Reiko's Travel 記事と現在の英国事情

在英51年、2020年7月未亡人になって以来、現在英国事情と過去の旅行の思い出を記載。

越冬キャンプ旅行ータヴィラのエンターティンメント

2014-02-28 14:39:44 | キャンピングヨーロッパ 2013-2014

オペラハウスからの実況中継ドン・ジョバンニの夜は英国に嵐が再・再・再・・・再来していたもので(実際今冬は低気圧が一週間に3回は襲ってきて洪水やがけ崩れの被害が相次ぎ、いまだ水のひかない地域もある)オペラ中継も確実に見えるかが危ぶまれていた。

 

バレーの時に見に行ったジム友達が、だれもオペラには興味がなくて、近くに大きなキャンパーを構えて居るイギリス人のロジャーとペニー夫婦と一緒に映画館まで歩いて行った。小雨の夜でポルトガルが小雨の時は英国は土砂降りだったに違いない。

 

ドンジョバンニは何度も見ているオペラで、知っているメロディーも多いしコメディーオペラの一種だが、最後にドンジョバンニが殺人の祟りで地獄へ落ちてゆくというところがこじつけみたいでいつもしっくりしなかった。ところが今回は、彼がだんだん狂ってゆくところがうまく描かれていて、モーツアルトが脳梅毒で死んだのではないかといわれているのを見ても、ドンジョバンニも脳梅毒で狂ってゆくとの解釈がこのオペラに見える。

 

舞台は2階建ての建物にプロジェクターで投影した絵や建物などが斬新、歌手もそろっていて文句なし。ドン・ジョバンニが花嫁を誘惑するときの歌と動きが素晴らしく巧い。

ところがここポルトガルではサブタイトルがポルトガル語で画面下に出るから、何を歌っているかわからない。オペラハウスの観客が笑っているときに、ここの観客はきょとんとしていた。

 

当地では映画館にオペラの宣伝が一切ないから、このオペラの1週間くらい前にオペラの案内と詳細を書いた紙を多くの人が集まる洗濯室に置いておいた。

そのせいかどうかこの夜は30人以上の人が集まって来ていた。初めてオペラを見たロジャー夫婦は帰る時も相当興奮していて、こんなチャンスがあったことを感謝して止まない。

 

 

それ以来ロジャー夫婦と親しくなり彼らのキャンパーを訪れる機会があった。立派なキャンパーで、長さも10メーター近く、幅も広いから室内はゆったりしていて居心地が良い。

このキャンプサイトに6年前から来ているという。そして3月に帰国すると、5月から10月までは3ベッドルームのヨットでフランス近辺を航海しているという。英国に居るのが一年に2か月もあるかどうかとのことで、いろいろな人たちが居るものだと私一人で感銘している。

 

 

先週土曜日はセント・アン教会でギターと歌のコンサートがあった。お隣のアイリーンと娘のサマンサがいつものごとく車で連れて行ってくれた。

 

ギターは1週間前のジュズエ・ヌネスで歌がイギリス人のスー・キング(Sue King)この人もう若くはないが10代の少年、少女ソプラノのように澄んだ素晴らしい声の持ち主で、約200年ほど前の英国の古歌を1時間にわたって聞かせてくれた。

  

7時に教会の外へ出ると高台から見るタヴィラの町が素晴らしい。まるで英国の夏の10時ころ、夕闇がゆっくり迫ってくるようだった。

 

このタヴィラのキャンプサイトは今までのポルトガルのサイトと違って大きな木が少ない。ポルトガルの夏は40度にもなるから夏のキャンプサイトはほとんど松の木でおおわれている。ところがこのサイトは周りがオレンジとミカンの木で、中央部はオリーヴやアーモンドの木が大きくなっている。ほかには大きな藤の実のような実のなる樫木様の巨木、これはポルトガルの常緑樹でキャロブTreeと呼ぶ。大きな藤の実のようなさやはみのって真っ黒になり中の実から犬のためのチョコレートが作られるそうだ。この実は人間でも食べられるが、本物のチョコレートは犬には食べさせてはいけないとのこと。

最近知り合ったイギリス人夫妻ロッドとジャンから教えてもらった。

  

 

それでこのサイトには珍しいフープと呼ばれる鳥が来て、フーフーフーと鳴く。松林では見たことがない。このフープはフランスに住んでいるアイリーン(隣人)の庭にも来るそうだが、今までポルトガル以外で見たことがない。

そしていまだに姿を見せぬ謎の鳥がこのサイトに居る。昼も時々鳴くが夜になるとうるさいくらい鳴くストーン・アウル(フクロウ)で夕方近くの木で鳴きだすと姿を見ようとそっと出てゆくが、どこかで私の動きを見ているらしい。すぐ鳴きやんでもうウンともスンとも言ってくれぬ。近くのオランダ人がストーンアウルだと教えてくれたが、彼らも姿を見たことがないそうだ。

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越冬キャンプ旅行ー先週末の出来事

2014-02-23 16:12:21 | キャンピングヨーロッパ 2013-2014

 

 

