長野→松本→南小谷を走る観光列車「リゾートビューふるさと」に一度は乗ってみようと思いえきねっとで予約
結構予約が入っていてアルプスの見える左側は満席だ
松本発は昼飯時の11時46分なので駅弁を買って乗り込む
車内は座席が一段高くなっていて足元も(一度しか乗ったことのない)グリーン車並みに広く快適だ
車両の後ろには窓側に向けて2人掛けのベンチシートを設置した展望スペースがあるのがうれしい
穂高駅では停車時間30分ほどありその間に穂高神社参拝できるようにしている
また予め弁当を予約した人は駅前のお店で受け取れるようになっておりあまり旨くない駅弁よりはこっちの方が良いかもしれない
この辺り雪はまったく無くアルプスの山々は雪雲に霞んでいる
仁科三湖を過ぎて白馬に入るとさすがに雪は多くなり路肩に積み上げられた雪は1メートル以上ありそうだ
白馬駅で半分くらいの乗客は下車
この先の信濃森上辺りは天気がよければ近くに迫る唐松岳や白馬岳の絶景ポイントだが残念ながら霞んでいる
車内販売のコーヒーを飲みながらまったりと流れゆく雪景色を眺めるはプチ贅沢
2時ちょっと過ぎに南小谷駅着
ホームには15時発のあずさ46号9両編成が待機していて狭い駅舎内には外国語が飛び交う
1時間ほど時間を潰して帰りは折り返しのふるさとより一足先に出発するあずさに乗車
あずさ46号は3月から白馬止まりになるので南小谷駅から乗るのはこれが最後だろう
南小谷駅遠望
通常料金710円のところを100円で行ける!
往復しても200円で1220円もお得なのは市の福祉100円パス券のおかげだ
歳をとるのも悪くはない
そんな訳で乗り込んだのはアルピコ交通上高地線
終点新島々駅で降りて目指すはドライブイン赤松
ここで昼飯を食べようという算段だ
店内に入ると思いのほか空いていて作業員の5人グループが一組のみ
隅のテーブルに陣取ってとりあえずビール中瓶と半もつ皿と自家製キムチを注文
もつ煮が旨いと聞いていたがしっかりした歯触りと醤油味噌の味付けが良くその通りだった
冬季限定自家製キムチは昔母親が作っていたキムチ風という感じの味でこれはこれで旨かった
そんな訳でついつい地酒の小を追加してしまった
ほろ酔いになったところで〆の食事を何にするか悩みどころだ
ここは蕎麦が有名だけれどそんなに好きではないので駅そば以外はあまり積極的に食べることはない
玉子丼、カレーライスと悩んだが結局中華そばを注文
昔食べた時は旨かったように思ったが今日のはちょっとしょっぱかったなぁ
あの時は自転車で汗をかいた後だったからかな?
上高地線の終端マークがあるのはちょうどこの店の裏辺りだった
真岡駅からはディーゼル車約40分で終点茂木駅
先に到着したSLが転車台で方向転換して上りに向けスタンバっている
ここは終端駅だけれどその先には長倉線という未成線の遺構が残ってる
日立の方まで繋げる計画だったらしいが太平洋戦争で中止となったという未成線あるあるだ
終端マークの先には線路が敷かれていた跡が緑地帯として整備されているので少し探索してみた
200メートルほど行くと川にぶつかり鉄橋も架けられていたらしいがそれはすでになく対岸にも線路跡が認められる
その先にはトンネルなどの遺構もありそれらを巡るツアーのパンフレットが駅に置いてあった
時間の都合上川の先は割愛して駅方面に戻り昭和グッズを展示してある私設資料館に寄ってみた
たくさんの懐かしい昭和の品々は見応え十分だった
先頭客車のデッキの小窓から機関士の姿が見え
その窓を開けると冷風とともに煙の匂いがデッキに流れ込む
蒸気機関車特有の走行音が心地よい
約30分で真岡駅
この駅はSLを模した駅舎でとてもユニークだ
