ドアの向こう

日々のメモ書き 

犬のための前奏曲

2005-04-22 | 犬のブロンコ・ダン

 「Hi! ホクセン・リバーズ・ブロンコ・ダンです。緑の風が
心地よぉく鼻をくすぐります・・・」
 
 ブロンコ・ダン=我が家では、ラグビーと呼んでいる。トイ・マンチェスター・テリア、うちにきて十七年になる。とても賢い。人だと思いこんでるラグビーと、限りなく犬に近づいた私達のおかしな暮らしだ。

 噂をすると「ぼくの話しね?」と目が言っている。また、かぞくの応援に出かけたはずのグランドで、不惑のオジサマ方と全速力でかけまわり、毎週ゲームを愉しんだ。走るすがたは、まるでサラブレッドのよう。大好きだよ。

 すらっとした長い足、人のまつ毛くらいの毛は、黒いビロードのようにかがやく。だいぶ耳や目が悪くなったが、声の大きな、威厳あるガードマンぶりだ。歯は全部そろっている。
ほかの兄弟達は元気だろうか?

 彼はシャンプーのあと生乾きで大騒ぎする。いつもの儀式だ。
家中走り回りソファーの上でゴロン! 背中をこすりつけたり、手脚をぐっと伸ばし水泳のように掻いては拭ってしまう。
 この生まじめ君に、居間は乗っ取られてしまった。

 ちかごろ家族の靴下がないと眠れない。油断するといつの間にかくわえてる。
 その自慢げなことといったら… 
ひとの視線を意識したような首筋に「どう?この早わざ」って書いてあるような… 追いかけないと不満げで、取り返そうにも威嚇され(あらら、昼間の人格はどこよ)絶対に返さない。
 人はあきれながらこの芝居に、毎夜つきあっている。

 ラグビーと暮らし、うれしく思うのは、家族の動物にたいする見方が変わり、思いやりもふかく、心にゆとりも生まれたこと。親犬と一か月でわかれ、教わらないのに犬としての暮らしが、厳然とあることにも感動した。

 以前見つけたエリック・サティの「犬のためのしまりのない前奏曲」 「犬のためのぶよぶよした本当の前奏曲」。可笑しいね、
でも、ちょっと聞いてみたい。
ラグビーのおかげで笑いが絶えない。心から感謝しておりますよ。
 ちょっとお疲れ 今日のうしろ姿 
コメント (2)
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蜥蜴初めて現る

2005-04-18 | 自然や花など

 きのうのことだ。 -とかげ初めてあらわる-
 べつに、二十四節気や七十二候ではない。我が家でことし初めて蜥蜴を見た日がきのうだった。うちには蜥蜴が住んでいる。

 デューラーの銅版画にでも出てきそうなオオトカゲではない。体長12センチくらいのかわいい蜥蜴である。去年は5センチくらいのこどもを連れていた。

 はじめは、爬虫類だから気味わるく、ワニにそっくりでおそるおそる見ていた。
近づくと、じっと固まった。 緊張!! 体中で伝える。こちらをうかがう様子だ。蜥蜴から見れば、さながらバベルの塔か、ガリバーか。おどろかせてごめん!いつも謝っている。よくよく見ればかわいらしい。かしこそうな目つきに愛しささえ覚える。

 マンスフィールドの手紙には、「とかげは目で物音に聞きいっている」とあるが、ほんとうにそんな感じだ。日だまりの石のうえで手を結んだり開いたりしながら温まっているのをよく見かける。まるで「かくのごと閑かなる日ざしありや」(北原白秋 「日なた」)
といった趣である。
 
 今年もようやく会えたね。記念のお写真を…と言いかけたとたん、花韮のかげにかくれてしまった。おとなしい彼の声を聞いたためしがない。冬が来るまで仲良くしようよ。
奥さんやこどもさんは どうした?
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ほのかな紅

2005-04-17 | 自然や花など

 「ほのかな紅(くれない) それは色といふより ひとつの吐息」(百扇帖)より 

 作者ポール・クローデルは駐日フランス大使・詩人・劇作家 
 姉のカミーユ・クローデルは彫刻家。
 
 このうたに出会ったときから、写真にうつす日をゆめみた。
 ようやく咲いた。
 
 カミーユとおなじくロダンに学びモデルもつとめたグウェン・ジョン、彼女のあたたかないろの絵にも惹かれる。ほのかなくれないのティーカップが置いてある。カミーユとグウェン、師をめぐるそれぞれの葛藤も胸にせまる。

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風のアート

2005-04-11 | 自然や花など

 花散らしの雨と聞き、歩いて出かけた。
 濃紺の車がちかづいてくる。フロントガラスやボンネットに淡いピンクの花びらをたくさんつけていた。
清少納言は野分の朝に…  きょうの私は ワゴンの花びらに
ときめいた。 
 はかない模様がランダムにつづいている。ゆうべの二日月は見ていたろうか。こっそり仕上げた風の点描画… 
 
 駅をぬけると公園だ。週末はにぎわったに違いない。しだれ桜が満開で つめたい風にスイングしてる。八重桜には若葉がのぞく。
ムクドリといっしょにお花見をした。
 小さなハートのかたちして 桂(カツラ)のさみどりもそよぐ。 

 雨の公園写したかった! 
絵日記じゃなくなった。
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元気なんですが

2005-04-05 | 犬のブロンコ・ダン

 とうとう春がきて、同居人御難の日。

 保護者が電話で聞いている。
 「もう17ですし、だいぶ体力もね… まだ注射しなくちゃいけないでしょうか?」
『こちらは何とも言えません。規則ですから… 先生に相談したらいかがですか?』

  おい! あくびしてる場合じゃないよ 君のことだよ。どうする?
つぎに、かかりつけ医院に尋ねた。
 「18年目に入りましてね、元気なんですが、いつもうちの中だけで… 注射どうでしょうか。…かわいそうな気もしましてね」 とラグに目をくれる。
  寝ていた同居人は、だいぶ白くなった目をあけた。なんとなく力よわくみえる。
 
 いろいろ説明し、やがて  
  『もう受けなくてもいいと思いますよ』 やった!よかった… 
 喜ぶラグビー、スキップしてる。
   『…でも、5月に健康診断受けてくださいよ』

毎年はがきがくる。
 『成人病・糖尿病・高血圧・ガン・腎臓・肝臓病・・予防のお知らせ 年に一度 ぜひドック検診を!』
 ここまで読んで、とうぜん保護者のことかと思った。

 ○○動物病院!
 びっくりして、大笑いになった。
 ドッグ・ドックを受けたことはないが ラグビーはきょうも元気である。人なら100歳近い。頭はしっかりしている。耳がすこし遠く視力も落ちた、声は大きく食欲旺盛。自慢の嗅覚もこころもとないが文句ひとつ言わない。狂犬? 猫もおなじくらい大きいのがいる。にらまれて目をそらすのはラグビーだ。
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