ドアの向こう

日々のメモ書き 

詩を語る

2007-05-31 | こころ模様

     そうです 奥さん
      詩というは……
 
     高圧線の内部ナカに散る
     百万ボルトの火花です
     秘めた思いのむせび泣き
     涙の塩のにがりです
     音オンと意味とを綯ナい合わせ
     <耳で語って 口で聞く>  
     天使と悪魔の合言葉
     うそとも見える本当ホントです
     心の隅に巣を構クって
     生命イノチを餌に育つ奴
     知らずにいると芯までも
     あなたの心を食いあらす
     白蟻ですの 詩というは
 
     そうです 奥さん
     詩というは……
    
          「詩を語る」 堀口大學   <>の中はヴァレリーの言葉

              -☆-

    夕がた 雲は奔った   マントを翻し
     やがて始まる壮大なアリアのため
         やや早く    よりはやく…
   
     舞台の袖に立つ大物歌手のため  
       その歌声  神のごとく   遠くに聞こゆ

              -☆-

 奥さん! つい振り向いてしまった。 詩人に弱い! 
   白蟻? 蛙はそれが好きなんです。 きょうも一匹平らげた。
   
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大内田茂士

2007-05-30 | アートな時間

  boa!さんのところに 示現会 『大内田茂士の ブラックが効いた “ 写実に抽象をのみこんだ ” 絵 』 として、 湘南風景が紹介されていた。

  大内田茂士 オオウチダシゲシ     

憧れが戻ってきた。 あの日の 感動もよみがえる。 

  第16回日展 (1984)  秋の卓上    
      内閣総理大臣賞受賞

 

  そのころ日展は、欠かさず見ていた。 23年まえ、 はじめてこの画家を知った。 この絵に会った。 

 具象と抽象の狭間  何より好みの色彩に心が躍った。 それから注目し 気に入ったときは絵はがきを求めた。

    今見ても いいなあ…  惹かれる     新鮮!   

      豊かな   色が踊っている         ため息ばかり

 
      いくら見ていても  飽きない  いろんな物  色んないろ   構成の妙

 

     どれも好き  

             

    1986  仮面と卓上                  1990   画室の一隅

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刻をとめて

2007-05-25 | こころ模様

杜若の精
 それ政治(マツリ)ごと穏やかにして  四海の波も治まれり  永久(トワ)の栄えを寿(コトオ)ぎて 四方(ヨモ)に光の輝(カガヤ)かん こヽ氷川の杜の薪能   幽玄の花 命の舞 今宵一夜は刻をとめ 世界の平和祈りける めでたかりける 時代(トキ)とかや …  
          「奉行宣儀宣誓文」

  薪能の初日、 朝から雨であった。
  雨音を聴きながら、 よどんだ空を見上げれば、 気持ちもきっぱりとホールでの鑑賞に切り替わるはずだったが …
  やはり 薪能に未練がのこる。  自然の光で観たいもの。  

   今春流  素謡  「翁」
          能    「杜若」
   大蔵流  狂言  「抜殻」 
   観世流  能    「通小町 雨夜之伝」


  以下  -初心者蛙の覚え書き 杜若-

  揚幕のあちらとこちらの世界、 シテが橋懸りを「すり足」 で進み来ることは… それまでの長い道のり、 旅をしてきたことを語る。 たどり着いたところが、 どんな場所で、 何故ここにやって来たかが謡われ、舞台に現出する。 
  観客もこころに思い描く。 能は、想像のせかいだ。

  想像をかきたて、 他の演劇に比べれば少ない情報のなかで 物語りを愉しむ。 大がかりな装置もなし、 動きも少ない。 簡潔な舞台や台詞(謡)が、 かえって中味を濃く深くするようだ。  

