1976年
太平洋クラブ・ライオンズの中村長芳球団オーナーは十九日、福岡・博多駅南の博多都ホテルで、広島東洋カープから金銭トレードで獲得した児玉好弘投手(30)ら五選手の入団発表をした。この日入団した選手は、児玉を除けば全員無名の選手たちだが、中村オーナーは「児玉君は実績があり、体の故障もないということなので一軍の戦力として期待している。また新入団の四人は、いずれも初対面だったが、目の光が違っている。将来きっと一流に育ってくれるはずだ」と、期待をこめて報道陣に紹介した。入団選手を代表して、児玉は「とにかく一生懸命やる。私自身について言えば、カープ在籍は一年だけで、パ・リーグの方がなじみが深い。勝手もわかっているので、ぜひ一暴れしてみたい」と決意を語った。
【入団選手の横顔】
投手 児玉好弘(30)=178㌢、70㌔、右投げ右打ち。山口県鴻城高卒、阪急ー広島東洋のプロ生活五年間を通じ136試合に登板、22勝12敗、防御率4.06の成績を残した。完投はないが、中継ぎ逃げ切りに絶妙のピッチングを見せてきた投手で、速攻型の打線を持つライオンズには貴重なリリーフの戦力。
内野手 大原徹也(18)=177㌢、70㌔、右投げ右打ち、大阪福島商。大型の遊撃手として将来性を買われ、推薦入団。
外野手 川島日出雄(18)=183㌢、67㌔、右投げ右打ち、広島盈進高。一昨年夏の甲子園大会で注目を集めた強打、強肩の選手。推薦入団。
投手 吉野秀幸(22)=176㌢、75㌔、長崎県鹿町工卒、名村造船所(伊万里)からテスト入団。体力、センスとも抜群で、将来性を買われた。
捕手 大慈弥功(19)=168㌢、74㌔、右投げ右打ち、大分県中津南高。体力とパワーを買われ、内野手から捕手に転向してテスト入団。