明治天皇西国行幸 ・ 西郷隆盛供奉 / 在所行手洗鉢
本陣伊藤邸跡に残る井戸
赤間神宮にほど近くに本陣伊藤邸跡がありますが、
現在この場所には何も残っていません。
長府藩の本陣をつとめていた豪商伊藤家は
鎌倉時代から続く名と言われていましたが、
地元の者でさえその存在をあまり知らず、
ほとんど気にも留められていない場所でした。
そんな場所が一躍有名になったのは、
NHKの大河ドラマ 「 龍馬伝 」 に登場したからに他ありません。
坂本龍馬は生涯を通じて下関には何度も訪れており、
当時の伊藤家の当主助太夫 ( 九三 ) と親交があったため、
伊藤家に滞在することが多かったといいます。
1867(慶応3)年1月ごろからは妻お龍とともに伊藤家に寄宿するようになりました。
龍馬はこの部屋を自然(じねん)堂と名づけ下関での本拠地としました。
しかし龍馬はここから京都へ旅立ち、同年11月には京都の近江屋で暗殺されます。
お龍はその知らせをこの自然堂で受け取ったのです。
本陣伊藤邸跡は龍馬にとって縁の深い場所であり、
龍馬ファンにはたまらない聖地のひとつになっています。
下関駅・唐戸エリアは、中世より九州や大陸へ渡航する船が出入りする港町として栄えてきました。
これまでの歴史の中で有名・無名問わず様々な人が行き交い、
留まり、この地に多くの足跡を残してきした。
そのため、唐戸エリアには様々な時代の史跡が存在しています。
下関の中でもとりわけ多くの観光スポットが唐戸エリアに集中しているのは、
明治の市制施行以来、市役所をはじめとして主要な施設がこの地に建てられ、
下関市の中心地となっているためです。