1995年
昨秋の日向キャンプでテストを受け、合格した助っ人左腕。低めにコントロールされた速球と、コーナーに投げ分ける変化球は日本球界で通用することまちがいなしだ。鈴木監督もこの貴重な左腕に「左の先発としてがんばってほしい」と期待する。まずは日本の水に慣れることが先決。日向ですでにハシの使い方をマスターするなど、パウエル自身もやる気十分だ。ノルマは2ケタ勝利。助っ人左腕が活躍すれば、牛投の未来は明るい。
近鉄の新外国人、デニス・パウエル投手(31)が21日、先発適正試験に合格した。紅白戦に初登板したパウエルは、先発で4回を投げて安打4、失点1。無難な結果に鈴木監督も「合格や。自滅するタイプでもないし、これからもどんどんようなっていくはずや」と合格点だ。野茂の抜けた後、先発候補として期待されている助っ人左腕。首脳陣が目を光らせた実戦初登板は、尻上がりに持ち味を発揮した。走者を背負っても、多彩な変化球で後続をピシャリ。「2回から集中できた。いつも通り緩急の差をつけることを心掛けたんだ」と、パウエルは満足そうに顔をほころばせた。圧巻は主砲・石井に投げたチェンジアップ。3回2死三塁、2ストライクからの3球目。いきなりサイドハンドから投げた落差大きいチェンジアップに、石井のバットは空を切った。「惑わされた。嫌なタイプのピッチャーですよ」と主砲も脱帽だ。上から横から自在に変化球を操るパウエル。「日本で長くプレーできるよう頑張るよ」新天地を日本に求めた助っ人左腕が、まずは第一関門を突破した。
スピードは130㌔後半ながら、変幻自在なフォームと変化球で2ケタ勝利をねらう。制球に難があるが、キャンプでの評価は上々。
年棒3500万円の無印良品近鉄の新外国人パウエルが、またまた好投した。スライダー、シュート、カーブを左右に散らして予定の6回を4安打無失点。これで3試合に投げて15イニングで自責点ゼロ。オープン戦での成績は、猛牛投手陣の中でダントツのトップだ。
1球1球に感情がこもる。ときには白い歯を見せたり、奇声を発したり。そんなパウエルが最後に勝利のガッツポーズだ。だれもが驚いた127球の完投劇。「自分でも驚いている。91年のマイナー時代に完投して以来だよ。」テスト入団の3500万円の格安助っ人が、完投一番乗りとは恐れ入った。なんと近鉄の外国人投手としては32年ぶりの勝利。野茂が抜けて手薄になった先発投手陣の穴埋め役。オープン戦から好投を続けていたが、「6、7回まで持てば…」が首脳陣の一致した見方だった。「あいつに聞いてやってくれ。心配していたんだが、本当に大したものや」鈴木監督もうれしい誤算にほめ言葉が見つからない。「本当にうれしい。完投なんて自分には考えられないから」緊張から解放されたパウエルに近鉄の帽子をかぶった息子のクリストファーちゃん(1つ)が抱きついた。
昨秋の日向キャンプでテストを受け、合格した助っ人左腕。低めにコントロールされた速球と、コーナーに投げ分ける変化球は日本球界で通用することまちがいなしだ。鈴木監督もこの貴重な左腕に「左の先発としてがんばってほしい」と期待する。まずは日本の水に慣れることが先決。日向ですでにハシの使い方をマスターするなど、パウエル自身もやる気十分だ。ノルマは2ケタ勝利。助っ人左腕が活躍すれば、牛投の未来は明るい。
近鉄の新外国人、デニス・パウエル投手(31)が21日、先発適正試験に合格した。紅白戦に初登板したパウエルは、先発で4回を投げて安打4、失点1。無難な結果に鈴木監督も「合格や。自滅するタイプでもないし、これからもどんどんようなっていくはずや」と合格点だ。野茂の抜けた後、先発候補として期待されている助っ人左腕。首脳陣が目を光らせた実戦初登板は、尻上がりに持ち味を発揮した。走者を背負っても、多彩な変化球で後続をピシャリ。「2回から集中できた。いつも通り緩急の差をつけることを心掛けたんだ」と、パウエルは満足そうに顔をほころばせた。圧巻は主砲・石井に投げたチェンジアップ。3回2死三塁、2ストライクからの3球目。いきなりサイドハンドから投げた落差大きいチェンジアップに、石井のバットは空を切った。「惑わされた。嫌なタイプのピッチャーですよ」と主砲も脱帽だ。上から横から自在に変化球を操るパウエル。「日本で長くプレーできるよう頑張るよ」新天地を日本に求めた助っ人左腕が、まずは第一関門を突破した。
スピードは130㌔後半ながら、変幻自在なフォームと変化球で2ケタ勝利をねらう。制球に難があるが、キャンプでの評価は上々。
年棒3500万円の無印良品近鉄の新外国人パウエルが、またまた好投した。スライダー、シュート、カーブを左右に散らして予定の6回を4安打無失点。これで3試合に投げて15イニングで自責点ゼロ。オープン戦での成績は、猛牛投手陣の中でダントツのトップだ。
1球1球に感情がこもる。ときには白い歯を見せたり、奇声を発したり。そんなパウエルが最後に勝利のガッツポーズだ。だれもが驚いた127球の完投劇。「自分でも驚いている。91年のマイナー時代に完投して以来だよ。」テスト入団の3500万円の格安助っ人が、完投一番乗りとは恐れ入った。なんと近鉄の外国人投手としては32年ぶりの勝利。野茂が抜けて手薄になった先発投手陣の穴埋め役。オープン戦から好投を続けていたが、「6、7回まで持てば…」が首脳陣の一致した見方だった。「あいつに聞いてやってくれ。心配していたんだが、本当に大したものや」鈴木監督もうれしい誤算にほめ言葉が見つからない。「本当にうれしい。完投なんて自分には考えられないから」緊張から解放されたパウエルに近鉄の帽子をかぶった息子のクリストファーちゃん(1つ)が抱きついた。