噛みつき評論 ブログ版

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役に立つ野党を

2017-05-29 10:20:44 | マスメディア
 米国ではワシントンポストやニューヨークタイムスなどの主要メディアや民主党がトランプ大統領の足を引っ張ろうと頑張っています。その結果、弾劾となりトランプが降ろされたり、次回に民主党が政権を取ったりする可能性があります。そうなればまともな大統領が選ばれて事態がよくなるという期待・希望があります。

 一方、我が国の野党と朝日などのメディアは森友学園や加計学園の問題などで安倍政権の足を引っ張ることに大変熱心です。しかしこれが成功して安倍政権が倒れた場合、どんなことになるのでしょうか。民進党(民主党)政権は過去の実績で無能が確認済みであります。多くの人は蓮舫政権や共産党政権を望みません。その先にあるのは希望ではなく絶望です。したがってたいていの人は野党を応援しようという気にはなれないでしょう。

 とすると左派メディアと野党の熱心な行動に果たしてどんな意味があるのか、考え込んでしまいます。まあ政府の監視という意味だけはありますが、国会の機能の多くを使うほどのものではないでしょう。

 調査によって若干の差がありますが、5月の民進党の支持率は概ね6~7%の水準です(テレ朝の報道ステーションの調査だけは11.9%となっていますが、統計誤差としては考えにくい数値なので無視することとします)。前回の政権党としてはまことに情けない支持率ですが、民進党の行状を見ているとこれはごく妥当な数値だと思われます。

 2009年「沖縄の基地を最低でも県外」あるいは「高速道路無料化」など、バラ色の公約を掲げて民主党は政権を取りましたが、3年余りの政権運用ですっかり信用を失いました。しかし現在の支持率低下はそれだけでは説明のつかないと考えられます。

 その理由のひとつとして彼らの言葉の信頼度が低いことが挙げられると思います。野党と左派メディアは安全保障関連法案を戦争法案と言いふらしました。また組織的犯罪処罰法改正案を共謀罪と呼びます。まあそういった要素が多少あったとしても呼び名を変えると誤解を招きます。一般の人は法案の内容を詳しく知りませんから、それを承知の上で誤解を意図しているように見えます。不誠実な手口です。

 また政権の閣僚が失言した時、大臣としての資質がないなどと針小棒大に騒ぎ立てるのが常です。この過激な対応は野党としての立場を目立たせる意味があるのでしょうが、あまりに過激な言葉は現実と乖離し、その信頼を失います。信頼の低下こそ支持率6%の大きな理由であるように感じます。

 先日、実に120年ぶりに明治時代に作られた民法の改正案が成立しましたが、この中にはもっと早く改正すべきであったと思われるものも含まれます。民法や税法のなかには時代の変化に合わせて変えるべきものが多くあり、それらを調査し、提案するのも野党の仕事として重要でありましょう。野党議員は野党議員である前に立法府である国会の議員です。時代に合わなくなった法を探し出し、改正案を作るのにはかなりの勉強が必要ですが、勉強の苦手な議員が多いのかと思ってしまいます。

 そしてどういう社会を目指すのか、具体的なイメージを示すことがさらに重要なことは言うまでもありません。人口、財政、格差などの問題に対して現実的な目標を示すことが必要ですが、あまり伝わってきません。支持率が低下していることに有効な手を打てず、一向に変わる気配が見えないのは首脳部の頭が硬くなっているためでしょうか。

 今の野党のやり方を見ていると昔の万年野党、社会党を見ているようです。先祖返りなのか、それとも一種の安定形なのでしょうか。まあどうであれ、国民に役立つ存在には見えません。野党がこんな状態では国民の選択肢も制限され、政治の世界に競争が働かなくなります。旧態依然の左派メディアとの関係も硬直化の理由であると思います。

メディアは国を規定する

2017-05-14 23:49:21 | マスメディア
 今回の韓国大統領選挙では有力立候補者3名がそろって慰安婦問題についての日韓合意の見直し・再交渉を公約に掲げました。それは15年末の「最終的かつ不可逆的」とされた日韓の合意で、この文言はそれまで韓国側が何度も約束を反故にしてきた経緯を反映したものです。「最終的かつ不可逆的」とは今度こそは約束を守るという意味があったわけですからそれさえも破ろうという神経には驚きます。今後、この国との約束は不可能になるのではないでしょうか。

 注意したいのはこのような公然と約束を重視しない姿勢は一部の政治家ではなく、国民の多数が支持するものであることです。ここに我々との文化の違いを感じずにはいられません。こちらは国民多数の意向とは断言できませんが、核開発の中止を条件とした援助を受けながら何度もそれを破った北朝鮮の国家としての姿勢とも似ています。これらの国は文化人類学や比較文化学の対象として興味深いものでありましょう。

 それはともかく、反日を掲げなければ大統領が当選しないという珍しいお国柄であることは確かなようです。それは国民の多くが反日であり、親日派は少数派であることの反映なのでしょう。日本にとってはなんとも困った隣国です。

 朴前大統領の「千年たっても恨みは消えない」という発言から想像できるように執拗な国民性があるのか、それとも政権が国内の安定や結束のため外部に日本という「敵」を作ってきた結果なのか、あるいはその政策の影響によって子供達に反日教育を受けさせて来た結果なのか、多数の国民が反日である理由はいろいろ考えられます。

 さらにメディアの存在も重要です。国民の考えに非常に大きな影響を与えるからです。メディアが反日でなければ国民の多くが反日という事態には恐らくなってないでしょう。歴史的な遺恨が政府の安定に利用され、それが教育を通じて国民に浸透し、メディアがそれに乗じる、そしてまた反日政権が生まれるといった一種の悪循環が起きているように思われます。

 このような状況、日韓が対立するような状況は少なくとも長期的には日韓両国の利益にならないと思うのですが、あろうことか朝日新聞は従軍慰安婦問題を歴史の中からわざわざ掘り起こすだけでなく虚偽報道までして、その韓国社会の悪循環をさらに「強化」しました。韓国の反日メディアと朝日は協調して両国の対立に油を注ぎ、結果として双方に不利益をもたらしたことは否めません。

 韓国メディアの継続的な反日報道によって、反日は韓国の国是になった感があり、メディアが同国の外交方針を規定してきました。ユネスコ憲章の前文には「戦争は人の心の中で生まれるものである…」という有名な言葉がありますが、韓国のメディアは戦争の下地を作っているとも言えるでしょう。つまり長期的な観点からは、韓国メディアは同国の利益に反するところがあったと思われます。

 こうして見るとメディアが国に与える影響、役割の重要性について改めて考えざるを得なくなります。日本の左翼メディアも似たようなものです。9条のおかけで日本の平和が守られてきたといった妄想を広めたために、安全保障に関する日本の選択可能範囲はずいぶん狭められました。メディアの見識が国の命運を決めると言ってもよいと思います。メディアがアホならば国もアホになるというわけです(民主主義国家ならば)。戦争の可能性が迫っているときに、森友学園事件をしつこく追及しているようなメディアもまた困りものですが。