萩の葉にキチョウがとまる
翔の内側に 黒い縁飾り
近づいて 指を鳴らしたり
触れてみても 二度と開かなかった
暮れはじめる街で 蝶はもう眠ったようだ
黄と黒のコントラストを忘れない
ほの暗いなかに あざやかさを増す黄蝶
蝶を咏める
賈蓬莱
薄翅凝香粉
新衣染媚黄
風流誰得似
兩兩宿花房
-☆-
かろき翅ツバサのおしろいや
黄にこそにほへ新ニヒごろも
みやびは誰か及ぶべき
花を臥所フシドにふたり寝るとは
佐藤春夫の訳詩も おもしろくて すてき
リズミカルで 艶のあることば
ここに 枯葉色の ルリタテハがかくれているの
椿の天辺に留まった
屋根の上に 赤とんぼ
ヒヨドリの身だしなみ
颱風が近づいています