  あるのは 太鼓、大鼓、小鼓、笛による囃子。  地謡が盛り上げてゆく。  シテは空間をさまよい、 漠然とした、 その辺りを観客に届ける。 はじめは朧気だが徐々にはっきりとしてくる何枚かの絵。  うしろに大きな松が一本。
 不思議である。 すべてが微妙で、 奥深い、 風雅な情趣とは、 幽玄の美とは こうしたことだったのか…  この幽かで仄か、 閑かなものを愛でてきた日本人。
 かのポール・クローデルも能から多くのものを学んだと言っている。 
 
『能』は、「劇では何かが起こり、能では誰かがやって来る」 ポール・クローデル

 一般の演劇では 何かが… 事件や出来事が起こり、 能では 誰か シテがやって来て…  やがて 本性を明かす。 

              -☆-

  その鑑賞は、 背景を知ること。  ほかの物語りや和歌に、 古典芸能や歴史に求め、 眼も心も耳もすべての感覚で受け止める。 観る者しだいだ、 素養がなければ味わいも少なく、 きわめて薄い。 と、反省ばかり。

  「能面のような人」 と俗に言われるが、 むしろ受け手のセンス、 じぶんの感覚の方が無表情なのであって、 能面は、 生き、 嘆き、 哀しみ、おおらかに、 豊かに揺らいで魅せる、 この女面も。 

               -☆-

  唐衣(下左写真参照)に目を奪われた。  長絹チョウケン…紫地(減紫 ケシムラサキ)か 浅紫 アサムラサキ)に摺箔 (スリハク)。 織りの華やかさ。 仄かなあかりに光る金糸(下につけた朱色の縫箔ヌイハク)。 箔は鈍く浮かび、 寂寥感も増幅する。

 まとめてみると、まず ①摺箔 ②縫箔をつけ ③唐織を着付け(上の写真 絢爛豪華な衣裳に女鬘。 面。 すなわち里の女、 登場)

 ④物着モノギ(舞台上の演出で 後シテ用の紫色の長絹を上からかけて内側の唐織(③)を抜き取り初冠ウイカンムリをつける。  美しい冠と装束をつけている(下左写真)。在原業平の冠であり、業平と秘めた恋のあった二条の后・高子タカイコの唐衣である。 装束をつけ変身してゆく。
 写真に見える模様は「業平菱」。 

  観能者もその場所にいて、 杜若を眺め、 葉が顔を撫で、 風に吹かれる臨場感。 
 序ノ舞は長いもので47分かけたのもあったそうだが、今宵もかなり長く感じた。 シテ、囃子、地謡の、緊張に満ちた掛け合いになる。 演者の気持ち、観る人の気持ちが重なる。 この日だけの、 独特のせかいが出来あがる。

 シテの心ひとつで決まる面と衣裳。 どのような人物を描くか、 当日選ばれた面(オモテ)や 衣裳、 舞いにかける時間も変化する。 面をつけた途端にその役柄になりきると言う。 男性が演じながら、 花の精になり、 業平や二条の后高子(ニジョウノキサキタカイコ)でもある。 そう見える。

  謡は洋楽のように、 リズムや長さなど厳密に決まっていないらしいこと。拍子合い、 拍子合わず、 平乗り、中乗り、 大乗り。 扇の持ち方。 「松」を飾る意味、 神聖な場所。  静から動へ、 動から静へ 謐かにゆるやかに流れる動作、 演者の呼吸が決め手。 今日の「杜若」は、 二つと無い。

 

  杜若     狂言/抜殻   通小町/雨夜之伝

 能楽のきまりごと。  シテのクセ舞い、 能では片仮名でクセと書く。 能の見せどころで舞われる。  
  狂言 抜殻ヌケガラで一息ついた。  面白くて哀しい。  皆笑った。  結末はさまざまあるそうだ。 身投げしたが、その拍子に面が脱げる。 前場と後場、二つの能のつなぎ役。 
  (下写真 「通小町 雨夜之伝」 深草少将と小野小町の亡霊)

