1963年
今シーズン二度目の一塁手橋詰が「チビ、落ちついて」と声援したが、尾崎の立ちあがりはよくない。一回五人の打球は全部ライナー性。そのうち安打になったのは二本。戸口の左前ライナーは張本の妙な守備でランニング・ホーマー、得点に結びついた。真正面にとんだのに、前進した張本はライトに目がくらんだが頭をかかえて逃げ、ボールはヘイぎわまで転々。その裏の梶本(兄)も悪かったスロー・ドロップを投げて目さきをかえたが、スピードは全然ない。一死後半速球を青野、西園寺に連続左翼ラッキー・ゾーンにたたき込まれ、先取点もフイ。先発投手の不できですべり出しは点のとり合いとなった。二回の尾崎は岡村、山口に連安打をくい、一死一、二塁のピンチ。梶本(兄)三振のあと衆樹に中前タイムリーされ、たちまち追いつかれた。水原監督は未練を残さずすぐ宮崎に切りかえた。その裏東映がうまい攻撃で梶本(兄)をゆさぶった。橋詰が左前安打、ラドラは三塁前に巧妙なセーフティ・バントして無死一、二塁。つづく安藤(順)が右前テキサス安打。右翼中田が足をとられてころぶスキに(記録は二塁打)二人生還して再びリードを奪った。そして四回、安藤(順)の左翼線二塁打を足場に二死一、二塁とし、梶本(兄)をKO、秋本の代わりばなを青野が中前安打して、3点差と開いた。宮崎はシュートとスライダーをコーナーに散らして好投。五回本屋敷、戸口に連安打されたあと中田の中犠飛で1点を許したが、六回以後は安藤(順)の好リードもあって、二塁を踏ませなかった。バックも七回三安打と敵失で3点を追加、宮崎の今シーズンの初勝利(昨年九月二十三日以来)を盛り立てた。東映はこれで首位南海に6・5ゲーム。
水原監督「一、二回に点を入れられてもすぐ逆転したのがよかった。梶本(兄)もよくなかったが、ここですぐうちのペースにのっていったのが大きい。ただ残念なことは前半に張本、吉田(勝)という中心打者が当たらなかったことだ。この二人が打っていればもっと早く試合を決めることができた。宮崎は七月二十八日の大毎戦で尾崎をリリーフしたときよりは悪かったが、よく低目に球をきめて押えた」
今シーズン二度目の一塁手橋詰が「チビ、落ちついて」と声援したが、尾崎の立ちあがりはよくない。一回五人の打球は全部ライナー性。そのうち安打になったのは二本。戸口の左前ライナーは張本の妙な守備でランニング・ホーマー、得点に結びついた。真正面にとんだのに、前進した張本はライトに目がくらんだが頭をかかえて逃げ、ボールはヘイぎわまで転々。その裏の梶本(兄)も悪かったスロー・ドロップを投げて目さきをかえたが、スピードは全然ない。一死後半速球を青野、西園寺に連続左翼ラッキー・ゾーンにたたき込まれ、先取点もフイ。先発投手の不できですべり出しは点のとり合いとなった。二回の尾崎は岡村、山口に連安打をくい、一死一、二塁のピンチ。梶本(兄)三振のあと衆樹に中前タイムリーされ、たちまち追いつかれた。水原監督は未練を残さずすぐ宮崎に切りかえた。その裏東映がうまい攻撃で梶本(兄)をゆさぶった。橋詰が左前安打、ラドラは三塁前に巧妙なセーフティ・バントして無死一、二塁。つづく安藤(順)が右前テキサス安打。右翼中田が足をとられてころぶスキに(記録は二塁打)二人生還して再びリードを奪った。そして四回、安藤(順)の左翼線二塁打を足場に二死一、二塁とし、梶本(兄)をKO、秋本の代わりばなを青野が中前安打して、3点差と開いた。宮崎はシュートとスライダーをコーナーに散らして好投。五回本屋敷、戸口に連安打されたあと中田の中犠飛で1点を許したが、六回以後は安藤(順)の好リードもあって、二塁を踏ませなかった。バックも七回三安打と敵失で3点を追加、宮崎の今シーズンの初勝利(昨年九月二十三日以来)を盛り立てた。東映はこれで首位南海に6・5ゲーム。
水原監督「一、二回に点を入れられてもすぐ逆転したのがよかった。梶本(兄)もよくなかったが、ここですぐうちのペースにのっていったのが大きい。ただ残念なことは前半に張本、吉田(勝)という中心打者が当たらなかったことだ。この二人が打っていればもっと早く試合を決めることができた。宮崎は七月二十八日の大毎戦で尾崎をリリーフしたときよりは悪かったが、よく低目に球をきめて押えた」