このロワール河畔のキャンプサイトへやって来たのは、今年のキャンピングブックによればロワール川に数多くあるお城の観光に便利とかいてあったからでそれもユネスコのお城があるという。そこでこのユネスコのお城へはどうやって行くのかと聞いた所、なんとここからロワール川の上流100km2時間かかると言われた。
せっかくここまで来たからにはぜひそこまで行こうと決心し、翌朝サイトを出発、すぐ立派な古い橋を渡ってロワール川の北岸を上流に向けて走る。確かに川の岸から遠くないところにいろいろなお城が見え隠れしている。特に感心したのが北岸の崖の中に住居が存在すること。以前スペインで見つけて感心したものだが、ここフランスにもあるのだ。
このシャンボール城は1519年弱冠24歳のフランソワ1世が愛する狩猟のためにこのシャンボール城の建設に着手したが、彼の32年間の統治生活でここで過ごした日数は72日しか無い。主塔の中心部分に3つの階を結ぶ2重螺線階段があり互いの階段から相手の姿を見ることができないという。この中央階段の傑出した設計にはフランソワ1世が1516年に招いたレオナルド・ダ・ヴィンチが関わっているのでは無いかと言われている。
フランソワ1世が1547年に死去するまでに完成していたのは主塔と王室のみで、彼の死後息子のアンリ2世とルイ14世によって現在の姿の整えられたという。主塔の周りに4つの高い塔があり螺旋階段になっている。17-18世紀当時の王室の居室を垣間見ることができるが、王室の興亡によりこのお城は何度も廃墟の憂目に会い、1930年フランス政府がシャンボール伯爵の後継者からここを買い取り、ユネスコ世界遺産に指定されている。
6箇所の出入口のある全長32kmの壁に囲まれた総面積5440ヘクタールの敷地はパリ市の大きさに匹敵するという。