毎週土曜日、いろいろ違う教会でミニコンサートが開かれるがこの土曜日はタヴィラの音楽アカデミーでギターの演奏があった。アカデミーといってもたった2室の小さな建物で、観客50人も入ると満杯。

 

 ポルトガルの有名なギタリスト・ジュズエ・ヌネス(Josue Nunes)とアカデミーの先生ルイ・マーチン(Rui Martine)の合奏。まずはかの有名なアルハンブラの思い出に始まりビバルディーやバッハのG stringそして私の好きなシューベルトのセレナーデ(夜曲)などの演奏、セレナーデには深い思い出がある。

もう50年以上も前の日本の音楽教育といえば、海外のクラッシック音楽の曲のいい部分を採って日本語の歌詞をつけて学生に歌わせたものらしい。2歳上の兄は高校時代の選択科目に音楽をとっていて、いつも習ってきた曲を家で歌っていた。その中の一曲がセレナーデ、ほかには冬の旅やホフマンの舟歌など有名な曲が多い。その頃の日本の高校生はこれらがクラッシク音楽やオペラの一部であることなど知らないで大人になった人が多いだろう。これらの曲を聴くたびに10年前に癌で亡くなった兄を思い出す。

 

 1時間たっぷり聞かせてくれたあとは次の部屋でワインとチーズの試飲、試食があった。赤白ロゼーのどれも味見した後は一番高い8ユーロの赤ワインを一本買った。音楽アカデミーらしく壁の絵が面白い。いつもはあまりモダン絵画は好きでないがこの絵は色彩がきれいでこれなら欲しいとと思った。

 

 久しぶりに晴天の日曜日、ジラウ河の上流へ向かって散歩に行った。途中の住宅の前庭に背の高い木になっているポインセチアが青空に映えて美しい。バミューダー・バタカップが道端を黄色に染め、澄んだ河の水に大きなボラの群れが泳いでいるのが見える。

 

タヴィラから上流5Kmも行くと山間部は暖かいせいか今年初めてのミモザの花が満開だった。そしてあちこち散らばる農家の周囲はオレンジ畑が広がり、規則正しく立っている電柱の上にはこれも規則正しくコウノトリが巣を作っている。 

 

 

 地図も持たずに歩き回ったけれどうまくキャンプサイトの方角に道路を見つけ野の花やレモンの写真を撮りつつ3時間も歩いた。

 

途中に小さな可愛い教会を見つけた。ドアが閉まっていて中を見ることができないが16世紀にここに住み着いた修道士の教会からこの建物は18世紀に建て替えられた歴史あるものだとのこと。

キャンプサイト近くの裕福な農家のポーチにかぼちゃがずらっと並んで干してあった。

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越冬キャンプ旅行ーポルトガルのエンターテインメント

2014-02-11 11:58:44 | キャンピングヨーロッパ 2013-2014

1月初めに近くの映画館で47Ronin(赤穂浪士)のアメリカ版の映画を見て以来、勢いづいて2週間後の日曜日に評判の12Years a Slaveの映画を見に行った。

日曜日だったからかそれともこの映画の前評判がよかったせいか今までで初めて沢山の観客だった。それで座席も後ろ半分がびっしり詰まっていて私の横には大きなポップコーンの容器を抱えた中年男がガサガサバリバリとうるさい。亭主の横にはポルトガル人の中年女性が座っていたが、にんにくのにおいが強くて堪らなかったとぼやくこと。

 

映画は徹底的な人種差別と奴隷虐待で、人間をあれほど傷め虐められるものかと思うほど見ていてだんだん気持ちが滅入ってきて終わった後の感想はもう一度見たい映画ではなかった。

 

1月27日、ロイヤル・オペラハウスからの実況バレー公演が同じ映画館で上演された。バレージゼルは今まで何回か見たことがあったが、今回が最高、ジゼルが倒れて息絶えるシーンでは思わず目頭が熱くなった。主人公のジゼルはロシア人バレリーナのナタリア・オシポーヴァ(Natalia Osipova)で軽やかな動きはまるで軽い羽根の様、感情表現がうまくバレーで心動かされるのはまれなこと。

それにしてもこんな片田舎でもロンドンのバレーが実況で見られることは本当にうれしかった。隣近所のキャンパーの人たちやジム仲間を誘って7時15分から始まる映画を大いに楽しんだ。観客も20人近く入っていたから、知る人ぞ知るなのだろう。この映画館では一切の宣伝はされてなかったから。

 

この時以来隣のキャンパーのアイリーンと親しくなり彼女と娘のサマンサが毎週土曜日に行くという教会の音楽会に連れて行ってくれた。一回目はセント・セバスチャン教会で会場も50-60名でいっぱいになった。この教会で20名近くのポルトガル人男女合唱団のクラッシック教会音楽。ロンドンで合唱はいろいろ聞いているから、あまりうまいとは思わなかったが、熱心な観客の拍手はなかなか止まなかった。

  

