ドアの向こう

日々のメモ書き 

菊戴

2009-11-26 | 自然や花など

           

            山梔子の実の色にある日の詰り    龍男

 暦が駆け足になった。 
 午後から瞬く間に夕方となり、 追いかけられて一日はなんと早い。 
 今年、クチナシに実がたくさんついた。 野鳥はあまり好まないらしく今のところ無傷だ。 鳥といえば…  短編のなかで菊戴が気になった。 花の冠も。  

  キクイタダキは野鳥の中でも 最も小柄な鳥。 主人公はこの野鳥を小鳥屋から求め飼育している。 上部はオリーブ色、下部は淡黄灰色、首も灰色がかって、翼に二条の白帯、風切の縁が黄色、頭の頂きに黒で囲った黄色…  黄菊の花弁をいただくよう… 丸い目がおどけて 動作も溌剌… 可憐ながら高雅な気品… 
  細やかな描写がつづく。  この鳥を知らない。
  

       ワシは偽物じゃ  

   きのうも シジュウカラやメジロでにぎわった。 動作も溌剌…
    ヒヨドリの囀りに 急かされている。 
   餌台にまだ見ぬ野鳥 キクイタダキが現れるのはいつのことだろう。 
     写真は シジュウカラの常連さん 

    さらに調べると 「松毟鳥マツムシリ」 とか 「松くぐり」ともいう、冬の季語。 松がないこの庭にいくら待っても来るわけがない、 全くマツドリなのだった。

 小鳥はまことに美しい寝方をしていた。 二羽の鳥は寄り添つて、それぞれの首を相手の體の羽毛のなかに突つこみ合ひ、ちやうど一つの毛絲の鞠のやうに圓くなつてゐた。   一羽づつを見分けることは出来なかつた …人間でも  こんなきれいな感じに眠つてゐるのが、 どこかの國に一組くらゐはゐてくれるだろうか… 
                              
川端康成 「禽獣」

  読んでいて 胸のなかがほんわりしてくる。 

                                    


     画像は フィールドガイド 日本の野鳥 高野伸二著 からいただき ました 


 

コメント (2)
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