その夜、モンフラエのキャンプサイトで見たヨーロッパのニュースでは北欧からドイツ、オランダ,フランス中央部までは激しい雪に見舞われほとんどの空港が閉鎖されたと言う。
昨年3月20日過ぎの中央スペインでも雪が降っていたから、今回もわからない。
3月13日は朝から素晴らしい青空で風も収まっていたが、気温が低くて霜でも下りそうな寒さだった。キャンプサイトから真っ直ぐ北上して2年前に訪れたサラマンカの環状線を通ってバーゴスへ向かう。
途中から道路わきの牧場や畑地にうっすらと雪の積もっているのが見られ、小高い山は木々が凍っているようで白く輝いている。
スペインの道路は高速道路ではないが時速100kmまで出せ、設備も整っていて道路渋滞することが無い。快調に飛ばしているうちに粉雪が舞いだして、それが一時はボタン雪に変わった。それでも道路に雪が積もることが無く、この日400Kmを走ってビルバオの50km南の町ビットリア(Vitoria)に着いた。
この町の大きな駐車場はキャンパーのためにただで宿泊できるキャンピングプラッツが整備されていて、一角には水道と下水処理場が備え着けられている。もうすでに10台以上のキャンパーが停まっていて、雪は一晩中降り続いた。
このようなキャンピングプラッツでこまるのは電気が無いこと、ドイツのキャンピングプラッツの優れているのは1ユーロのコインを入れると数時間のメインの電気がつながってテレビやビデオが見られ、本も読める明るさが得られる。
キャンパー内のバッテリーではやや薄暗くて寝るまでの数時間が楽しめない。それに電気ストーヴがつかえないからガスストーヴを入れて暖を取ったが、寝るときにはガスは止めてしまう。
朝はあまりの寒さに目を覚まし、この冬初めての長袖の暖かい下着を着ることにした。
ポルトガルでは冬でも10度以下に下がることはあまりないからほとんどの日々半そでですごしていた。
ありがたいことに一晩中降った割には雪は積もらず、まだ雪の降っている中をビルバオ(Bilbao)へ向かった。
有料の高速道路を避けてNロードを行くと一山越えなければならず、この時は道路の両側の降雪の多さに驚き、まるでクリスマスカードの絵になりそうな景色が現れた。
そしてもっと驚いたのは山を越えた途端、あたりは一変して雪などどこにも見えない。ビルバオの町に一番近いキャンプサイトは50km北の海岸にあり、この日ビルバオのグーゲンハイム美術館を見るだけで夕方キャンプサイトへ行くことにした。
ビルバオの町は周りが山や岡に囲まれた狭い平野にあり、キャンピングプラッツも町を見下ろす岡の上にある。
そこにはキャンパーが2台停まっていた。この場所から町までバスが往復していたからここにキャンパーを停めて町への観光に出かけることにした。