・投球フォーム・・・・オーバースローとスリークォーターを変幻自在に使い分ける。外人投手にしてはクセのないフォームをしている。
・球種・・・・・ストレートのMAXは140キロ程度。横に大きく流れるカーブ。武器のスクリューボールは「フォークのようにストンと落ちる」ものと「外へ逃げるように変化する」ものの2種類ある。
ピッチングの特徴は、緩い直球をさらに緩い変化球で速く見せ、詰まらせる。緩急の差もさることながら、出色なのは相手打者の特徴を見極める目の確かさと読みのウラをかく、配球の巧さである。
1985年・4月26日・巨人ー中日3回戦「後楽園」観衆4万7千・試合時間・2時間31分
中日000000000・0
巨人20401000・・7
勝ち・カムストック・・負け・郭・・本塁打・クロマティ4号、吉村1号
カムストック投手・投球内容・・9回・1安打・・三振8・・四死球6・・自責0
「カムストック、中日を完封・・・・わずか1安打、8三振」冴えわたる「スクリュー」
・とにかくよく落ちる。巨人の新外人、カムストックの勝負球スクリューボールだ。1回1死後、石井をその鋭い、落差のあるスクリューボールで空振りの三振にとると、あとはスイスイ。2回に先頭のモッカに初安打されたが続く大島、宇野もスクリューボールでかんたんに料理した。さる18日の阪神戦での初登板。甲子園の低いマウンドにカムストックは悩んだ。「投げにくくてスクリューボールが思うように落ちなかったんだ」2回ウラに木戸に投げたが全く落ちずに中前安打され、先制点を奪われた。それからはこの武器を使えなくなって投球の組み立ても出来なくなり、3回までに3点を失って降板した。2度目の先発となったこの日、試合前のカムストックは張り切っていた。「だって、今調子がひどくいいんだ。それに後楽園のマウンドは傾斜が急で高く感じる。ぼくにとっては投げやすいマウンド」そんな好条件が重なっているうえに、阪神の同じ新外人ゲイルが前夜2勝目を挙げたのも刺激になっている。昨年、米大リーグの3Aでゲイルと投げ合い、0-1で敗戦投手になったことがあるからだ。「日本ではゲイルに絶対負けたくないんだ」投手がよければ打線のリズムも出る。守りにも美技が出る。引き締まった試合になるかどうかは投手次第ということを再確認させた。