 ご案内にもあったが、 能は 脳を活性化するもののようだった。  
  刻 (トキ)よ 止まれ!  待て暫し 幽玄のせかいへ  
     パンフレットの写真 : 解説を参考に一部引用しました。
 大急ぎでUP。  校正なし、 あとで直すと無責任なこと。 どこか間違いありませんか…

 

 

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ご本宅

2007-05-24 | 犬のブロンコ・ダン

 たとえば 家族と、偶然道で行き逢ったとしましょうか。 でも知らんぷりして、大まじめに急ぎます。 チラとは見ますが 修験者の顔つきでやり過ごす。 家族はあわてて 「おや? どちらへ?」と声を掛けますが。 呼ばれたって返事もしない。 毎度のことゆえ 雑念を払いまして 
 『これから大事なお勤めがありますので…』 上目遣いにそう申し、ちょっと冷たくあしらいます。

 自宅から会社まで、かれこれ30分、2・3の寄り道をしながら向かいます。
 初めのお宅は、いつでも牛乳を用意して待っている。 そこで喉を潤して。 いえ、牛乳は此処と決めたわけではないのですが、 いつの間にかこのように…

 次なる家で お肉などいただいて…  夕べのごちそうをわざわざ私奴のために取っておく …ワオォ~ン ありがたくて泣けてきます。
 終いの家でチョコレートを少し… 身体に良くないと分かっていても いつも待っていて下さるので…  出勤前に必ず立ち寄りました。

 三軒の方々は 私を通じてお顔見知り。よくわたしの噂をしてるようで…
 そうこうしながら、ようやく勤務先のゴルフ場に着くのです。あそこの事務所は冷暖房で機嫌良く一日過ごし、管理人さんとも大の仲良し。 たまに留守居くらいはしていたのかも…

 やがて… 夕焼け空にあはれをもよおし、とぼとぼ本宅へ帰ります。嫌だからじゃ有りません。これでも、気持ちのやりくり… 分かって下さいよぉ

 夜休むのは本宅と決めています。 家族に充分愛されていて、もちろん食事もここが一番! かならず此処で済ませます。 何でしょうね、主人への義理、一家への忠信もありますし… 

 でも、朝になるとまたゴルフ場へ、足がしぜんと進むのです。どうしてか、自分でも分かりかねます。
 ゴルフ場からは 「今日は来ないけれど どうかしましたか?」 「具合が悪そうだから お医者様に見せたほうがいい…」 「お腹を壊してるようだ… 今夜の食事は注意して」 「風邪ひいたらしい… 」などと、まめな電話連絡がきまって本宅に届きます。 医院に連れて行くのも、看病するのも本宅の努め。

 お勤めは物心着いてからずっと、十何年? ほとんど皆勤賞でした。 亡くなったとき、ゴルフ場から花束を持ってお悔やみにこられ、日々ご挨拶を重ねたみなさまもお参り下さいました。 涙、なみだで…

 さて、 わたしは誰かって?  親戚で飼っていた雑種犬ですよ、多くの方に愛されて幸せでございましたな~  写真とは何の関係もありません。 拾われて主人のところに来ました。 
(従姉妹から聞いたサラリーマン犬、この話は真実です)
 
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パリへ

2007-05-24 | アートな時間

     

  チラシ裏面はこちらに

  藝大美術館 パリへ 洋画家たち百年の夢    同時開催の 新入生歓迎-春の名品選-  を観てきた。 油の匂いがやっぱりすきだ。 絵を描く楽しみを教わった、 お馴染みの絵をじっくり。  忘れないうちに、 こっそりUPしておこう。 

  春の名品選 作品リスト それぞれ画像があります。

  メモ  山本芳翠  浦島図   何度も戻って細部を鑑賞  質感 遠近 水晶玉  霞む竜宮
       藤島武二  アルチショ(アーティ・チョーク) 紫の花、 本の黄表紙
       浅井 忠   牽牛花蒔絵手筥   牽牛花…朝顔の別称
       藤田嗣治   メキシコに於けるマドレーヌ    新画風 手製の額 
                       ( 作品全体に漂う キスリングとの交遊)
       小出楢重  立てる裸婦
  
  Ⅳ 戦後の留学生と現在パリで活躍する人びと    
       大島和代  平和への願い- 138のくるみの赤ちゃん 
         全部表情が違う138の顔   愛らしい、 このエネルギーはどこから?
       佐藤利成  LA SERIE“UNVOLUME EXPLOSION OF VIOLET”
                圧倒された  しかし面白い  白菜!

