デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



指の負傷について先週書いたが、昨日、そのことで最初の救急を除いて二度目の診察を受けた。
私の担当になっている医員の先生は若い方で、非常に若々しい明瞭な話し方をされるが、今回の診察では若さ(性格?)が出たかも(笑)
一部始終を述べよう。私の指の傷は皮膚の最も上の部分だけが少し盛り上がり傷跡として生々しく赤く見えはするものの、皮膚としてはすでにくっついているので、真ん中の三本だけ残し、あとの半分は抜糸しても大丈夫とのことだった。それで早速抜糸、あとは薬を塗布し絆創膏を貼るという処置をしたわけだが、そこで先生は
「指は曲げれますか?」
と私に訊ねた。
確か先週の診察で4・5日すれば曲げられるようになりますと言われ、また抜糸は今月最終の週の予定といわれていたから、私は昨日の診察まで極力指を曲げないように、意志力でギプス状態にしていた。その状態を持続させていることを半ば誇りにしていたし、人差し指を使わないでウクレレを弾く練習まで夜にやっていたので、完全な抜糸まで指を伸ばしっ放しでいこうと思っていたから、まだ糸が残る状態での先生の一言はある意味ズドンとくるものがあった。それに指を曲げたことで傷が元の木阿弥状態になるかもしれぬという、患者としての不安はやっぱり恐怖だろ(笑)。
先生は医学的知識のみならず、これまで多くの患者を診てこられたから確信をもって、
「ぐっと曲げてみてください。大丈夫です」
と明瞭な声で言う。
しかし私はいくら先生が確信もって言われても、その瞬間はまだ不安はぬぐえなかった。たぶん声は震えていたろう、
「大丈夫ですかね? 怖いですね」
と指をピクピクさせながら言い、さらに
「来週の抜糸まで基本は曲げないほうがいいのでは?」
と訊いた。
先生の返答はこうだった。
「これから曲げないと、今度は逆に曲がらないようになりますよ」
弦楽器を趣味でする人間にとっては、これこそ本当に恐ろしいことだ。私は柔軟体操のイメージで指を徐々に動かしながら、さらなる先生の説明を聞いた。で、結局は、
「楽器を触っていいし、触れます。これから曲げてくださいね」
とのことだった。(これを書いている数時間前に公園でギターとウクレレを鳴らしてみた。もちろん指の違和感は残っているし押さえるのに辛いコードはあるが、従来の指使いで弾けた)
昨日の診察の時点で、私の指の傷はそれなりに治りつつあることが分かった。それに、何があっても指をまっすぐにし続けようとする意志力が強すぎると、却って指を自ら「麻痺」させることにもつながりかねないことも分かった。人間の意志力ってある意味恐ろしいなぁと思った。もう曲げることを含めてのリハビリを自ら開始していいのだ。逆に言えば今始めねばならないのだ。
診察の話に戻るが、病院を出てからしばらくして、なにか変だなと思うところがあった。というのは、指が曲がるか訊ねられたとき、たしかに私は不安を覚えていた。ただよく考えてみると、先生が私の指に薬を塗り、ぴっちりと絆創膏を巻いたあとに「指は曲がりますか?」と訊ねたのだった。これをお読みのみなさんもきっと体験されたことがあるだろうが、指の関節にぴっちりと絆創膏を巻いた状態で、指を曲げようとすると、けっこう強い力が要る。そんな状態で「曲げてみよう」って、酷な話ではないか?(笑)
それなら絆創膏巻く前に医者のスキルとも言える、患者にリハビリを促す話術を駆使したり、絆創膏巻いてしまった後なら、せめて
「今、少しだけ動かしてみましょう」
とか
「昼休みなどに絆創膏をゆるめて曲げることを意識して始めてくださいね」
とか、ものの言いようはあったのでは?と。
「ぐっと曲げてみましょう。大丈夫です」
は、いきなりのスパルタすぎるのでは?(笑)
先生としては、自分の診察に自信があったのだろうし、現に私の指は今は曲がり、キーボードもスイスイ打てる。しかし、あの場面の一言は先生の若さが出たな(笑)。
抜糸は来週だ。それまで指を意識的に使うようにして次の診察をむかえたい。

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