ドアの向こう

日々のメモ書き 

秋雨

2009-09-30 | 自然や花など
秋明菊
 

  やはらかに夏のおもひも老いゆきぬ中年の日の君がまなざし  白秋


 暑かった夏が なつかしい。 
  傘を傾けて、あるかなしかの雨脚をたしかめた。

  夜目遠目 笠の内… 
   腫れぼったい目を隠して歩く。  少しは美人に 期待しよう。  

 花水木も 幾枚かは葉が紅い ツヤツヤした実がふたつずつ。
  満天星の紅葉も 始まっている。

 

 

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小磯記念美術館

2009-09-28 | アートな時間
小磯記念美術館エントランス

  神戸最終日 9月26日 小磯記念美術館
              六甲ライナー 「アイランド北口」下車

 特別展 亀高文子とその周辺
 明治末、日本洋画界の草創期から、大正、昭和にかけて活躍した亀高文子(1886~1977)。 父、渡辺豊洲は横浜の外国商館で外国人向けの絵画を描いていた。 美術家として果たせなかった夢を娘の文子に託す。 文子は創立間もない女子美に学び卒業。小杉未醒の紹介で中村不折にデッサンの指導を受ける。
 結婚後間もなく夫と死別、 苦難に遭いながら家族を支え官展への出品を続ける。与謝野晶子らが創立した朱葉会に属し、赤艸社女子絵画研究所創設。(パンフレットより抜粋)
  
  「楽譜」。 「ダリア」 「けしの花」などおしゃれで愉しげ、 あたたかな優しい色遣い。 雑誌 「少女画報」「新少女」「子供之友」の挿絵など 文章も惹かれる。 
  女性画家の先駆者を ここで初めて知った。
  
                    -☆-

 同時開催 「小磯良平作品選Ⅲ」 
 画伯お気に入りの 「二人の少女」など40点。  ・少女像(人物B) ・花(アネモネ) ・縦長キャンバスに描いた 「卓上静物」 (ロブスター 洋なし など) ・花のあるベランダ風景 ・かぼちゃのある静物(俯瞰する机、 グラス、ガラス器の卵、リュート、白布) ・「K婦人像」や今回の展示にはなかった 「斉唱」など  静かに平和について考えさせる。 

  楽しみは 中庭に移築、復元されたアトリエ。 葡萄棚と薬草が迎える。北窓の採光、 射し込む穏やかなひかり。
  作品にしばしば登場するフラスコ、グラス、 モダンでクラシックな舶来の家具。 鏡台(半円型の鏡)、 リュート。 パラソル、チェックの膝掛け、獣足のテーブルなど。 作品の手がかりとなるギリシャのレリーフ、 お馴染みの時計。 マネの絵。 画集など多数の蔵書が画家を支える。

  内部は撮影禁止。 パレットはその都度拭きとらず、 古い絵の具のうえに次々に新しい絵の具を出していたと説明を受ける。 画風から想像も出来ないことだった。 絵の具が荒々しく固まって、 さながら噴火口をみせて山々が列なる。
 壁、 窓枠、 ドアは白っぽいやわらかなグリーン。 作品の随所にも見られるこの色は作品を一層モダンに魅せる。 画集をみると、魚(さより)の皿に、 琺瑯水差の影やK婦人の椅子に載っている。
 グリーン・グレイはだいすきな色で、 我が日記の背景の色。 蛙もよく使うが濁りやすいのでむずかしい色である。 
 時間がなくてハイビジョンギャラリーを見逃したようだ。

少女像(人物B) ききょう

   記念に買った絵はがきは薬用植物画
     花以外にも実や根を描いて 植物の四季がわかる。 

 美術館の裏にまわると 薄と紅紫のマメ科の花が競い合い群れている。 葉も花も山萩より大きめで枝垂れない。 これが筑紫萩とわかったのは帰ってから。 風にそよいでうまく写らなかった。

        美術館横の筑紫萩  

  
  弦楽四重奏の生演奏があり、 館内にここちよく響いていた。 
   気品高い作品と 美しい調べ… 
     至福のときを過ごした。

 

 

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大海の蛙

2009-09-25 | 道すがら

   17:33  メリケンパークから  黄昏時の神戸港 
   造船所、ハーバーランドのモザイクガーデン
     観覧車に灯りがついた
 

  18:09  中突堤からみる 中央ターミナル 
 
               -☆- 

  19:00出航の ルミナス神戸2に乗船 
  20:10  明石海峡大橋西側で大きく旋回し
  21:20  帰港予定です

 エレガントなレストランのディナーと1000万ドルの夜景、 視界いっぱいに広がる大海原にこころから感動して。 須磨を思い、 淡路島の先端をぬけて橋のライトアップも楽しみだ。 

