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正義のウソ

2022-10-01 22:15:09 | マスメディア
 安倍元首相の国葬があった翌日のテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」で菅前首相の弔辞について、玉川徹氏は次のように述べたことが波紋を広げている。

「これこそが国葬の政治的意図」と指摘し
「それは胸に響く部分はあるんですよ。そういそういう形として国民の心に残るんですよね」
「演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたからね。それはそういう風に作りますよ」
「政治的意図がにおわないように。当然これ、電通が入ってますからね」

 菅前首相の胸に響く、感動的な弔辞を電通の仕事に過ぎない、しかもそれは政治的意図のもとで作られた、と玉川氏は述べたのである。菅前首相に対するひどい侮辱である。玉川氏はそれを演出側の人間として訳知り顔で話している。ところが恥ずかしいことに 翌日の同番組で電通は関係がなかったと謝罪している。すべて彼のつくり話であったというわけである。

 この話題はネットで大きく報じられたが、他の主な地上波テレビや新聞は報じていないようだ。これは仲間同士は批判しないという従来からの慣習があるように感じる。他の企業の不祥事には容赦ないバッシングをするが、同業者にそれをすると他の機会に反撃されるからだと思う。しかし今回は問題が深刻であり、事実を報道すらしないのはおかしい。

 玉川氏は、重要なことを裏も取らず数百万人の視聴者に話したわけであり、要するにウソつきであることを露呈した。ウソがどういう重みを持つか、職業柄、十分知っていたと想像できる。それにもかかわらず意図的と思われる重大なウソをついたことを理解するのは難しい。もしかしたら政治的な目的(今回の場合は菅氏や政権を貶める)のためにはウソはついてもいいという判断があったのではないか。

 その判断は朝日のサンゴ礁事件、慰安婦誤報と福島原発の事故処理の誤報とウソは何回も問題になっている。どれも社長の辞任まで至ったが、それでも彼らはなかなか懲りないようだ。これは推測だが、ウソをついてまで報道しても、それが政治的な目的のためであれば許されるという判断があるのではないだろうか。つまり正義のウソである。実に困った「正義」であるが。

 玉川氏やテレ朝を処分すべきという声が各方面が上がっている。報道機関は言葉が商品である。ウソは商品の価値を失わせるだけではない。有害である。その影響は長期に及ぶこともある。このまま不問にすればその悪影響が懸念される。

 世界にはウソをつく国が少なくない。中国、ロシア、北朝鮮、それに韓国らがメジャーであろう。このように国名を挙げると不思議なことに気が付く。これらの4か国、とくに中韓は朝日が親近感をもっている国々である。ウソをつくということは信用を失うことでもあるから普通はあまりしない。朝日や中韓では信用の失墜よりも政治目的が優先されるのかもしれない。一種の原理主義であり、ウソをついてでも実行しなければならない正義があるのかもしれない。玉川氏の発言はウソがはっきりとわかるケースだが、普段から記事の選択や取り上げ方の違い、見出しの工夫などによって広義のウソが豊富にある。 

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