たくぶすま新羅の王の陵(ミササギ)に
秋の日はいまうららかなり
いづこにか鶏(トリ)の声はるかに聞え
かなたなる農家に衣を擣(ウ)つ音す
路とほくこし旅びとは
ここに憩はん 芝艸(シバクサ)はなほ緑なり
中略
青空や
土壘(ドルイ)の丘や
まことやな 亡びしものは
ことごとく土にひそみて
鵲(カササギ)は
声なく歩み
艸の穂に
秋の風ふく
帰宅後 三好達治の詩を読み、
韓国の旅をしみじみと味わうことができた。
あの日、私たちは松風を頬に受けて黙々と歩いた。
やがて開ける先に、 まろやかな新羅王の御陵がみえてきた。