テーマ「湯治」の旅の続き≫
田沢湖高原温泉から、山中へと車を走らせると、山の一軒宿、秘湯ムードたっぷりの乳頭温泉郷です。
「鶴の湯」「黒湯」「孫六」「大釜」「妙の湯」「蟹場」「国民休暇村 田沢湖高原」の宿にはそれぞれに個性があり、自然の中に調和した露天風呂が魅力で、近年正統な温泉場としても人気があるのはいうまでもありません。
この温泉郷を年に1~3回ほど訪れるのには、私にとって大きな意味があります。
さて、鶴の湯別館山の宿は平成6年にブナ林と水芭蕉の咲く沢の横にオープンした、先達川沿いにある一軒の木造旅館です。
鶴の湯温泉の1.5km手前に位置し、鶴の湯から温泉を引いており「別館」の愛称がついています。
日帰り入浴はできず、宿泊は一泊あたり13000円~15000円程度。
私のこの宿での目的は、名物の「山の芋鍋定食」を頂くことです。
ここ数年間、こちらに来た時には、必ず立ち寄るようになりました。
かつては、宿泊してゆっくり山の芋鍋を満喫してみたい誘惑に駆られることもありましたが、あえて宿泊をせずに毎年この場所に通い続けるのも、ある種の恋心のような感覚であるかもしれません。
建物は、地元の雑木のみを使って建てた平屋の曲がり屋風建築は豪雪に耐える太い梁が特徴です。
ブナ、トチ、クリ様々な建材が使われているそうで、漆喰の白壁との対比が素朴さと美しさをかもしています。
お部屋は庵ふうの囲炉裏です。
窓からはブナの原生林が広がり、今時期は柔らかい新緑の美しさに、みなぎる生命のパワーを感じます。
景色を眺めながら、心に沸々と躍動感が湧きあがってくるような感じがします。
それは窓から切りぬかれた一端の自然ですが、ひと時だけ、その風景を我がもののように独占してしまったような気分になれるのは、贅沢すぎる幸せです!
お魚好きの私は「定食A」を選びます。
川魚がつくか否かですので、Bを選んでも料理内容に違いはありません。
相方が「今日の車の運転は任せて」と言ってくれたので、甘えることにしました。
地酒をちびりちびりしながら、ゆっくり料理を楽しむ時間も格別です。
この「秀よし」という仙北市の酒蔵のお酒は、名前はいまひとつに感じますが、秋田のお料理にしっくりと合いますね。
鍋にしても、山菜料理にしても、地元の料理とのバランスが絶妙なお酒です。
以前、黒湯に泊まった時「秀よし」と「刈穂」等々の飲み比べをした時も「秀よし」に旗があがりました。
さて鍋ができる間に囲炉裏では炭がくべられ、お料理を食べながら待つのです。
素朴な山料理ながら、ヌルヌルのワラビ、シャキシャキのウドのくるみ合え、上品な味のしみ込んだ蕗…
ああ、絶品の山の幸です。
これが、名物「山の芋鍋」です!
みずみずしいセリの香りと、ふくよかなお味噌の味。
もっちりした山の芋だんごの表面にはお味噌が染みて、あつあつのホクホクです。
なんて、素晴らしい素朴な味でしょう!
焼きたての岩魚が来ました。
炭火でじっくり焼かれた岩魚は、ほっこりしています。
骨も、頭も全部食べれる柔らかさ、甘み、引きしまった身の歯ざわりは、絶妙なおいしさです!
なんという、快感でしょうか!
