ホームで入線を待っていると
冬用の大きなシュラフをリュックに括りつけたおじさんが親しげに話しかけてきた
やはりこれから稚内行くということで夕べは公園で寝たが寒くてよく寝れなかったとか
新潟からGWなのに予約なしでもフェリーに乗れたとか面白そうなオッサンだった
列車の中でも利尻島で仕事していて屋根から落ちて死にそうになり稚内の病院に入院していたとか
札幌で代行やっていて冬は怖かったとか
そんな自由に生きているような人の話を聞くのは面白い
そのオッサン含めて10人ほどの客を乗せた2両編成の気動車は6時3分に旭川駅を出発した
数年前に途中の12駅が廃駅になって所要時間が短縮されたと言っても稚内までは6時間だ
距離は約300キロ
名寄で一両が切り離されそこからは単行となる
名寄以北は趣ある木造駅舎や秘境駅と言われる駅もあり乗降客はほぼゼロで宗谷本線の存続が危ぶまれる
その秘境駅として有名になった糠南駅は今回見たいと思っていた駅のひとつだ
しかし思っていたほど秘境感はないが周囲に人家は見当たらなく乗降客は鉄道マニアしかいないだろう
そしてここが廃駅にならないのはそんなマニアのおかげなのだ
抜海駅を過ぎると日本海が現れ彼方に利尻富士が海上にうっすらと浮かんでいるのが見えた
この路線イチオシの景色ということでで徐行運転のサービスをしてくれる
終点稚内駅はもうすぐだ