デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



ルーヴルは広いので、ツアー旅行でくるにはもったいない場所だと思う。
次にきたのは彫刻の間でたぶんギリシャかローマ美術の部屋だったように思う。


三美神(紀元前1~2世紀、大理石、105cm)

いいですねぇ。「典雅」「愛嬌」「歓喜」を表した三美神の姿。紀元前からこの形式が今に伝わっていると思うと、これは美を考えるうえで根底にある審美の感情の一つかもしれないと思ってしまう。三美神は後世に絵画でも描かれていて、特に有名なのはボッティチェリの「春~プリマヴェーラ」やルーベンスの「三美神」などがあるように思う。


眠るヘルマフロディテ

↑のヘルマフロディテというのは、オリンポス12神のヘルメスとアフロディテの間に生まれた美しい息子のこと。でも、ここでは彼は女性のごとく彫られている。ひょっとすると、ヘルマフロディテは後にサルマキスというニンフと交わり、体が統合しアンドロギュノス(両性具有)になることを暗示しているのかもしれない。
ところで、彼が伏しているベッドと枕は、「アポロンとダフネ」の彫刻でも有名なジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598-1680)が制作したものだそうだ。つまり、この作品は紀元前2世紀後半のオリジナルによるローマ時代の模刻と、バロック時代の巨匠が制作した装飾との「合作」なのである。


解説のヘッドフォンを貸し出す職員さん。忙しそうにしていた。

美術館のパンフレットにはルーヴルが誇る歴史で必ず習うような有名な展示物が親切に強調されている。紀元前18世紀前半のバビロンのハンムラビ法典といえば「目には目を。歯には歯を」が有名だが、それが彫られているのが下の石碑だ。


地道に彫ったんだろうなぁ…

言葉は時代によって使い方も意味も変わってくるが、時に解釈も誤って伝わることがある。少なくとも私は、誰かの歯を折ってしまったからといって、被害者に対し自分の歯でもって償ったなんていう話を聞いたことが無い。償いの方法は意外に現在にも通じているものもある(懲役や罰金など)。
ひどいのはやっぱり「歯を折られたなら相手の歯を折って復讐してよい」と誤解しているパターンかも。いくらなんでも法典なのだから、復讐を奨励して煽ってどうするの?と今なら学校で習った解釈にチクリと言ってやりたい(笑

いろんな展示物を集中してみていると、ちょっと気分転換したくなる。窓の外を見てみるのもお薦めかもと思った。


ルーヴルは外観だけでも立派な美術品なのです


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(上の女神たちの彫刻については分かり次第、後記します。)

----------2007年1月11日22時11分内容を追記・訂正----------

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