ドアの向こう

日々のメモ書き 

いっせい

2008-11-30 | こころ模様

            

   昨夜読んだ本のなかで  気になる詞 
         「道行」 を舞い 「一声」が謡われる…

   いっせい   一声

(1)ひとこえ。
(2)一度だけ音を出すこと。
  「汽笛―」
(3)能の謡の構成部分の一。シテもしくはワキが登場するとき、あるいは舞の直後に謡う七五調の謡。その場所の景色や自己の心情などを表現する。
(4)能の囃子の曲種の一。演者が舞台に登場する際に奏されるややリズミカルな囃子。 笛・小鼓・大鼓で奏す。
(5)能の様式を模した狂言で奏される登場楽。
 
  能についてのエッセイだから ここは(3)にあたる。 
  橋掛のむこうから見知らぬ世界が現れる。
   ・ 「文学の工芸化」… 舟橋蒔絵硯箱  先月観てきたばかり。
       なにもかも繋がっていて面白い。 
  
             ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★☆ ★
 
  ちいさなポインセチアを飾ると、 やはり クリスマス。
  陽射しおだやか、 アリッサムを植えて  嘘のように元気! 
        これ以上の幸せはない。 

 
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グレーの憂鬱

2008-11-27 | アートな時間

  休息

  小雨模様、  後ろ姿が気になって上野に出た。 「背を向けた若い女性のいる室内」 モデルをよく知っている… 

  絵の正面に向かい、 というより 背後から鑑賞することになるけれど。 この人物になりきった。 目にしたその日からこのうなじは私自身。 赤い猫毛の髪をアップにすれば、 そっくりなのだった。 彼女に呼吸を合わせ、 ついでに思考も重ねて。 意識が及ばない分、 後ろ姿こそ雄弁だ、 真実をみせるとおもう。

  無理な姿勢、 後れ毛、 袖の皺、 背もたれの波形、 皿のウエーブ。 静まる室内、 音がしない。 沈鬱な空気を、 やわらかな筆致で。 抑えた色。 セピアいろ、銀色。 落ちついた赤。
  ほか 人気ない風景。  フェルメールのようなひかり、グレーの詩情、 メランコリー。 部屋に落ちる陽光、 窓枠の翳、 浮遊する光りなど ワイエスにも。
 描いたのは ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864~1916)。デンマーク。

   筆致や色あい グウェン・ジョンに 似てる。 ロダンのモデル。 女流画家。 ホイッスラーに師事。           

 

                        

  

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冬が来る

2008-11-26 | 別所沼だより
 
 
時雨のあと  いそいで化粧したのです
沼の宴に ようやく間に合いました
 
 
 金色と緑青の雫をためて
針葉樹は
    緊張した匂いを 辺りに振りまきました
 
 
 
寒い 鋭い 透明な冬に向かう
  誇らしげな  いでたちと薫りです  

 
 
      
 
 
 メタセコイアの細い葉が  
                今は つつましやかに降っています。

         

 

公園に 分厚い絨毯ができあがるころ
                       冬の装いに替わります。

 

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壁画

2008-11-21 | こころ模様
 夕方図書館の本を返す。 西陽はケヤキの黄葉をあかあかと照らしている。見慣れたものが、それまでとはすっかり変わった見えかたで迫力がある。 枯れ色がライトを浴びて、立体感を増していた。

  壁に映る翳までが 秋の終わりを告げている。
  偶然の演出にハッとするよろこび、 久々にうれしくなった。
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いづこへ

2008-11-14 | こころ模様

  
  帰り 鉄道博物館に寄る。
  D51… 車輪の直径170センチ、 身長に近い。 
  巨大で真っ黒な鉄の塊に元気をもらう。 汽笛が鳴ると、 胸の中を夜汽車が過ぎる。 ほの暗い灯りのなか、 ボーオォ オー 音色が泣いている。

   しんみりとなった。 
  

  夜汽車の中で、電燈は暗く、沈鬱した空気の中で、人々は深い眠りに落ちてゐる。一人起きて窓をひらけば、夜風はつめたく肌にふれ、闇夜の暗黒な野原を飛ぶ、しきりに飛ぶ火虫をみる。 ああこの真つ暗な恐ろしい景色を貫通する! 深夜の轟々といふ響の中で、いづこへ、いづこへ、私の汽車は行かうとするのか。
                 (夜汽車の窓で  萩原朔太郎)


  横顔をぬすみ撮り。  愉しげで ホッとする。
    

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時雨

2008-11-11 | 別所沼だより

 

                  しぐれ
         
しぐれ
        もし
        あの里を
                とほるなら 
        つげておくれ 
                あのひとに  
                わたしは 今夜もねむらないでゐた――
        と
        あのひとに
        つげておくれ
 
                     しぐれに寄する抒情   佐藤春夫

   肌寒い日が続いています。   

 

          公園から遊歩道に出て 元気な ヒメツルソバ に逢いました

             

                      小さな呟きに   耳を貸しましょ 

   ※ これから お休みの間 書きためていたものを再掲します。 2009.1.8

 

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石蕗の花

2008-11-05 | 自然や花など

                            

    いろなき風が 黄色を揺らす

       
       咲くべくもおもはであるを石蕗の花    蕪村

       今日となり明日となりゆく石蕗の花    たかし

       つはぶきはだんまりの花嫌ひな花    鷹女

       静かなる月日の庭や石蕗の花      虚子

 

  去年は これほどきれいには咲かなかった。 
  ことしは ひときわ鮮やかで眼に沁みる。 花に気を取られ
  これを食べるなんて思いつかなかったが。

    ある時、 蕗を煮るように石蕗を炊いたのをご馳走になった。 
    とても美味しい。 水っぽさがない。


      

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