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風の景色

2007-05-21 | 自然や花など


   風が運ぶ  散らし文 

    みずみずしい若葉のそよぎだ

       呼び起こされる風景がある…

   
   葉擦れの さざ波のような音楽と

      湿った土の匂い   閂の緑青 

       黴びた木戸の ほろほろ崩れ

             釘のてっぺん 赤く燃ゆる

 

             -☆-


    清爽にひたるあなたの翳  人目につかない…

                      閑かに――   遠く‥    幽かに――   

    木戸が カタカタと鳴った    

                仙女が来たの?  

   (大宮盆栽町で) 
   

         

  

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名画と百合の花

2007-05-18 | アートな時間


  鮮やかな色彩、質感、構図、遠近、 絵は右斜めから見る… 収穫の多い展覧でした。
 レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯追い求めた思索の出発点となる 「受胎告知 」です。 20歳頃の作品。ガブリエルの翼は本物の鳥のよう。 百合の花、 足下の植物、 心の動き。 髪の毛1本1本、 何処をとっても細密です。
    写真:チラシから  裏面はこちら。 さらに拡大できます。
 映像や模型によって 「万能の人」の実像に迫る試み… 芸術を科学的に、哲学としても見せてくれました。

 
  血管や河の流れ、樹木の枝わかれ など 共通した一定の決まりがあることを知ってこそ、 木を描き森が描ける、 人間の感情は表情となり動作となる… 名画はさまざまを教えてくれました。 
  「少年キリスト像」 テラコッタ。 伝レオナルド・ダ・ヴィンチ。 今まさに 言葉を発したばかりのように薄く開かれた唇…   かすかに動く… 鼓動までも聞こえるようだ。     

  「かたち」のとらえ方。 かたちは無限に変化し(見る角度)、その変化には共通の法則がある。 (こういう話しが 実は大好き。 何でも証明できるなんてすばらしい!)

  
   運動の法則の研究。 落下の速度、 衝撃の強さ、 音の増減すら運動と捉える。 驚いたのは人間の「感情」も 精神の「動き」として分析した。 (身近で興味も湧く とても面白い!) 
  遠近法など、何気なく描いてきたが試したいことがやまほどできた。実り多い日。 来月のスケッチが楽しみになった。 展示品一覧

              
                                         -☆-

  
     お待ちかね!  あの ユリノキ                            

  開きかけの新しい花をたくさんつけていました。 
      


 
  葉の中で埋もれています。
    
                

右  法隆寺宝物館まえより東博方向を写す。 水があると引き寄せられる習性なり
青いドーム屋根は 表慶館です
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耳とき人

2007-05-15 | 自然や花など
 

   Coral bells といいます  可愛いでしょう  それに色鮮やか、 緑をバックに際だっています。  日照りにもめげず、 他の花たちが暑さにやられても、 これから元気に過ごします。 乾燥につよく 花瓶に挿しても長持ち。  強い生命力に惹かれます。 
 
  花は鉄線のような細い茎に 鈴をつけたように下がっています。 
    壺珊瑚が鳴らす かすかな音…  耳を澄ませば 聞こえるかしら

大蔵卿ばかり耳とき人はなし。 まことに蚊のまつげの落つるをも聞きつけたまひつべうこそありしか …         (枕草子)
  
   これほどでなくとも   こころを清ませば…  ね?
   季節はめぐり 去年も おなじものを書いていた。  こちらです  ごめんなさい!
  