  月かげさやか  水面に光りの帯がつづいている   
   チカチカと 瞬く街の灯

  その女瞬マバタキの数いと多く秋の灯火トモシビ見るここちすれ   吉井勇

     

     19:53  ↑ 間もなく  明石海峡を渡ります

      デッキに立って 橋の真下で構えてみても
       あっという間に 写真はブレて 
      
       月明かりと静かな海は  何もかも忘れさせる
        潮風の匂いと 揺れる音楽  
       小さな蛙は  大きな海に呑みこまれそうだった 

       

    
      20:21  再び大阪湾へ 入る  
          ↑ ここでライトアップにご注目
   

     

   20:22 ↑ 食事をしながら振り向くと
           今度はサファイアのかがやきが 見送っている 
  

    

      20:28  ↑ 遠ざかるネックレスのような橋  

  メニュー

 和前菜  八寸盛合せ
 まぐろのキッシュロレーヌ トマトソース
 季節野菜のクリームスープ
 あいなめのポワレ レモンバターソース
 牛フィレ肉のミニステーキ
        マデラワインソース
 口直しのシャーベット
 仔羊のグリエ パセリ風味ソース
 和菓子 コーヒー パン ワイン     

  21:15

  帰港 21:20

  

   神戸港のシンボル 神戸ポートタワー 
     青い波は神戸海洋博物館   ホテルオークラ   

 

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モミジ

2009-09-22 | 自然や花など

      

  逆光のなか 赤いはなが輝いた 葉っぱが もみじのようなゼラニウム
  年中 紅葉している
  
    紅葉は 楓ばかりじゃないのね  
   調べると  黄葉も紅葉もモミジ          

   漆紅葉、 櫨ハゼ紅葉、 銀杏黄葉、 柿紅葉、
   満天星ドウダン紅葉、 白樺黄葉、 名木ナノキ紅葉、 雑木紅葉、
   苔紅葉、 草紅葉、 蔦紅葉。  

  名の木って   なんの木
 名のある香木、名木メイボク 俳諧で楓・柳などの名高い木の称 (広辞苑)

    草紅葉  

         -☆-

  何処へ行っても彼がいる。 
   せせり… せせること。 つつくこと。 もてあそぶこと。 いじること。 
   挵り箸セセリバシ では、 お行儀が悪い
    
                挵り箸をされた日にや、 第一魚が可哀相だ    婦系図   

  素早い動きが せせりなのか 

    イチモンジセセリ

    チャバネセセリ

   一文字セセリより小形  模様にも微妙な違いがある 

   


 

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画家のパレット

2009-09-22 | アートな時間

ピカソの画家とパレット  パレットをみると画家の姿がみえてくる、 置かれた色は 画家の心にひそむ色…


 
-ピカソ、マティスから地域ゆかりの作家まで-  
     
        うらわ美術館
 


 どのようにしてこの絵が描かれたのか、その素晴らしさの秘密や創造の源はどこにあるのか、等々。
 パレットを見れば、その上で絵の具を混ぜ合わせて使っていたのか、カンヴァスのうえで直接混ぜていたのかがわかる… (パンフレットより)


 ラウル・デュフィ
 作風とおなじように、 たのしげな色ばかり並んでいる、 音楽が聞こえそう。 パレットは新聞紙だろうか、印刷の文字がはっきり読める。 軽やかな色が踊るように載って。
  
  静謐な作品を生みだす冷たい色のパレット、 寂しげでひっそりとした画風にはおなじ色の山々が陥没したり屹立している。 画面の激しさに呼応するような情熱的なパレットなど。 絵とパレットのすてきな展観だった。

  パレットもまた作品だと思う。 個性味あふれる絵のような美しさで、 長いこと置かれ固まった絵の具の山が語り出す。 
  
 細密描写の野田弘志は大理石。 ほとんど綺麗に払拭され髑髏の絵が描いてある。
マティスは紙パレット。 わら半紙かと思うくらいの薄さ。 カドミウムレモン、ベニスの赤、シェナの焦げ色など 明るい魅力的な19色が、 几帳面に並んでいる。

  