SLキューロク館という資料館には蒲原鉄道や一畑電鉄で使われていた古い貨車なども展示されていてとても興味深い
見学後餃子屋で昼飯を食べようとしたがあまりにも混んでいたので近くにあったたこ焼き屋で済ませ茂木行きの単行ディーゼルに乗り込む
長野駅でいつものようにかき揚げ蕎麦を食べて金沢発の「かがやき」に乗り込むと
日本海側の大雪のせいだろうか連休というのにガラガラだ
大宮で「なすの」自由席に乗り換えて小山まで15分さらに水戸線に乗り換え下館着10時30分
ちょうどSLもおか号が35分に出発するところだ
結構乗り換える客が多くて乗車券を売る駅員たちは大忙し
もう少し出発時間に余裕を持たせればよいのにと思いながらあたふたと乗り込む
けん引する客車は50系と言われる50年ほど前の国鉄時代に製造されたセミクロスシートが3両
車内は子供も多く席は8割くらい埋まっていたが先頭車両のロングシートに席を確保
懐かしい汽笛を鳴らし出発進行
そろそろ昼飯の時間だ
外川にも旨そうな食堂があったが列車時間の都合上諦め銚子駅へ戻る
駅から右手に少し歩いたところに暖簾が出ていた吉原食堂
こういった昭和の大衆食堂には惹かれるので迷うことなく入店
カワハギの煮魚定食とシラスおろしとビールを注文
地元にあったら絶対にリピーターになるような店だった
食後に銚子の街を少し散策
ちょうど「黒潮よさこい祭り」というのをやっていて
揃いの衣装をまとった若者のグループがそれぞれダンスのパフォーマンスを披露し競い合っていた
結構大々的なイベントのようだが見物客はそれほど多くはなくちょいと寂しいのは
加速度的に人口減少しているという銚子の現状を表しているのだろうか
そんなことを思いながら駅に戻る途中「日本初の修学旅行到達の地」なんて碑があった
明治19年に東京師範学校の生徒がここまで来たそうだ
電車の時間にせかされ干物の店でキンメダイ他の干物やを自宅に送ってもらい帰路につく
銚子電鉄のぬれせんべいも土産に約7時間の旅だ
完
銚子電鉄終点の旅情あふれる外川駅の待合室には大きな大漁旗が掲げられていてまさに漁業の町の玄関口だ
ブラタモリでも取り上げていたが外川駅から海に向かっての斜面に道路が碁盤の目のように敷かれていて
かつては水揚げした鰯を海から何本もの直線道路で斜面上の砂地へ運びそこで乾燥して農業肥料用の干鰯を作り大いに儲けたということだ
その坂道を下って漁港の方へぶらり散策
ひと気の希薄な通りを下っていくと猫が空き家の前の日向で毛づくろいをしている
とにかくあちこちに空き家が目立つ
民宿の看板を掲げた建物も窓が閉鎖されて営業している様子はない
ここでも空き家問題は深刻のようだ
帰り際駅近くの外川ミニ郷土資料館に寄ってみた
多くの展示資料を前にブラタモリにも出演したという元気な90歳近いおばあさん館長さんがかつての栄華を熱く説明してくれた
もう少しゆっくり見たいところだったが時間的制約があったのは残念だった
続く
銚子電鉄は銚子から外川まで6.4キロ10駅所要時間22分で片道運賃350円一日フリー切符は700円
ぬれ煎餅などで黒字になったとはいえ鉄道単独事業では赤字ということだ
運賃もう少し高くても良いのではと思ってしまう
10時発のレトロな二両編成は元京王電鉄カラーということで他にも元南海電鉄や伊予鉄道から譲渡された車両も運用されている
乗車券は車内で買うのだが結構混んでいて二人の車掌が忙しく動き回る
沿線にはヤマサの大きな醬油工場や犬吠埼灯台などの見どころがあり
24時間テレビでヒロミがリフォームして有名になった本銚子駅や髪毛黒生という愛称になっている笠上黒生駅などユニークな駅もある
名物の大きな木の茂った緑のトンネルをくぐれば間もなく終点外川だ