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花の教え

2007-05-15 | 自然や花など

   心をとめて窺へば花自から教あり。
   朝露の野薔薇のいへる、
   「艶なりや、われらの姿
   棘に生ふる色香とも知れ。」 …略
               クリスティナ・ロセッティ
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hanaだより

2007-05-13 | 自然や花など

  

    スベニア・デ・アンネフランク     デンドロビウム スペシオキンギアナム    

    
                     

   マロウ   

  藤沢のヒメツルソバ  元気ね! 左は プリンセスモナコ  
  冬の間中 葉を繁らせていたマロウもやっと咲き始めました  ブルームーンさんのおかげです  
  ありがとう  葉も食べてみましたよ   最後は ウェスターランドです  

       薔薇崩る激しきことの起こる如   多佳子
 
  どきっとしますね   花の終わりは  いつも無惨です
       
       薔薇つけし葉のきはやかに甕の水   蛇笏
       夕風や白薔薇の花皆動く         子規

     ★ アンネの薔薇について

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チョコレート コスモス

2007-05-10 | こころ模様

           この色が好きだった 
          母娘で こういうところは一致していた

         こっくり 深い 
           身震いするほど すきな色
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お守り

2007-05-10 | こころ模様

      のぞき込んだら   母はおそるおそる手を伸ばして  
        そっと さするように  ひだり頬に触れてきた  
 
        「なあに…」    『… き れ……』 
         小さな声が途切れて
            こころに刻むように しばらく見詰めあった
          
        いつかしら  わたしの子どもになった母   

       『あのね…  あの ね … 』  振りしぼるようなことば
             ごめんね…   聞き取れない  

                -☆-            

      ずっと ライバル  
       …何もかも かなわない  真似できなかった
         朗らかで  誰でも優しく受け入れる
       あなたの周りにはいつも 華があった

         甘えた風で  ほんとうは勁い 
        こころはいつも  普段着のまま  
           おおらかで 素敵だった
         正直で 飾り気なく  繕うことを恥じていたね

                -☆-

         あれから … 
       
       大事そうに細かく畳んである 切り抜きを
         ポシェットの底に  見つけたんだ  
       
 
       粉が飛ぶくらいすりきれて  褪せていたけれど 
         昇進を告げるセピア色の 小さな新聞記事を 
           まるで  お守りのように忍ばせていた

       あなたのよりどころ… 
        たった三行か四行の ちっぽけな文学を
          何回も  何度も なぞっていたのね 
            なかなか 会えなかったもの        

        その宝物を   弟に持たせましたから     

                -☆- 

       透きとおるほど  きれいな顔で 
         さいごに見たものは 何だったの
           伝えたかったのは    なに?
 
 
       一所懸命生きていたことを
              ずっと覚えています
        ふたり分の愛で  育ててくれて 
            ほんとうに…   ありがとう          
 
       あなたは胸のなかで 見えないお守りのように
         心づよく  いつでも話しかけてくるのです 
       
         みんな 元気でいますからね                        
             明日は ちょっと早い母の日です 


 

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姉と弟

2007-05-04 | アートな時間

 

  二人のクローデル展は  川口市立アートギャラリー・アトリア および 国登録有形文化財 ・ 旧田中家住宅 の二カ所で開催中。 会場はシャトルバスで繋がれている。  連日夏日、 蛙の頭も乾いてしまいました。 メモは上手くまとまるでしょうか。
  連休は皆さん郊外へお出かけ?  混雑もなくゆっくり鑑賞できた。  家族連れの熱心な方が多い。

  カミーユの彫刻には、ものがたりがある。 時とともに 歓びや苦しみ、 別れや悲しみを映している。 とくに、 波や岩、 暖炉、 長椅子などの演出によるもの。  大きな波は 見る人にも降りかかった。

  語りかける作品、 質感、 動き、 ポーズ、 表情、 モデルの内なる精神、 人格。  彫ったときの作家の心の動き、 深さを想像する。 小さな作品にも緊張感、 迫力がある。

