私は、淡い期待を抱いていた。
イスラエルによるガザへの攻撃が報じられ、左派系の論者がこぞってイスラエルを非難する中、「ここだけは、きっとパレスチナを非難するに違いない」と期待していた。
『無防備マン』である。
『無防備マン』の言う「無防備地域宣言」とは、大まかに言うと
「軍隊を持たない無防備地域を外国が攻撃することは、国際法で禁止されている。無防備地域を攻撃することはできない。自治体が無防備地域宣言をすることにより、その自治体に平和が訪れる」
という、国際法上かなり無理のある主張である。
無防備マンの理屈でいけば、パレスチナが兵器を持って抵抗するからいけないのであって、一切の抵抗を止めて無防備地域宣言を出せば、即時に平和が訪れるはずである。他の左派が何と言おうが、無防備マンはパレスチナに対し無防備になることを呼びかけ、パレスチナ人に無防備地域宣言の効用を伝えようとするはずである。それが筋である。
ところが、だ。
まんが『無防備マン』が行く! | イスラエルの攻撃をやめさせる方法
『無防備マン』なのだから、「イスラエルの攻撃をやめさせる方法は、パレスチナが無防備になることである!ガザも無防備のネットワークに加わるべきだ!」とぶち上げるかと思ったら、その方法とはイスラエル・アメリカ・日本への抗議と、イスラエル支援企業の不買運動。
『無防備マン』の主眼は攻撃する側ではなく、あくまでも攻撃される側の軍備放棄にあったはずだ。まずは攻撃される側が軍備放棄し、無防備宣言を出すことによって、攻撃対象とはならなくなり、その地域に平和が訪れる・・・という信仰である。ベクトルが攻撃する側に向きっぱなしでは、『無防備マン』の信仰に合致しない。
どうもつまらない。
どうせなら、とことんやりきって自身の信仰に殉じてほしかった。そうしたら、その心意気だけは買ったのに。
今のところ、「ガザで無防備宣言を」と呼びかける左派の見解は、ここ↓くらいか?
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