
春の風は窓のところに
かへつて来て
贈り物のことを ささやいている
おしゃべりな言葉で
立原道造 窓辺に凭りて (昭和13より)
昭和13年(1938)の詩です。
この前年1937年、 23歳の立原は 4月 石本建築事務所に勤めます。
二か月ぶりのガイドです。 2014さいたまシティマラソンがあり、 沼を走る人は少ない。 皆さんそちらに行かれたのでしょう。 かいぼり作業の重機がところどころ置かれて噴水は陸に上がっている。 水位は幾分下がり、杭が現れ循環しない沼水はカワセミに出会ったところも汚していた。
カメラは修理中で携帯機能で撮った。 ぼやけた画像ですみません。
窓辺の寄せ植え ヒアシンスやムスカリが 河津桜に呼応する。うららかな一日で、 ヒアシンスハウスは熱心なお客さんがつづいた。
・ 石本建築事務所に勤めている男性はK市からランニングで。 23歳の立原が事務所内で写っているが、棚の彫刻は今も大切に飾られているそうだ。 首の長いトルソーに注目。
詩人の構想では対岸に建つはずでした。 それで小さな窓から沼を見るという夢です。 これは詩人の発想か? それとも建築家の魂ですかと尋ねる。
建築家のランナーは 「それは建築家…」 「僕もそうします」 即答だった。
限られた空間から広いところへ、 開放感にドキドキする。 窓枠は額縁、 絵のようなドラマに感動する。 切り取りの妙ですね。 写真もおなじ
・女性ふたり。 おひとりは20年くらいまえ記念館で求めたという詩集と新聞の切り抜きなど持っていらした。 熱心なファンでずっと温めてきた思いがある。 長時間話は尽きずとても感激された。 詩よりも詩的な手紙の話などし、全集を薦めた。 旗のデザインは画家の深澤紅子にお願いして。でも間に合いませんでした。
深澤さんの 「野の花美術館なら行ったことがある」 と、パッチワークがつながって喜ばれた。
現在、立原道造の遺品など信州上田の「無言館」に展示されて と伝えた。
見学13名 ありがとうございました。

最近の訪問ノートを見れば、 関東はもちろんのこと 富山・京都・高松・愛知・北海道の署名もみえてうれしくなった。 どなたも熱い想いを抱えてお出かけくださったのです。 ガイドもがんばろう。