             -☆-

    以下 図録より 
  弟 ポールは述べている。
  『カミーユが、その不幸な生涯のすべてをかけて残した彫刻作品の、まったく独自な意味、それは作品のすべてが彼女の生の歴史にほかならないということだ。

  カミーユの作品がもう一人の作家某氏(つまりロダン)の作とよく並べて論じられるのに反駁して
  彼女の作でこそ 『もっとも力強いそしてもっとも純真な想像力、 つまり想像の才そのものである想像力が思う存分にみごとに発揮されている』 と。 (ポール・クローデル「わが姉カミーユ」から 芳賀 徹)

  写真: 旧田中邸  三階から庭を眺めて

  和室で彫刻を見る。 開け放した廊下から風が吹きぬけた。
  ブロンズの前に 座布団と抹茶の用意がされている。
  さわやかな五月に、 存命ならば 自分たちの展覧会があると知って、 はるばる来られるに違いない姉弟のため、ご用意しました。 と、 案内のかたは仰った。     影響を与えあった二人の藝術家と、 旧田中家住宅、 心ゆくまで楽しみました。  取り組まれた皆さんの気持ちも感じました。 スタッフの熱い視線、 痛いほどです。 お礼を申しあげます。

  ほかに カミーユからいとこ宛ての直筆手紙。 デッサン。 ユーモアと即興の「走鼠図」 竜安寺や西芳寺をめぐった後に、 竹内栖鳳らと西陣の料亭にてスッポンの昼食、 老舗大市の一室の天井を鼠が走ったか…  後ろ向きの猫はポール画(図録より) 

       旧田中家住宅 

  追記  
  5月6日 教育TV 新日曜美術館アートシーンで 「二人のクローデル」展
 「澁澤龍彦   -幻想美術館- 」 が紹介されました。  過去記事はこちら

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含笑花

2007-05-03 | 自然や花など


  去年はかなわなかった盆栽まつり行き  今年は珍しい花を見た。

  招霊 オガタマという。 オキタマが転化したことが種名の由来。
 この木の枝を神前に供え神霊をおき奉るからと言われる。 クリーム色のバナナを思わせるような甘い香りと、 花弁の縁も印象的。 なかに紅紫の彩りがある。
  朴や、泰山木の花にも 少し似ている。 

  なるほど 木蓮科だ。 風が吹くたび芳ばしい香りが漂う。
  原産地、中国では 含笑花 ですって。  どことなくうれしい。 こちらも笑顔で 初めて会った。   穏やかな時間もうれしい…   小賀玉の木ともいう。

  春の季語で 「黄心樹」 をオガタマと読ませるが 『牧野日本植物図鑑』よりこの字をあてるのは誤用とあった。    
     
     鮮明な写真は 季節の花300さんで

             

  2005年は こちら から   
  シラー ペルビアナを見ていたのね。 すっかり忘れている。
   明日は クローデル展へ

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美的空間

2007-05-01 | アートな時間

 
  休日のビルは神秘的、 幻想の世界だ。 キリコの絵のように静止している。 
  天蓋の影も美しい。   ここは さいたま新都心郵政庁舎あたり。

 

 

         

 廻廊には オブジェがある    近づいてみよう   さらに      さらに
   「たねにすむ」


      

      こんなのもある!

  どれも子ども達がつくったと思うけれど…  小さな作品を一つ一つ繋げて 大きなモニュメントになった。 
    「ほしにすむ」 

 


  柱にも  ほら! 
  たいせつな作品はいつまでも残る  この子らの 誇らしげな顔さえも浮かんでくる

  

 


  発想も自由  夢がある  無心の形  いいねえ。   造った頃は 幼稚園?   してみれば
  もう  中学生か…   みんな芸術家! 天才! 今はどんな絵を描いたりしてるだろう   芸術の芽はこのあとも 上手く育っただろうか

  5月1日 語彙の日  扇の日  スズランの日

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