石山寺
本堂・多宝塔・東大門・鐘楼 由来は幾重にもなった天然記念物の硅灰石による。下の写真
白い石の 長い道と 楓のみどり。 お待たせしました。
7月19日(木) 蒸し暑い日だった。 風がまったくない。 苔のみどりも雫にぬれて、 涼しげだが汗がどっと流れる。 「さすがに、暑いですね…」 どの顔もそう言っている。 盆地の夏を体感した。
噴きでるものをぬぐいながら、 シャッターチャンスをねらう。
石山寺は 多くの文学作品に登場する。
蜻蛉日記に 「…たヾこのころは異事コトゴトなく、 明くれば言ひ 暮るれば嘆きて、さらばいと暑きほどなりとも、 げにさ言ひてのみやはと思ひたちて、 石山に十日ばかりと思ひ立つ。 …」
心の晴れないときは寺に籠もる。 瀬田川の風情が心を慰め、 鎮めたに違いない。 思索にふけり 構想を練ることもある。
源氏の間 紫式部は一週間ほど滞在、 この部屋から月明かりの河原を眺めたりして、 白砂青松の須磨 ・ 明石に思いを馳せたとか。
帰りにただひとつ お願いをしてきました。 どうか かないますように
「石山の秋月」 芭蕉庵の 瀬田川を見下ろす月見亭
「瀬田の唐橋」 も ここからは、 現代の橋が邪魔してよくわからなかった。
石山の石にたばしる霰かな 芭蕉
石の上に霰が降りそそぐ 小さな粒があたりに飛び散って。 薄墨の石と霰の白さ、 冷たさ、 硬さ。
信楽
信楽とは 紫香楽シガラキの宮から。 ときどき 紫香楽…何某の看板が見える。 ゆるやかな傾斜を利用した登り窯が堂々としている。 信楽焼は狸だけではない。 陶板や花器、カップ、茶器、 浄水器など。 蛙の置物もある。
近江八幡市 資料館 旧西川家住宅 旧 伴家住宅
郷土資料や民俗資料が見られた。 近江八幡開町の歴史 商人の暮らしぶりなど。 なかに
着物も展示されている。 黄鐘オウジキ (志村ふくみ)
淡い色のグラデーションが繊細、 薄いブルー、けしむらさき、寂しげな青がくりかえされ 仄かに揺らぐ、 鐘の音を聴くように、 余韻は静かにつづく。 色と織りの音色。 何気なく入れた経糸タテイトに 思いがけない効果が生まれる、 と。
絵を描くように。 ドキドキしながら。 絵の具のような糸、 その色が響きあう。
微妙な色の違いを 作家は
音で言えば半音のピンク、 淡い影を帯びている。 甘い色ではない…
また
一綛ヒトカセの絹糸を掌にすればあたたかく 、そっとにぎりめると、 内からの力がかえってきます。 糸は生きていて、私に答えてくれます。いとしいとおもいます。 抱きしめたいほどいとしい… と。
写真を撮ったが、 ショーケースの硝子が反射してうまくいかなかった。 筬オサをうつ手元が浮かびました。
湖の水が町の中を潤し、ひっそりと、その文化を守っていた頃の近江八幡で、私ははじめて織の道に入りました。今 この町は 生まれ変わったように生き生きと新しい文化を育みつつあります。それが表面だけのものでなく、湖水の浸透が緑の盆地を豊かにつちかってきたように、自然に、深く近江の地に根ざすものとなりますように、願っております 「近江を想う」 志村ふくみ
日牟礼八幡宮 近江商人の守護神
多賀大社
もう、 ヒグラシが啼いている。 ひっそりとした森に精一杯、 それすら寂しく響いてきた。
琵琶湖周遊もこれにて終わり。
お伊勢参らば お多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる
お伊勢七たび 熊野へ三度 お多賀へは月詣り
「伊邪那岐大神は淡海の多賀に坐す」(古事記) と。
多宝塔は切手にもなった。 名物 糸切り餅 みすじの色糸。
米原より新幹線にて。