昨年のクリスマスはオルニャオのキャンプサイトで隣人5組でパーティだったが、ここタヴィラのサイトは両隣がイギリス人だがお互いに招待しあうほど親しくならず、あいさつ程度の関係だ。
キャンパーの中にはオーブンもあるからチキンや七面鳥の丸焼きもできるが、ガスの無駄と二人だけでは大きな鳥は何日も食べなければならない。
もう10年もキャンピングしているからクッキングも手慣れたもの。チキンの丸焼きは中華鍋と同じ大きさのフライパンを合わせて密閉した中で非常に小さな火で空焼きすると一時間半から2時間でできる。周りにジャガイモやニンジンも入れると時間の節約になる。
オーブンがなくてもチキンの丸焼きを食べたい人はぜひ試してみてください。(胸を上向けて一時間、時々中にたまる水分を空けることがポイント、胸肉は最後にひっくり返して色付け程度に焼く)
今年のクリスマスは丸焼きはやめて、チキンの胸肉とロースト野菜にした。デザートに我が庭で採れたイチジクとリンゴを煮てピューレにしたものを冷凍して持ってきたので、アイスクリームにかけて食べた。クリスマスの飾りに摘んで来た野の花、ポルトガルは一年中野生の花が咲き誇っている。
年の暮れはタヴィラの川渕で花火が上がるという。残念ながら夕方から降り出した小雨で出かけることは諦め、テレビでテームス河縁で上がる花火を見ながらワインで乾杯、新年を祝った。タヴィラの花火は木の間越しに見え、約5分ほど激しい音とともにバンバン上がった。来年はぜひ行ってみようと心に誓う。夕方から大きな音楽が鳴り響いていたが静かになったのが夜中2時過ぎ、川渕でのパーティ会場からだったとのこと。
この音楽は英国のパーティでのヘビーメタルとはやや異なり、アラブ系の音楽が入っているように思われる。
ここポルトガルやスペインは過去にムーア人に占領支配された200年ほどの歴史がありムーア人との混血や、文化の混合がある。この南部ポルトガルでは、いかにもアラブ系と思われる住民や北方のヨーロッパ人とは明らかに異なる皮膚の色の人たちが多い。
年の暮れに封切りになったアメリカ映画 Rounin(浪人)はタヴィラのショッピングセンターの映画館でも上映しており、行ってみようと話していた。たまたま友人のユニークな映画評のブログを読んですぐ行ったのが1月2日の午後。ポルトガルも正月休みだったらしく150人ほど座れる映画館に20数人の若者が入った。昨年1月オルニャオの映画館でレ・ミゼラブルを見たときは私たち2人だけだった。
4時から始まった映画は日本という架空の国の忠臣蔵をベースにしたストーリー。しかし忠臣蔵と同じは名前(吉良と赤穂、大石など)だけ。出演者も主人公になるカイ(櫂)キアヌ・リーブ以外は日本人俳優で皆が英語を話す。
見る前は、日本の歴史を改ざんしてこれを見た外人が本当のことと思うのではないかと友人のブログに書き送ったけれど、魔女あり、妖術ありのファンタジーではこれを現実の歴史と思うほうがおかしい。それで日本を忘れて大いに楽しむことができた。
でもいつも西洋人から見た東洋の映画や舞台を見て思うのだが、彼らには日本も中国も同じにしか見えないらしい。衣装や武具が中国系だったり韓国系だったり。
私はあまり映画を見にゆくことはないが、以前わざわざ見に行った映画、ラスト・サムライではよくできた映画だと思っていたのに、最後の戦闘で日本人がすべて鉄砲で死んだ中でトム・クルーズだけが無傷でむくむく起き上がったのを見て私は怒った。
あれ以来トム・クルーズは大嫌い。(きっと彼のせいではなかったのだろうが)これすべて娯楽だと思えば腹は立たないかもしれない。