 写真上  ピカソのパレット
  巨匠が席を外したその隙に のぞくような臨場感。 
   技を盗むきもち…  
  
  キャスターで移動できる大型家具調 絵の具箱。  筆や絵の具、細々した画材を収納する引き出し、オイル用のタンクもついて。 使いやすそうなキャビネットも古びた良い味で格闘の痕がみえわくわくする。 

  パレットは身近、 一時間かけて、たのしく観ることができた。  

 ダリ、 デュフィ、 マティス、 ピカソ、 梅原龍三郎、 奥瀬英三、 鴨居 玲、 熊谷守一、 川村親光、 斎藤三郎、 里見勝蔵、 高田 誠、 田中 実、 寺内萬治郎、 野田弘志、 林  武、 安井曾太郎、 渡辺武夫。

 

 パンフレットの 左列上から順に

 安井曾太郎「焼岳」、

  ラインをたどって右の列にパレット
 
  寺内萬次郎「髪」、

 高田 誠
 「焼岳と大正池」、 パレットに薔薇。 梅原龍三郎「裸婦虎」。
 鴨居 玲 「サイコロ」 特大パレットに自画像  80×50くらいある

  パレットの一部を ここから 拡大してご覧ください 

 

 

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風船葛と

2009-09-19 | 自然や花など

     

         覗き込んだら   目があっちゃった

 

     

        白い小さな花と 青いふうせん  

         折り紙で風船をつくって 種をつければおひな様
          ハートのお顔…     友だちが教えてくれた

                                    

 

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まだ風蝶草

2009-09-19 | こころ模様

  さがし求めた 酔蝶夢花 は 清川 妙著  「一人を生きる才能」  海流社 のなかにあった。 ノートにも記していた。 けなげで(目上のかたに失礼だろうか) 前向きな生き方に元気をいただく。 古典を学びながら 人生を教わっていると思う。

                 -☆-
  
  「この世にある間マ」 を 明るく充実して
    
  著者はそのころを 嵐の時代と呼ぶ。 

  夫の死、半年後の息子の死、 私の入院… 
  仕事があってよかった。 いままでとおなじように。 これからも仕事を続けていこう。 仕事は、こころの隙間につめこむ計画のうちの極上のものに、私には思える

  書くことは忙しく八八歳の今も現役。  ひたすら続けられるていねいな執筆と講義。 

  寂しさは それはそれとして… 隙間の部分に明るい計画をつめこんで
  
 いい文章を読んで 胸が熱くなった。  
 こころがほぐれ、ふわっとあたたかいものに包まれるような気が
する。 
 そのうえ いつでも優雅。
  
                -☆-

 思い出が身にしみる風蝶草。 
 丈を伸ばしてまだ咲いている。 花の塊はだんだん増えて ただいま五つ。 写真は夕方6時過ぎ。  薄闇のなかでつづく蝶の舞い
 ひそやかに明け方まで。  

           
 
   最初の花は八月中旬頃だった、 気づくのが遅れてもっと前か。 蕾は湧くといった感じ。どんどん作り出されるので 花期は呆れるくらい長くなる。 不思議な花である。 台風に逢っても衰えない、 見かけによらず勁くて驚いた。

         
 
 
 番号をつけてみる、 背が高い一番花は(下写真 右上のNo1) 種もできてかなり重そう。 元は一本の木、 枝を増やして脇の小枝につぎなる小枝・・・   

     

  

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タイトル

2009-09-17 | イーゼルのうた
 
 
栗とフウセンカズラ  6F  水彩
 

 栗の毬を初めて描いた。  観ると描くでは大違い。 
 円にはなるけど、  なかなか球形にならない。 
  風船蔓はお手上げ  存在感と儚さが出ない  時間切れ

   文化祭は 玉葱の絵を出すことになった
  籠の玉葱  篭の玉ねぎ   もっと詩的なタイトルはないだろうか

    タイトルは サインと同じくらい重要だ
  サインが良ければ 絵は完成
   
   でも  タイトルが素っ気ないと  せっかくの作品が壊れると思う
     

   (グラスはもっと上まで描かれていますが 写真ではカットされました)

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赤い実

2009-09-17 | 自然や花など

        

                 葉がくれに秋をうなづく柘榴哉      寅彦

     路地を曲がると 赤い実が待っていた。 


    

         湧く雲に珊瑚樹の実の重さかな    真佐恵

       

        

          椿の実  姫林檎のようだ
        

 

 

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銀行の魚

2009-09-16 | こころ模様

  近くの店は閉鎖され、 財布がわりの銀行がだいぶ遠くなった。 
  運動がてら30分歩いて最寄りの店へ向かう。 天高く気温30度くらい、 折しも秋の陽はビルや道路に照り返してかなりの暑さだ。 しかしカラッとしていて 汗もでなかった。 

