そうである、あたしもついにそうなんである。
犬の里親探しのサイトを夜な夜なクリックしてしまい、
黒ラブをみつけてはその子のプロフィールや預かり日記
などをめくってしまうのである。
昼間、事務所近くの交差点で犬猫のひなんじょのための募金活動を
している彼らにまた会ったら、今週は切羽詰まった様子で声を
はりあげていた。見過ごしていくことはとてもじゃないけど
できない…けれど微力なわたしである…。
写真は2010年の今頃のもので、手術前で不自由なく
歩きまわっていたころのベイビーだ。
里親探しサイトには大小さまざま、飼主に放棄された
子たちが掲載されている。どの子もかわいい。
年齢の高い子から月齢の子までいるし、犬種も様々、
ブリーダーが潰れて放置したものや、病気や引っ越しと
いった人間の都合で保健所へ持ち込まれたものを
殺処分前に譲り受けて保護した団体や個人の方々がこの
サイトへ「かわいい子いますよ~」と紹介してくれている。
それにしても、たくさんの子たちが捨てられている。
一度家を失った子たちを再び不幸な境遇にしないために
引き渡しの条件がしっかりとしているのがいい。
病気を隠して売ったりする販売者とは大違いである。
先天性の病気、放浪中に傷ついた身体を治療し、去勢や
避妊手術をし、ワクチンを打ち、新しい家族がみつかる
まで大事に大事にしてくれている様子がわかる。
あの子が欲しい、あの子じゃわからん、というわらべ歌
が急に思い出された。
黒ラブミックス、三才くらいの男の子がいた。
名前がつけてあったけれど、この子の名前は変えられる
のかしら? とかいろいろと想像する。
まだわたしは面倒をみてあげられる状況ではないのだが、
面倒を見てもらいたい気持ちはじゅうぶんであることに
気づいた。
犬がかたわらにいた日々、わたしはとてもしあわせで
あった。その感覚が少しづつ薄れていく。
どうやってあのぬくもりとともに時を過ごしていたのか
忘れていく。何をどうしていたか…。
今は日々忙しく、書類と書籍と人の間を行き来している
ばかりである。
ベイビーからもらったあたたかなものが胸の奥にある。
それだけが確かで、ベイビーよりずいぶん小柄な黒い
mix犬の瞳を見たとき、その子に触れてみたくなった。