山の清々しい空気や囲炉裏からほんのりかおる炭の香り、火の匂い、それらの全てがその場で絶妙に混じり合い、素朴なこの料理の、最後の味付けをになっているのです。
山の恵みを体に取り込むことで、あふれる自然とちっぽけな自分が、まるで一体であるかのような、錯覚にさえ陥ります。
この山へ来るたびに、健康でもっともっと長生きをしていたいとつくづく実感し、前向きの心が私の中で奮い立ちます。
時は楽しい会話に弾み、知らず知らずゆるやかに流れて行きました。
山の宿を出ると、水芭蕉が満開でした。
※「山の宿」昼食は11時30分から13時まで
田沢湖高原温泉から、山中へと車を走らせると、山の一軒宿、秘湯ムードたっぷりの乳頭温泉郷です。
「鶴の湯」「黒湯」「孫六」「大釜」「妙の湯」「蟹場」「国民休暇村 田沢湖高原」の宿にはそれぞれに個性があり、自然の中に調和した露天風呂が魅力で、近年正統な温泉場としても人気があるのはいうまでもありません。
この温泉郷を年に1~3回ほど訪れるのには、私にとって大きな意味があります。
さて、鶴の湯別館山の宿は平成6年にブナ林と水芭蕉の咲く沢の横にオープンした、先達川沿いにある一軒の木造旅館です。
鶴の湯温泉の1.5km手前に位置し、鶴の湯から温泉を引いており「別館」の愛称がついています。
日帰り入浴はできず、宿泊は一泊あたり13000円~15000円程度。
私のこの宿での目的は、名物の「山の芋鍋定食」を頂くことです。
ここ数年間、こちらに来た時には、必ず立ち寄るようになりました。
かつては、宿泊してゆっくり山の芋鍋を満喫してみたい誘惑に駆られることもありましたが、あえて宿泊をせずに毎年この場所に通い続けるのも、ある種の恋心のような感覚であるかもしれません。
建物は、地元の雑木のみを使って建てた平屋の曲がり屋風建築は豪雪に耐える太い梁が特徴です。
ブナ、トチ、クリ様々な建材が使われているそうで、漆喰の白壁との対比が素朴さと美しさをかもしています。
お部屋は庵ふうの囲炉裏です。
窓からはブナの原生林が広がり、今時期は柔らかい新緑の美しさに、みなぎる生命のパワーを感じます。
景色を眺めながら、心に沸々と躍動感が湧きあがってくるような感じがします。
それは窓から切りぬかれた一端の自然ですが、ひと時だけ、その風景を我がもののように独占してしまったような気分になれるのは、贅沢すぎる幸せです!
お魚好きの私は「定食A」を選びます。
川魚がつくか否かですので、Bを選んでも料理内容に違いはありません。
相方が「今日の車の運転は任せて」と言ってくれたので、甘えることにしました。
地酒をちびりちびりしながら、ゆっくり料理を楽しむ時間も格別です。
この「秀よし」という仙北市の酒蔵のお酒は、名前はいまひとつに感じますが、秋田のお料理にしっくりと合いますね。
鍋にしても、山菜料理にしても、地元の料理とのバランスが絶妙なお酒です。
以前、黒湯に泊まった時「秀よし」と「刈穂」等々の飲み比べをした時も「秀よし」に旗があがりました。
さて鍋ができる間に囲炉裏では炭がくべられ、お料理を食べながら待つのです。
素朴な山料理ながら、ヌルヌルのワラビ、シャキシャキのウドのくるみ合え、上品な味のしみ込んだ蕗…
ああ、絶品の山の幸です。
これが、名物「山の芋鍋」です!
みずみずしいセリの香りと、ふくよかなお味噌の味。
もっちりした山の芋だんごの表面にはお味噌が染みて、あつあつのホクホクです。
なんて、素晴らしい素朴な味でしょう!
焼きたての岩魚が来ました。
炭火でじっくり焼かれた岩魚は、ほっこりしています。
骨も、頭も全部食べれる柔らかさ、甘み、引きしまった身の歯ざわりは、絶妙なおいしさです!
なんという、快感でしょうか!
山の清々しい空気や囲炉裏からほんのりかおる炭の香り、火の匂い、それらの全てがその場で絶妙に混じり合い、素朴なこの料理の、最後の味付けをになっているのです。
山の恵みを体に取り込むことで、あふれる自然とちっぽけな自分が、まるで一体であるかのような、錯覚にさえ陥ります。
この山へ来るたびに、健康でもっともっと長生きをしていたいとつくづく実感し、前向きの心が私の中で奮い立ちます。
時は楽しい会話に弾み、知らず知らずゆるやかに流れて行きました。
山の宿を出ると、水芭蕉が満開でした。
※「山の宿」昼食は11時30分から13時まで