1996年
AAA級ナッシュビルサウンズ時代、93年に10勝1敗、防御率2.88で最高勝率、最優秀防御率。
直球はそれほど速くないが、2種類のスライダーを含め、低目に集める投球は日本向き。
新外国人のロドニー・ボルトン投手の評価が日増しに高まっています。第四クールの16日から19日まで、キャンプ地を巡回中の審判団が高知入り、本番さながらに「ストライク」「ボール」をコールするなか、ボルトンのピッチングをジャッジした東利夫審判は「少しずつボールを変化させているし、テンポもいい。実戦向きで日本ハムのグロスに似ている」と絶賛。グロスと言えば、昨年、16勝をマークした強力助っ人。ボルトンがグロスばりの活躍をすれば、悲願のAクラス入りも夢ではありません。このボルトン、日本語の上達も早いのですが、なんとパチンコも完全マスターしていました。「ホテルのテレビを見ても言葉が分からないし、映画は目が疲れるからネ。パチンコは時間も潰れるし、ラッキーならお金も、儲かるからネ」
王監督が自ら渡米してテストを行って獲得したロドニー・ボルトン投手が開幕2カ月経った6月2日の日本ハム戦で、遅ればせながら来日初勝利を飾りました。開幕2試合連続KOで4月12日にファーム落ち。この原因はキャンプ中のダイエットで体重が9㌔減。これで球威が失くなったと知ったボルトンは「ウチでアメリカにいた頃と同じ料理を食べて体重を増やした」と5㌔増。これが効いたのかストレートのMAXが139㌔と開幕時より7㌔もアップしていたのです。そして、来日中だった兄のグレッグさん(36歳)夫婦と恋人のエイミー・ハリソンさん(27歳)が帰国を2日遅らせて、福岡ドームのスタンドで声援を送りました。「家族が来ていてくれたことで精神的にもずい分、リラックスできた」とボルトンはグレッグさんらに感謝しきりでした。この試合、9回無死満塁で降板。代わって登板した同じく新外国人のホセが3人でピシャリ。「やっと投手の補強が実ったよ」と、王監督が本人たち以上に喜んでいたのが印象的でした。
ロドニー・ボルトン投手、スコット・ライディ外野手の2人の外国人がシーズン終了を待たず9月14日に帰国しました。ボルトンは「低めに決まる変化球は日本の打者に有効」と王監督がアメリカ、高知と二度にわたってテストを行った末に獲得した選手。それだけに「自分でテストしたのに…。これでは周囲から何と言われるか…」と試験官の王監督もがっくり。
ダイエー先発ボルトンが一回もたずに7失点で降板した。「どうなってるのかな。先発として指名した以上、任せようと思ったけど‥‥。まさか上田にもっていかれるとは…」王監督も視線も定まらない。初回に3点の援護を受けながら、その裏に上田の満塁弾などで大量失点。はやくも勝負はついてしまった。「もう(先発では)使えない。チームの士気にも影響する」と村田投手コーチは切り捨てた。「ローテの変更?やらなければいけない」開幕から、まだ4試合目。村田コーチの顔には悲壮感すら漂っていた。