外にでると、 町はよい匂いで満ちていた。
金木犀の香りだ。
生垣すべてが金木犀
我が家にも2本、 市の花として贈られたのだ。
とうとう秋が来たんだね。
家のまえで胡麻を育てている方があって、 鉢が二つ、 胡麻は二本。
、
そこを通るたび、ひそかに観察してきた。 夏のさかり白っぽい紫の花が咲き、緑の筒形の実ができ莢がふくらみ、 今は枯れ色が弾けはじめている。
なかを覗くと粒々が見える。 刈り取って 筵のうえに干して
殻を叩いた… ふるさとの農作業が思い出された。
「胡麻刈る」 「胡麻干す」 「胡麻叩く」 どれも秋の季語。 新胡麻が出たらさっそく買いもとめ、「ごま塩」をつくる。 胡麻を炒るときは塩のほか大さじ2杯くらいの水を入れ、全体を湿らせてから炒ると良い。 塩でコーティングされた胡麻は、湿気を呼ばずいつまでも薫り高い。
胡麻の花は 狐の手袋に似てるよ。
ダリアをみるとかならず近づく。
あまり楽しくはなかった遠い日の記憶。
水引草二筋三筋風のまゝ 安藤寿胡
「ジヴェルニーの食卓 原田マハ」 を読んだばかりで気取ってしまった。
影が長くなったな…