   いらっしゃいませと言ったかどうか 熱帯魚の出迎えを受ける。

          

     ロビーを行き交い それとなく客に気配り
            余ったら預金よろしく… とかなんとか そつがない

                      

           

      人はみな  水底でヒンヤリだまって待っている

   
       立ち上がると 
        

     

     あ お客さま…   パッと駆け寄って        
     
            

      
  

       お出口はこちらです… と     
              
     思えば  優秀な行員さんだった


 

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車窓から

2009-09-15 | 道すがら

  ゴッホの黄色も 輝いて
    恵みの稲穂を  風がしだく 


           

    チューブから出したてのゑのぐで   渦巻きの模様をかいた 
      

 



       
   黄色と グリーンと  大豆畑の人影  岸辺の家並み  水平線
             

    11日 海が見たくて ここに来ました
           海は  詩人の魂
    

  

      既に鴎は遠くどこかへ飛び去つた
      昨日の私の詩ウタのやうに
      翼あるものはさいはひな……

      あとには海がのこされた
      今日の私の心のやうに
      何かぶつくさ呟いてゐる

                      三好達治  一点鐘より


  
   
     風景は…  心の絵  
                       

 

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彼岸花

2009-09-14 | 自然や花など

    

    秘密の森   
     草かげの 彼岸花  

 

     

          みごとな細工   燃える色

 

  散歩も、 ちょっと距離を伸ばしてみると、 たくさんの花が呼びとめる。
  
  塀ぎわでも揃い踏み。   写真におさめて歩き出せば、 通りがかりのおふたりと眼があった。 思わず 
 「今 写真に撮りました」 

  微笑んだ口元が
 「さし上げますから お持ちなさい」 
  一本道で佇む姿をずっと見てらしたのだ。 
 
 「来年六月、 もしも、ここを通ったら声をかけてください。  その時は球根を…」 とつけ加える。

 葉見ず 花見ずの彼岸花に、 通りがかりの 見ず 知らず同士…
 
  「なんとお優しい… お礼もできません」 
  「この辺りは みんな優しいのよ」

 ほがらかなその方は、 家にもどるなり包み紙を用意して、 ブルーの花も添えてくださった。 

 花束を抱え、 家から遠いスーパーに寄る。 紅白の彼岸花に水色のルリマツリがよく映えた。 レジを打つ店員さんも微笑をくれる。 「きれいですね」
  初めて出会う方たちのやさしい眼差し、 心に沁みた。 
   

   道の辺(ヘ)の  いちしの花の  いちしろく  人皆知りぬ  わが恋妻は    

   壱師の花… 彼岸花    自慢の妻だ

 

           

 

 

 

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シバの女王

2009-09-13 | 自然や花など

  気になっていた花。 
  かたちは凌霄花に似ているけれど、花のつき方はだいぶ違った。 
    束になって咲いている。

  ノウゼンの仲間らしいけど 
  調べると、 蔓を伸ばした先々で根をだす性質は凌霄花におなじ。 中国原産に対して こちらは南アフリカ原産。
  ピンクノウゼンとも。 英名 「シバの女王のツル草」 とは すてきだ。


           


  シバ王国の女王(紀元前10世紀)… 遠いはるかな国へ思いを馳せて 
  壮大なドラマも浮かんでくる

  レイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ 「シバの女王」
   YouTube  でお楽しみください。  

                       

 

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形にする

2009-09-09 | アートな時間

   埼玉県立近代美術館 長澤英俊展  オーロラの向かう所
                                                             天と地をむすぶ彫刻家

   作品15点。  巨大アートは  彫刻… インスタレーション… …

 以下は、 すばらしい作品に巡りあった喜びを、蛙のためにメモします。
  順不同で

  一会場で、 作品の一部を見たに過ぎないけれど。
  ただただ圧倒され 打ちのめされて言葉もなく。 畏敬し荘厳な音を聞いた。
  一作目からしてインスピレーションがまったく湧かない。 自分が情けなく嫌になった。 錆ついた心でも、 なにか感じない? なにかあるでしょう と 苛立った。

  しかし、 作品五つめを過ぎるあたりから、 何となくワクワクしてきた。 圧倒する力や大きさ、 重量感や、 材質に面白さがみえるようになって。 大理石や蜜蝋の空間など、 匂いを含めて 心が和らいでいく。 
 鉄や大理石にシルクの組み合わせ。 浮遊感や、冷たさ、手ざわりを感じ建築のようにも味わった。 だんだん目や心が追いついてきた。   

