3月初めからキャンプサイトの住人達はどんどん帰国をはじめ、今まで慣れ親しんだ人たちや、ラジオ体操をしたり、オペラ、バレーを一緒に見に行った人たちが皆いなくなってしまった。3月末のこの頃では知ってる顔がほとんどいなくて、次々やってくるキャンパーは1-3日でサイトを去ってゆく。彼らはポルトガルの西海岸でキャンプしていた人たちで、帰国途中で立ち寄ったに過ぎない。だから我がキャンパーの隣人たちは顔も覚えないうちに入れ替わってしまう。
私たちも25日には帰国準備をしてゆっくりフランスのカレーの港まで行くつもりだったけれど、毎日青空が見られなくなるかも知れないと、1日でも長くここにとどまっていたい。それで31日までここを出るのを伸ばし、毎日あちこち歩き回って楽しんでいる。
日曜日も短い散歩のつもりで、カメラだけ持って以前にも歩いたヴェール・フォーモーザ(Vale Formosa)へ出かけた。毎日晴天で、気温も上がっているから道端も野原も果樹園も花盛り、何度見てもため息が出るほど素晴らしい景色や色とりどりの花々に感激する。
道端に這いずってどんどん花が増えてゆくのはこの華やかな色の昼顔、イギリスの昼顔は白い花だから寂しく見えるがここではあでやかに咲き誇っている。赤紫色のアザミは花の大きさが北欧のよりは小さく、葉の棘も寒冷地のほうがとげとげしい。
このかわいい星のような花は、ハコベのような葉とサイズもほとんど地面を這っているような感じで草むらでは見落としそうなくらい小さい。イギリスでは5-6月に咲く梨の花がここアルガーヴでは満開で帰国すればもう一度、裏庭の梨の花を見ることができる。
今ではどんな田舎でも水道が通っているのがヨーロッパでここポルトガルももうすたれたらしい井戸と水をくみ上げる仕組みが面白い。2月ころから咲き始めた春菊様の白い花は今では野原を埋め尽くしている。
この白いマーガレットのような花に交じって背の高い青紫の花が何とも言えないくらいかわいい。
そして今花盛りなのがオレンジの白い花で甘い香りが漂っているが、オレンジの実が鈴なりでまだ収穫前に花が咲いて大丈夫なのだろうか?3月に花が咲いてオレンジの実が実るのが12月以降なんてオレンジの木自身休む時がないではないか。これも冬がないせいなのかもしれない。
桃の花が満開で遠くからはピンクのかすみがかかったように見える。 夕方7時ほんのひと時を派手な夕焼けが空を染めた。明日も晴天。