翌週土曜日にはセント・フランシスコ教会で(ここタヴィラには15軒以上の教会がある)ファドの演奏、歌があった。ファドとはポルトガル独特の歌でギターと独特の弦楽器の伴奏で愛や別れなどの歌を歌うもの。なんとなくポルトガルの演歌という気がする。教会の前に着いたのは開演の20分前、もう数十人の人々が行列を作っていた。10分前に入場、100人は座れる会場はすぐ満員になり空き椅子を探す人たちがうろうろしていた。ファドはポルトガル人に一番人気のある番組だそうで、毎月一回はファドの演奏があるという。

  

この夜1時間にわたり若くてスタイルのよいサラ・ゴンサルヴッシ(Sara Goncalves)が情感こめて歌ってくれた。まるで若い時の都はるみの様で最後はスタンディングオベイション。小柄な彼女から素晴らしいボリュームのある声で観客全員が魅了された。心が温かくなるような気持ちで帰途についた。

明日はまた映画館でロイヤルオペラハウスの実況中継オペラ・ドン・ジョバンニがある。楽しみ!!!

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越冬キャンプ旅行ーキャンプサイトの楽しみ

2014-02-08 13:31:21 | キャンピングヨーロッパ 2013-2014

今年のキャンプサイトにはフランスのキャンパーが圧倒的に多い。これはここタヴィラだけでなくオルニャオのサイトでも同じだとダイアン夫妻が言っていた。モロッコはフランスの植民地だった過去があり、例年フランスのキャンパーはモロッコへ集中しているが、昨今のイスラム教の締め付けが強く、今まで外国人の飲酒におおらかだったモロッコも昨年秋から入国時に徹底的にアルコール類を撤廃することになった。ワイン王国のフランス人にとって何か月もワインも飲めない生活は考えられないのだろう。それでフランスキャンパーも安くて暖かいポルトガルへ集中することになった。

 以前にも書いたが、このキャンプサイトはもともとリスボンの警察官と陸軍兵士のためのトレーニングキャンプで、ジム設備のみならず大きな水泳プール、バスケットボールとテニスコートも備えている。気温の低い冬はプールに入る人はいないが、日中元気な人たちはテニスやバスケット・ボールに打ち興じている。

 

フランスの国技ではないかと思われるこのボールゲームは、太陽さえ出ていれば毎日フランス人が集まって楽しんでいる。

  

12月の初旬から始めた私のジムのトレーニングも毎朝9時過ぎにレギュラーが集まり、1月からラジオ体操を一緒にすることにした。遅くに来た人たちにもと,2-3回も体操する日もある。

 

 

エドモンド夫妻は毎朝必ずやってくるフランス人で、ご主人はよたよた歩く年寄りに見えたが、奥さんの話によると昨年スキー事故で医者からもう歩くこともできないだろうと宣告されたそう。それでもマイペースでトレーニングしている。奥さんのエドモンド(イギリスでは男性の名前)は今年60歳になるという。彼らの娘が英語の先生だとのことでエドモンドは片言ながら英語を話す。

アニーはフランス人で12月から一緒にトレーニングしているが英語が話せななくて会話ができない。彼女はゴルフが趣味でジムの周りに植えられているオレンジでゴルフの真似ごとをしたりする陽気な人。ほかに3人のフランス人と2人のオランダ人がやってくる。

 

 

1月末にこのサイトを去ったバネッサとディヴ夫妻は英国領ジャージーから来た若いカップルで、2年前彼女42歳彼が55歳で退職しそれ以来人生を楽しんでいる面白い人たち。

 

バネッサとは短い期間ながら一緒にサイトの外までジョギングし、ジムでトレーニングして親しくなった。彼女の両親は50代で早世しているから、人生を楽しむためには早く退職し、好きなことをしたい念願かなってこの巨大なキャンパーに趣味のバイク4台と自転車2台、猫2匹でヨーロッパを旅行している。フランスのキャンプサイトにキャラバンを置いてあるから帰りに寄るようにと住所を呉れた。そんなに早く退職して人生が楽しめるなんてなんとラッキーな二人であろう。

 

ジムの周りのオレンジやミカン、レモンは少しづつなくなってゆくから皆試しに取ってゆくのだろうが、売っているオレンジより格段に酸っぱい。いまではオレンジの収穫真っ盛りで5kgが2-3ユーロ、毎朝食後1個づつ食べるのが楽しみ、やっぱり採りたては何よりもおいしい。

 

腹筋ベンチのそばのアーモンドの花も1月末に満開だった。腹筋トレーニングでバテて見上げた空にアーモンドの花が華やかに咲いている。

 

先週2日間、15人の警察官がトレーニングにやってきた。彼らはキャンプサイトのシャレーに分宿し、朝9時半サイトの道路を一周ジョギング、その時は私のトレーニングも終わっての帰り道で出会ったから、みな制服姿で元気いっぱい、一緒に走ろうと誘って走って行った。

翌朝私が腹筋70数回をしているときに、周りにずらっと並んだ警察官たちが腕立て体操を始めた。皆5回でへたばってしまい、彼らからは私はどんな風に見えるのだろうと思ってしまった。私はすぐ帰ってしまったが、その後に捕り物トレーニングなどがあってずいぶん面白かったという。

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