        意識の構造

 N 意識の構造 (木、鉄、大理石)
  ダイナミックに組まれた木は、両端からねじれ、 真ん中でぶつかり合っている、 その中央は空洞になり、中に大理石の白い球を抱いている。 写真ではねじれも大理石も見えません。  残念です。
  
  意識とはこちら側から向かっていくものと、 向こう側から向かってくるものの接点に生まれる (作者の言葉)
             
  
見えないものをかたちにする。 豊かな発想と詩情。 出来れば野外で鑑賞したい。 自然の中で作品は大きく息づく。 今まで知らなかった彫刻家を今やっと知った。 とてもうれしい。  

    

  I 詩人の家…  飛翔するような茶室風の家。 ほの灯り、 真鍮の桟と障子の陰翳、 ホッとさせる。  大雅や蕪村がひょっこり顔を出して 釣り糸を垂れるかも知れない。 蛙はそれにぶらさがる。
   空想豊かな詩人が 実際に住んでいそうね。 
     立原道造の「詩人の家」を掲載したばかりだ。 

過去と現在、未来は同時に存在して空間に浮遊している(TVから作者の言葉)

   J 空の井戸… 生地のようにも見える独特の質感をもつ鉛のシートによって形づくられた大きな立方体が釣り鐘のように宙づりになっている。 それを部屋の四隅から伸びた角材が井桁を組んで支える。 軽やかに宙に浮かぶ井戸。

 何としても青天井で観たい作品。 きっと雲雀が 枢(クルル)をまわすでしょう。 

 

i詩人の家H夢うつつのセリヌンテ  

  美術館のHPで新聞掲載を知った。 衆院選のTVに釘付けで夕刊を見落としていた。 
 
 09-9-2 朝日夕刊 に よれば  (左写真も)
見定めがたい存在「見せる」 として 大きく取り上げていた。
 
 場を作ることと、場をいかすこと。 イタリア・ミラノ在住で 国際的に活躍。 彫刻とは何か。 空間とは何か、と問い直す展示でもある。 

  出口では ビデオ 「長澤英俊 イタリアの日本人」 を一時間くらい見た。      それは 作家の理解をふかめ、 作品をよく理解できた。 城跡や洞窟に飾られ(金の舟の部屋)現在封印している作品もあり、 歴史的背景や豊かな自然のなかに置かれ、 さらに深まり高められると思えた。 

  大きな作品は、 この美術館でさえも手狭で 天井のひくい器、 空間だと思わせる、 作品の魅力が出るだろうか。 広大な土地で 展覧するのも無理な話だけれど、 とても惜しい気がする。 それでも、彫刻家を知ったことは大きな収穫。

  イタリアから運ばれた作品を もういちど見てこよう。  長澤芸術に触れられてほんとうに良かったと思う。 旅の体験は作品の一番近いところにある…(長澤英俊)
 たどった道のりと、素晴らしい作品群を忘れないでいたい。 
 芸術は出かけていって実際に見てこそ… 心からそう思えた。  

 A緑の陰  Bゼロ時間  C舟  D二つの円錐  Eゼノピア 
 F縦の目  Gミューズの部屋  H夢うつつのセリヌンテ  I詩人の家 
 J空の井戸  Kバグダッドの葡萄の木  L長椅子 M二つの石 
 N意識の構造  Oイリデ 

  美術は視覚芸術だという固定観念がある。 しかし、音楽を耳だけでなく身体全体で聴くことができるように、美術も眼だけではすまないと思う。勿論 眼は重要だけれども、眼には思い込みがあって、自分は見えているという認識こそが間違っている場合が多い… (長澤英俊)


   思いこみ…  とてもこころに残った。 

            -☆-

 同時開催  川越市立美術館では作品5点を展示
  出身地 川島町の遠山記念館でも「長澤英俊展 -夢うつつの庭-」 を開催中

 写真および解説は 
  一部言葉をかえて 美術館チラシ・展示ガイド・朝日夕刊より引用。
 HPの「会場フォトギャラリー」で その雰囲気をお楽しみください。
                                  9月23日まで

 

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耳を澄ませば

2009-09-08 | 自然や花など

      

       風のままに 揺れる花   

 

      

          やさしい呟き  花の呼吸…  

 

               

                         静寂    ドキ ドキ…   

 

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