オバマ大統領の広島訪問は大多数の人に歓迎され、両国の関係にとって喜ばしい結果となりました。もしこれがトランプ候補のような人物ならば、あるいは舛添都知事のような人物であったならば、このような成功はなかったことでしょう。つまりこの成功にはオバマ大統領の誠実な人柄が重要な役割を果たしていたと思われます。
オバマ大統領は実行力には批判があるものの、理想主義者の側面を持ち、その演説には定評があります。7年前の就任演説は高く評価されました。広島での17分間の演説も期待にたがわず格調高いものでした。心を動かされた人は少なくなかったことでしょう。スピーチライターも優れているのかもしれませんが。
演説によって人々の心を動かす、これは政治家にとって実に重要な資質です。もっとも心を動かすといっても、舛添都知事のように話せば話すほど、心が離れる方に動くという場合もありますが。この方の辞書には誠実という言葉がないのかもしれません。
大統領の広島訪問をパーフォーマンスだとして冷たく受け取る人も少々はいるようですが、たとえパーフォーマンスであったとしても両国がより友好的になれればよいわけです。国と国との関係は多岐にわたるものであり、過去の不幸な出来事にこだわりつづけ全体の関係を損なうよりはずっといいわけです。慰安婦問題などで何年も対立を続けるよりは。
多くのマスメディアの反応は大統領の広島訪問を歓迎するものでした。朝日も概ね好意的でしたが、28日のオピニオン欄に「米大統領の訪問 歓迎一色に違和感 怒り・恐怖どこへ」と題する山本昭宏氏の主張をほぼ1ページ使って載せています。山本氏は「反発や怒りが出てこなかったのが不思議でした。被爆者がアメリカに恨みを抱くのはごく自然のことで…」と述べています。怒りや反発のないことがご不満のようです。
山本氏は反発や怒りが出て当然と思っておられるようですが、山本氏の方が時代から取り残されたようです。山本氏はいろいろと理屈を捏ねられていますが、70年余という時間の経過、国民の寛容さ、過去を水に流すという日本人の特性というか知恵、原爆投下に関係した人達はもうこの世にいないという事実などが歓迎の基礎的な条件になったのだと思われます。
一方、韓国の朴槿恵大統領は日本に対して「加害者と被害者という立場は、千年過ぎても変わらない」と述べました。これは千年経っても日本を恨み続けると理解されています。山本氏のメンタリティーはこれに似ています。理由はどうあれ、世代を超えて対立を続けるより和解して友好的になる方が良いに決まっています。しつこく恨みつづけるのは勝手ですが、それにメディアが加担しては対立を助長することになります。
また、28日に放送されたTBSの報道特集で、大統領の広島訪問にかなり批判的な姿勢が目立ちました。暗い顔の金平キャスターは「原爆投下は誰が落としたんだという主語が消えしまって、死が空から降ってきたという表現に対して非常に怒りを露わにされていた」と平岡敬元広島市長の言葉を紹介した上、「1945年8月6日を知る人の心からの叫びのような気がしました」と締めくくりました。私には、もっと怒れ、怒れと煽っているように聞こえます。(平岡氏はマスコミ九条の会の呼びかけ人でもあり、平岡氏の「(大統領は)何をしに来たのか」という攻撃的な談話が28日の毎日新聞に載っています)
各国の声明を見ると、韓国と中国はオバマ大統領の広島訪問の成功を喜んでいないようです。日米関係がより親密になるのを望まないためでしょう。日米関係が親密化するのを妨害しようとする意図は一部の左派メディアの主張と重なります。中韓の意図は国益のためと思われますが、左派メディアの意図・目的は難解です。千年過ぎても恨み続けるといった執拗なメンタリティーによるものなのでしょうか。嘘までついて慰安婦問題を掘り返し、日韓関係に溝を作った意図と共に興味深い問題です。
オバマ大統領は実行力には批判があるものの、理想主義者の側面を持ち、その演説には定評があります。7年前の就任演説は高く評価されました。広島での17分間の演説も期待にたがわず格調高いものでした。心を動かされた人は少なくなかったことでしょう。スピーチライターも優れているのかもしれませんが。
演説によって人々の心を動かす、これは政治家にとって実に重要な資質です。もっとも心を動かすといっても、舛添都知事のように話せば話すほど、心が離れる方に動くという場合もありますが。この方の辞書には誠実という言葉がないのかもしれません。
大統領の広島訪問をパーフォーマンスだとして冷たく受け取る人も少々はいるようですが、たとえパーフォーマンスであったとしても両国がより友好的になれればよいわけです。国と国との関係は多岐にわたるものであり、過去の不幸な出来事にこだわりつづけ全体の関係を損なうよりはずっといいわけです。慰安婦問題などで何年も対立を続けるよりは。
多くのマスメディアの反応は大統領の広島訪問を歓迎するものでした。朝日も概ね好意的でしたが、28日のオピニオン欄に「米大統領の訪問 歓迎一色に違和感 怒り・恐怖どこへ」と題する山本昭宏氏の主張をほぼ1ページ使って載せています。山本氏は「反発や怒りが出てこなかったのが不思議でした。被爆者がアメリカに恨みを抱くのはごく自然のことで…」と述べています。怒りや反発のないことがご不満のようです。
山本氏は反発や怒りが出て当然と思っておられるようですが、山本氏の方が時代から取り残されたようです。山本氏はいろいろと理屈を捏ねられていますが、70年余という時間の経過、国民の寛容さ、過去を水に流すという日本人の特性というか知恵、原爆投下に関係した人達はもうこの世にいないという事実などが歓迎の基礎的な条件になったのだと思われます。
一方、韓国の朴槿恵大統領は日本に対して「加害者と被害者という立場は、千年過ぎても変わらない」と述べました。これは千年経っても日本を恨み続けると理解されています。山本氏のメンタリティーはこれに似ています。理由はどうあれ、世代を超えて対立を続けるより和解して友好的になる方が良いに決まっています。しつこく恨みつづけるのは勝手ですが、それにメディアが加担しては対立を助長することになります。
また、28日に放送されたTBSの報道特集で、大統領の広島訪問にかなり批判的な姿勢が目立ちました。暗い顔の金平キャスターは「原爆投下は誰が落としたんだという主語が消えしまって、死が空から降ってきたという表現に対して非常に怒りを露わにされていた」と平岡敬元広島市長の言葉を紹介した上、「1945年8月6日を知る人の心からの叫びのような気がしました」と締めくくりました。私には、もっと怒れ、怒れと煽っているように聞こえます。(平岡氏はマスコミ九条の会の呼びかけ人でもあり、平岡氏の「(大統領は)何をしに来たのか」という攻撃的な談話が28日の毎日新聞に載っています)
各国の声明を見ると、韓国と中国はオバマ大統領の広島訪問の成功を喜んでいないようです。日米関係がより親密になるのを望まないためでしょう。日米関係が親密化するのを妨害しようとする意図は一部の左派メディアの主張と重なります。中韓の意図は国益のためと思われますが、左派メディアの意図・目的は難解です。千年過ぎても恨み続けるといった執拗なメンタリティーによるものなのでしょうか。嘘までついて慰安婦問題を掘り返し、日韓関係に溝を作った意図と共に興味深い問題です。