電鉄カラーということで他にも元南海電鉄や伊予鉄道から譲渡された車両も運用されている
乗車券は車内で買うのだが結構混んでいて二人の車掌が忙しく動き回る
沿線にはヤマサの大きな醬油工場や犬吠埼灯台などの見どころがあり
24時間テレビでヒロミがリフォームして有名になった本銚子駅や髪毛黒生という愛称になっている笠上黒生駅などユニークな駅もある
名物の大きな木の茂った緑のトンネルをくぐれば間もなく終点外川だ
えっ!
昨日(11月27日)久留里~上総亀山までの廃線が正式に決まったということです
まぁ残念ですが廃線は時間の問題だったので仕方ないでしょう
さて上総亀山駅を出てそのままま木更津へ戻るのももったいないので
駅舎がレトロということで途中の馬来田駅で下車
ホームと駅舎の間には結構な段差があり年寄り泣かせの駅だが歴史が刻まれた年代物の木造駅舎はとても味がある
しばらく駅周辺を散策した後待合室で列車待ちをしていると地元の60代と思われる男性数人が三々五々集まってきた
どうやら木更津で同級会があるらしく楽しそうに話を弾ませていた
宿泊地の五井駅に着くと小湊鉄道の車両達が黄昏の中に留置されていた
続く
久留里駅から先は一日上り9本下り8本と少なくなる
しかし以前備後落合駅から乗った木次線の一日上下とも3本に比べればまだマシなほうだ
終点上総亀山までは2駅18分
次第に辺境感が増してきて時々線路脇の茂った草木が車体を叩く音がする
もし廃線になればあっという間に自然に飲み込まれてしまうことだろう
到着16分後の同車両の折り返しに乗らないと3時間待つことになる
慌ただしく駅舎や終端部や駅周辺の風景をを写真に収めて列車に戻る
はて?ここで降りた以上の乗客が乗っている
この前に上総亀山駅に来た列車は約5時間半ほど前でここでそんなに待っていたとは思えない
で、帰ってからふと思ったのがバス移動だ
調べてみるとやはり小湊鉄道の上総中野駅~上総亀山駅間には路線バスがあり12時20分に中野駅を出ると亀山駅には13時26分に着く
そうすれば約Ⅰ時間後にこの列車に乗れるということだ
五井駅10時10分→小湊鉄道上総中野駅11時30分→バス12時20分→上総亀山駅13時26分→久留里線14時27分→木更津駅15時36分
なるほどこういう手もあったか
また近くには高速バス停もあるようなのでこちらの利用もありうるが鉄ヲタなら先のパターンだろう
ダイヤの薄い路線はバスをチェックすると意外に良いのは経験済み
津軽鉄道の時は弘前~五所川原間の列車本数が少なく新青森から五所川原までバス移動した
境線で乗り遅れた時には米子から境港までバスで行き帰りは鬼太郎列車に乗ることができた
上り列車は結構混んでいてとても赤字路線とは思えないほどだった
続く
久留里駅を出て少し歩くと右手に赤色のラーメン文字の桃太郎旗がはためくのが見える
テレビ番組やネットで有名になった「喜楽飯店」
2本の道路間を貫く路地にはかつてはいろんな店があっただろうが今はほとんどシャッターが下りている
その中で唯一営業しているこの店はまるで昭和40年代から時間が止まっているようだ
店の前に座って順番待ちしている常連らしい2人のご老人がそこに名前を書いて待っていろと教えてくれた
変色して全然旨そうに見えない食品サンプルや壁に張られたテレビ取材の写真を眺めながら待っていると10分くらいで入ることができた
壁一面に貼られたメニューには孤独のグルメの井之頭五郎さんもさぞかし悩むことだろう
自分は木更津駅で肉まんを食べたこともありそれほど空腹感も無かったのでラーメン600円を注文
味はといえば普通に旨いが店の雰囲気が味をワンランク持ち上げてくれる感じだ
斜向かいのテーブルに座った常連ご老人が食べていたチャーハンも旨そうだった
食後は駅周辺をブラリ
駅横の酒ミュージアムには上総八蔵の地酒があり試飲もできるが時間的に余裕もなく残念ながら試飲はパス
13時53分の列車に乗り込み上総亀山に向かう
続く
久留里線の久留里~上総亀山間はJR東日本の赤字路線ナンバーワン
年間100万円の運賃収入に対して経費が2億3500万円ということで廃線論議の俎上に挙げられるのは当然だ
多分、いや確実にこの区間は近いうちに廃線となるだろう
という訳で乗り鉄に出かけた
始発の特急あずさは東京駅まで行くので千葉方面へ移動するにはありがたい
京葉線、内房線と乗り継いで木更津駅から12時6分の久留里線に乗車
連休ということもあり2両編成のロングシートは結構埋まっていた
木更津を出て程なく田畑が広がり沿線に群生したススキの白穂が気動車の巻き起こす風に大きく揺れる
逆光にきらめく枯れ尾花の原は耕作放棄地だろうか
とにかくやけにススキが目に付く路線だ
季節にもよるだろうがあまり面白くもない平凡な景色が車窓を流れ約45分でこの列車の終点久留里駅に到着
途中駅での乗降客はほんの僅かだった
ここから先は本数がぐっと少なくなる超赤字路線
上総亀山行への乗り換えまで1時間あるのでここで昼飯を食べる予定にしてある
続く
久留里駅
中井精也さんのてつたびは六角さんの呑み鉄とともに録画しての必見番組
その中井さんが木曽福島町のギャラリーで写真展&即売会をやっているということでドライブがてら訪問
ちょうど在廊していたので写真集を買ったら自らスマホの連写でツーショットを撮ってくれました
TVで見るそのまんまのキャラで温かでユーモラスな方でした
糸魚川で大糸線に乗り換え
大糸線の糸魚川~南小谷間はJR西日本が管轄で南小谷からはJR東日本になる
JR西日本区間は非電化で架線が無くとてもスッキリした風景が楽しめる
しかしこの区間はまた中国地方のローカル線とともにJR西日本の赤字お荷物路線でもあり廃線か存続かの議論が行われている
もし自然災害で線路や橋梁が崩壊したらこれ幸いにと廃線に追い込まれることは明らかだ
そんな危惧もあり今のうちに記録を残したくてひたすらビデオを回し以前の動画や写真を合わせて編集してみた