
1回目 8F 油彩
3回にわたって模写をする。 来月2回。
少女の絵をまえにして、 12.3のころの自画像を思い出した。 写真が残っている。
宿題でもなんでもなかったのが、 家でひとり描いた水彩は自分でも うまくいったと思った。 顔の凹凸や影など立体感を出し、セーターの淡いピンクや質感など12歳なりに工夫していた。 自信作!を担任の先生に見ていただきたい、 さっそく職員室に届けた。 たぶん褒めてくださったのだろう。 覚えていない。
しばらくしてサインを入れるように言われた。 たまに行く上野で名画は見ていたが、サインなどまったく気にも留めない。それが、どんな位置にどのようなスタイルで入るものか知らなかった。 見えなかった。 家で、 何も思わず軽い気持ちで記名… 絵の一部だなんて 微塵も考えなかった。
翌日、作品を見た先生が、 みるみるこわばっていくのを見逃さなかった。 残念そうな どうしようもない… といった顔つきだ。 今ならわかる、 よく解る。
入れたサインは、 藍色の太文字で あろうことかゼッケンのように大きく幅広く胸元に輝いていた。 水彩は直しようがない。 重ねが効かない。 どうしょうもなく、 とにかく自画像は市長室に飾っていただいた、らしい。
自主的に仕あげた良い作品を、広く皆さんに見てもらう… 推薦してくださった先生に申し訳がたたないと 見に行けなかった。 行かなかった。

近所の教育委員をしている方が 「見ましたよ あなたの絵。」 「お上手でした…」 などと言ってくださって、母も、祖父も祖母も、 伯父や伯母も、 みんなうれしそうだった。 誇らしかった。 そのことだけが救い…
遠いとおい思い出、 セピア色の短冊に学校名と学年が記され
作品は縦長、 不自然に切れたあたりに でっかいサインが入っている。