福岡県ホームページ 平成19年度福岡県食料・農業・農村の動向(県農業白書)
「県農業白書(県農業の概要)」より抜粋
農家戸数 74,976戸
販売農家 54,515戸
主業農家 12,921戸
準主業農家 10,590戸
副業的農家 31,004戸
自給的農家 20,461戸
耕地面積 88,300ha
水田面積 68,900ha
1戸当たり平均耕地面積 117.8a
農作物作付延べ面積 99,500ha
水稲作付面積 40,000ha
農業産出額 2,116億円
米 363億円
農林水産省/農業関連用語より
・主業農家とは、農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家をいう。
・準主業農家とは、農外所得が主で、65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家をいう。
・副業的農家とは、65歳未満の農業従事60日以上の者がいない農家をいう。
1町(10反)≒1ha(100a)
水稲作付面積1haあたり907,500円(=363億円 ÷ 40,000ha)
すなわち、1町の田を作った米農家の農業収入は90万円くらいということになる。
その内訳を予想するに、
1反あたり米7俵の生産
米1俵あたりの値段が1万3千円
1町(10反)で米70俵
70俵×1万3千円=91万円
・・・といった感じになるだろう。
ちょっと前に、『年収300万時代を生き抜く~』なんて本が出ていた。ここで、300万円を「自分と家族を養うに足る最低限の年収」と仮に設定する。1町そこらの田を持っていても、この300万円には到底届かない。4町あって、独立した農家としてのスタートラインに初めて立てることになる。(4町はあくまでもスタートライン。燃料や肥料等を考えると、これでも難しいか。)
一方、1戸当たり平均耕地面積は 117.8a 。農家一軒の耕地が、平均して1町2反弱ということだ。これでは生計は成り立たない。生計どころか、下手したら農業収支が赤字となり、生活の足を引っ張ることだってあり得る。
その昔、農業は日本人の生計を支える主要産業だった。ところが、今の農村の存立を支えているのは農業以外の収入だ。多くの農家にとって、農業は生活を支える産業ではなく、ノスタルジーの象徴となっている。俗っぽく言えば趣味でしかない。多くの農家は、サラリーマンの給料や年金で生計を立てるかたわら、たまたま農村に生まれ、相続した農地があるため、農地を耕しているにすぎない。
農業以外の収入が途絶えれば、その農村は息絶える。
限界集落?潔く滅びれば良い。
さて。
派遣解雇を初めとする雇用問題について「恒常的に人手不足な農村で、失業者を吸収すれば良い」と主張する人がいる。しかし、農村は外部からの収入で成り立っている。外部に養ってもらってきた農村が、その外部であぶれた失業者を養うことができるとは思えない。農村の生命線は外部にあり。そもそも、外部の失業者を吸収できるなら、もっと主業農家が多いはずだ。
それに、農村が人手不足といっても、それは農繁期に限られる。農繁期を過ぎれば、人手はそんなに要らない。農村に必要なのは身分保障の煩い常勤の正社員ではなく、必要な時期にだけ雇い入れ、そうでない時期は使い捨てることができる期間労働者だ。
儲からない農業。
まともな雇用を生み出せない農業。
産業として成り立たない農業。
農業以外の収入に依存している農家。
小規模で生産性の低い農家が多数存在する、日本の農業。
その出発点は、農地改革にある。
【近代、現代編-農業-農地改革】
不在地主の所有する全小作地及び在村地主の所有する1町歩(本県は7反歩)を越える小作地(小作地と自作地の計が1町9反を越える部分の小作地)を国が買収して小作農に売り渡して自作農を創設する。
私有財産制をないがしろにしたツケが、こうして時を超えてまわってきた。
社会権の具体化、結果の平等を図る政府の政策は、長期的に見ると弊害のみをもたらす。
「県農業白書(県農業の概要)」より抜粋
農家戸数 74,976戸
販売農家 54,515戸
主業農家 12,921戸
準主業農家 10,590戸
副業的農家 31,004戸
自給的農家 20,461戸
耕地面積 88,300ha
水田面積 68,900ha
1戸当たり平均耕地面積 117.8a
農作物作付延べ面積 99,500ha
水稲作付面積 40,000ha
農業産出額 2,116億円
米 363億円
農林水産省/農業関連用語より
・主業農家とは、農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家をいう。
・準主業農家とは、農外所得が主で、65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家をいう。
・副業的農家とは、65歳未満の農業従事60日以上の者がいない農家をいう。
1町(10反)≒1ha(100a)
水稲作付面積1haあたり907,500円(=363億円 ÷ 40,000ha)
すなわち、1町の田を作った米農家の農業収入は90万円くらいということになる。
その内訳を予想するに、
1反あたり米7俵の生産
米1俵あたりの値段が1万3千円
1町(10反)で米70俵
70俵×1万3千円=91万円
・・・といった感じになるだろう。
ちょっと前に、『年収300万時代を生き抜く~』なんて本が出ていた。ここで、300万円を「自分と家族を養うに足る最低限の年収」と仮に設定する。1町そこらの田を持っていても、この300万円には到底届かない。4町あって、独立した農家としてのスタートラインに初めて立てることになる。(4町はあくまでもスタートライン。燃料や肥料等を考えると、これでも難しいか。)
一方、1戸当たり平均耕地面積は 117.8a 。農家一軒の耕地が、平均して1町2反弱ということだ。これでは生計は成り立たない。生計どころか、下手したら農業収支が赤字となり、生活の足を引っ張ることだってあり得る。
その昔、農業は日本人の生計を支える主要産業だった。ところが、今の農村の存立を支えているのは農業以外の収入だ。多くの農家にとって、農業は生活を支える産業ではなく、ノスタルジーの象徴となっている。俗っぽく言えば趣味でしかない。多くの農家は、サラリーマンの給料や年金で生計を立てるかたわら、たまたま農村に生まれ、相続した農地があるため、農地を耕しているにすぎない。
農業以外の収入が途絶えれば、その農村は息絶える。
限界集落?潔く滅びれば良い。
さて。
派遣解雇を初めとする雇用問題について「恒常的に人手不足な農村で、失業者を吸収すれば良い」と主張する人がいる。しかし、農村は外部からの収入で成り立っている。外部に養ってもらってきた農村が、その外部であぶれた失業者を養うことができるとは思えない。農村の生命線は外部にあり。そもそも、外部の失業者を吸収できるなら、もっと主業農家が多いはずだ。
それに、農村が人手不足といっても、それは農繁期に限られる。農繁期を過ぎれば、人手はそんなに要らない。農村に必要なのは身分保障の煩い常勤の正社員ではなく、必要な時期にだけ雇い入れ、そうでない時期は使い捨てることができる期間労働者だ。
儲からない農業。
まともな雇用を生み出せない農業。
産業として成り立たない農業。
農業以外の収入に依存している農家。
小規模で生産性の低い農家が多数存在する、日本の農業。
その出発点は、農地改革にある。
【近代、現代編-農業-農地改革】
不在地主の所有する全小作地及び在村地主の所有する1町歩(本県は7反歩)を越える小作地(小作地と自作地の計が1町9反を越える部分の小作地)を国が買収して小作農に売り渡して自作農を創設する。
私有財産制をないがしろにしたツケが、こうして時を超えてまわってきた。
社会権の具体化、結果の平等を図る政府の政策は、長期的に見ると弊害のみをもたらす。